2023/01/11 のログ
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にテンドンさんが現れました。
テンドン > 昼。九頭竜の水浴び場の室内浴場。
周囲に利用者は殆ど居ない。

「…んあ……」

既に浴槽の中に浸かっている。
壁際側の縁側に片腕を上げて寄り掛かるような恰好。
結い上げた髪の毛はぼっさぼさ。
目の下にはどんよりと寝不足の濃い隈さん。

テンドン > 「……仕事、仕事、また仕事……年明け…忙し過ぎる………」

上の瞼と下の瞼が仲良くしたがっている。
胡乱な眼差しで湯煙の沈殿している浴場の空間を虚ろに眺めていた。
肩の上からが露出、湯面にぷかぷかほぼ自力で支える必要もなく浮力で二つ乳肉が浮島中。
手元には素焼きの杯に植物の茎をそのまま利用したストローのようなものが刺さっていた。
中身は山羊の乳と果実の果汁を混ぜたヤツだ。
乳は若干発酵しておりとても弱い乳酒のようなものに近しい。
少し癖の在るヨーグルトみたいな酸っぱい風味。ちゅるる。

テンドン > 「……このままお風呂浸かってるだけでじゃんじゃんばりばりお金が懐に入って来るようにならないかな…此処、上がったら次の配達…うおお……ああ…」

疲労という刃によって削げ落ちて行く勤労意欲。
鉛の如きに身中に蓄積される怠けたい精神は、湯底に座り込んでいるお尻をその場に根付かせようとする。

「あー……」

あたかも心地よい底無し沼に引きずり込まれるかのように、ずぶずぶと体が下向きにずれ込んで湯中の中にへと没して行く…。
全身が温かい液体に取り巻かれる感覚、耳が湯水に塞がれ聞こえる音が遠くなった。
自らの内側より心拍の鼓動が緩やかな間隔で聞こえる。
…何だか懐かしい…此処は…産まれる前?胎内回帰。

テンドン > 「0ooo00」

完全に水没した湯面に、ごぽごぽ漏れ出る息に乗った泡が立っている。
その境界下には海藻みたいに結い紐が解けて海月の触手みたいにポニーテイルから銀髪を広げている我が肉体。

テンドン > 「ごぶえ」

メメントモリ(死を想え)。
溺死エンドを迎える前に湯の中より上がった。
ぼたぼた濡れ女みたいに全身から湯水の水滴を滴らせる。
海経由で上陸する怪獣みたいな感じで浴槽より外にへと出て行く。

「仕事したくないよ~~~~~~」

咆哮の代わりのぼやきを漏らし漏らしに手元の飲み物をちゅるちゅる啜り。
そして重たい歩みはそのまま浴場を脱して寒くて辛くて苦しい現世にへと飛び出して行くのであった。

ご案内:「九頭龍の水浴び場」からテンドンさんが去りました。