2022/04/05 のログ
ご案内:「九頭龍の水浴び場「地下浴場」」にシシィさんが現れました。
■シシィ > 偶の息抜きに足を運ぶのは王都にある温泉旅籠。
いくつもの浴場を要する旅籠の広さは幾度きても迷ってしまうほどだが、案内を頼りにとりあえず地下へと足を向けていた。
ふわふわと漂う湯煙や、湯の香りが、王国で暮らすようになってから覚えた楽しみの一つだと自覚させてくれる。
いつものように着衣を落とし、地下にある浴場の一つへと足を踏み入れると、湯の香りに混じるようにほんのりと花の香りが漂っていた。
湯には花弁が浮かべられ、ずいぶんと凝った様子に自然と相好が緩むのを感じながらゆっくりと歩を進めた。
岩を磨いたようなタイルの上を、素足が廻り、それぞれのテーマで浮かべられているらしい色の花びらの内、華やかな香りの紫花の湯の前に足を止めると、そっとそのつま先から腰までを沈めた。
「─────」
いつもの湯の感触に、軽やかに触れる花の感触。立ち上る湯気だけではない香りに、唇の端が緩く上がる。
ふう、と心地よさのこもったため息とともに、しばらくの寛ぎの時間を過ごすべくさらにその体を沈め、湯の熱がじんわりと己を包んでくれるのに感じ入る。
ご案内:「九頭龍の水浴び場「地下浴場」」からシシィさんが去りました。