2021/11/09 のログ
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にシシィさんが現れました。
■シシィ > 季節の移り変わりというのが如実になってきたのだろうか。
己の生まれ育った土地とは違い、湿度はあるのだが砂漠の夜の様なしんとしみこむような寒さが訪れを見せる日々が続く。
しとしとと雨が降り続いたせいもあって、体が冷えたのを自覚していたから自然と、湯を楽しむときに借りる宿へと足が向いていた。
「────ん」
冷えた肌に、こもった熱気の湯気すら温かく心地よい。
柔らかく目を細めて、その中を歩む。
早々に湯を楽しみたかったのでさほど吟味もせずに、いくつかしつらえられている浴場のうちの一つを選ぶ。大浴場ではなかったが、備え付けの説明書きに目を向けるのを忘れてしまった。
───とりあえず、さほど変な匂いなどもしないし問題はないだろうと、身を清めたのちに、浴槽へと身を沈めることにした。
つま先をつけると、湯の熱がじわりと沁みる。
小さく呼気を詰め、それから、ゆる、とふくらはぎまでを静かに漬けた。
ジン、と痺れるような熱は、己の体が冷えていたこともあるし、やや、湯の熱が高めなのかもしれない。
薬湯なのかほんのりとした香りと、湯の色は、澄んでいる。花か、薬草を漬けてあるからなのだろうと言葉にしないまま思いながらそのままさぷ、と腰まで身を沈めた。
「──……は……」
詰めていた呼気をゆるゆると吐き出して、こもった熱気が配布のなかも温めてくれるような息苦しさと、心地よさに、褐色肌をほんのりと染めながら、心地よさそうな表情を浮かべた。
■シシィ > 十分に体を温めてから、ゆる、とした足取りで引き揚げていった
ご案内:「九頭龍の水浴び場」からシシィさんが去りました。