2022/05/02 のログ
ご案内:「九頭龍の水浴び場『露天風呂』」にシシィさんが現れました。
■シシィ > 流れる湯の音と、肌に感じるのは雨上がりのほんの少し冷たい風。
湯気とともにさらりと肌に触れて流れてゆくのに穏やかな笑みが自然と口元に浮かぶ。
異国風の庭園を模した設えに、巌を刳り貫いたような様式。
少しだけ凸凹とした感触が素足に伝わってくるのがくすぐったい。
雨上がりの湿った空気のせいかはわからないが、少なくとも湯気の向こうに人影はないようなのを確認してから女はゆっくりと湯場へと足を踏み入れる。
柔らかそうな銀の髪は項のあたりをのぞかせる程度に結い上げ、少なくとも湯には浸からないようにまとめてあった。
禊ぐようにかけ湯を済ませて、無人の湯へと、つま先からを沈めてゆく。
さらさらと湯があふれて流れる音が、音楽的に響くのを聞き。
外気で冷えた肌にぴり、と触れる熱に、こもった吐息を静かに吐きだす。
背中を適当な岩場に預けて、ゆるゆると手足を伸ばせば、熱によって、強張ったさまざまなものが解されてゆくようだった。
ほ、と零れる吐息が、体とともに弛んでいく緊張感を示すよう
ご案内:「九頭龍の水浴び場『露天風呂』」にディコック・フクシチさんが現れました。
ご案内:「九頭龍の水浴び場『露天風呂』」にクレイプニルスさんが現れました。
ご案内:「九頭龍の水浴び場『露天風呂』」からクレイプニルスさんが去りました。
■ディコック・フクシチ > 「なるほど、確かに良い風呂のようだ。
風が少し冷たいが湯気の暖かさと相俟って心地良いし……しかし、主のあの表情はなんだったのだろうな」
(執務で疲れた体を癒そうと、湯治に来ていて。
露天風呂に行きたいと宿の主にリクエストをすれば、どこか下卑た笑みを浮かべてこの風呂を紹介された。
脱衣場で服を脱いでいき、タオルで前を一応は隠すようにして湯へと続く道を湯気の中を歩いていけば、どうやら先客がいるらしいと気付くも、そのまま進んでいく)
「ん?もしかしてそこにいるのは……シシィか?」
(湯へと近づいていくと、湯けむりの中でも見えてくる人影の姿。
その姿に、以前に逢ったことのある相手だと気付けば、どこか楽しげな笑みを浮かべる。
そして宿の主人の下卑た笑みはこういうことか、と納得をして彼女の方へと近づいていく)
■シシィ > しばらく、無防備にただ湯の熱を甘受していたのだが────
濡れた岩肌を叩く足音に、茫洋としていた眼差しに焦点が戻る。
湯気の中にすい、と視線を滑らせ、音のする方に視線を向けると、ほどなく───人影が露わになるか。
意外だったのはそれが見知った存在のものであること。
あまりこういった場に足を運ぶような人物にも思えなかったが────。それ故に少々驚いた表情を浮かべどう反応するのか惑った。
とはいえ王都での権力者であることには他ならない、欠けられた声音には、として、少々居住まいをただす。
とはいえ湯の中にいるため多少腕でその身をかばう程度のことしかできないのだが
「ごきげんよう、ディコック様、見苦しい姿で失礼いたしますわ」
穏やかな声音は、当たり障りのない挨拶の言葉を紡いで、彼の近頃の様子を伺う言葉へとつながってゆく。
■ディコック・フクシチ > 「いやいや、見苦しいどころか眼福だぞ?
こちらは元気にしておる、そちらも元気そうで何よりだ。
久しぶりに会ったのだし、一献、酒でも……ん?どうした?」
(声をかけ、笑みを浮かべて近づいていこうとすれば、湯の入り口の方から小さく足音が聞こえてきて。
そちらを振りかえれば従者が慌てた様子でこちらへと掛けて来ていた。
ここまでわざわざ追掛けてくると言うことは、何やら重大な用事なのだろうと話を聞くと、どうやら領地の方で規模としては小さいものの少々厄介な問題が起きたということを報告されて。
仕方ない、と首を振って相手の方へと向いて)
「すまぬな、久しぶりに会ったというのに慌ただしいことになって。
少々、戻らねば行かなくなった故、今日はこれにて失礼する。
では、息災でな?」
(残念そうな表情を浮かべながらも、従者を連れて脱衣場へと向かい服を着て、慌ただしく風呂を出て宿を出て領地へと向かっていった)
ご案内:「九頭龍の水浴び場『露天風呂』」からディコック・フクシチさんが去りました。
■シシィ > 「それは、どうお応えすべきでしょう…?」
あけすけながらも向けられる称賛めいた言葉に、さすがに羞恥の色が昇り、眉尻が下がる。
彼の誘いを断る理由は商人としては無いのだが、肌も露わな場所、というのはさすがに緊張感が高まる。
思案していたところに───彼の従者の姿。
主である公爵へと逼迫した様子で訴えかける言葉を、耳にしないように目を伏せる。
過ぎたる情報は己の身をも危うくするものだから。
───ややあってからの言葉に視線を上げ、こちらも首を横に振った。
「いいえ、お声かけ光栄でしたわ。またご挨拶に伺わせていただきます、その時はよろしくお願いいたします」
あわただしく立ち去る彼の姿を視線で追いかけ───、また、静けさが露天風呂に戻るのに、少し伸ばしていた背筋を緩く自然な姿勢に戻した。
■シシィ > 流れる湯の音が変わらずに響く中、雲間からのぞく青い空に視線を向ける。
余人がいなくなると、気の抜けたような様子でまた無防備に湯を楽しむ姿勢。
……先ほどのように誰が来るかもしれない場所だった、というのは思い出しはしたのだが、心地よさに緊張感を維持するのは難しい。
湯の熱にも慣れ、瞼か少し重くなるのを感じつつ。ほぅ、と熱にくつろいだ吐息が零れた。
■シシィ > ───するりと身を引き上げる。パタパタと褐色の肌を滑り落ちてゆく水滴が、湯のあふれる音に彩を添えた。
柔らかな稜線を描く肢体を、傍らに置いていた麻布で包むと、ひたりと濡れた足音とともに湯気の向こうへとその身を隠し──
ご案内:「九頭龍の水浴び場『露天風呂』」からシシィさんが去りました。