2021/10/13 のログ
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にサリアさんが現れました。
■サリア > たまにはのんびりと旅館を訪れてみるのも良いのでは、と知人に勧められて、足を向けた温泉宿。
みるもの全てが真新しく感じられて、目を丸く見開きながら宿のあちこちを見ていたが、そのうちに、家族用であるらしい、小さな混浴風呂を見つけた。
立て札には「どなたでもご自由に」と書かれている。
「こんなものもあるのね…」
従業員に声をかけると、他の利用者もいないのでどうぞご自由に、と、促される。
従業員に連れの有無を聞かれて
「ここへは一人できたの」
と返事をすれば、従業員は心得たように頷いた。
箱入り娘は少し不思議そうに首を傾げるも、大した警戒も無く脱衣所へ向かう。
たゆりと揺れる豊かな胸を惜しげもなくさらしながら、自分一人だけの、貸し切りじみたやや広い露天風呂へと足を向ける姿は、安心し切ったものだっただろう。
「あぁ……。たまにはこんなのもいいなぁ……」
幸せそうに目を細める彼女の知らぬうちに、立札の案内は「女性1名待機中」に変えられていた。
二人きりで肉体関係を愉しむための風呂場であること、そのことにまだ、箱入り娘は気付いていない。
仮に誰かの来訪でそれに気付いたとしても、世間知らずを恥じる彼女が、拒めるはずもないのだが。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にグスタフさんが現れました。
■グスタフ > 常連の男は、湯治代わりに滞在していたが、それにも飽いて従業員に握らせていた。
その従業員から一名女性が入りましたよと、おすすめの連絡を受け、方眉を上げる。
言われた露天風呂に向かえば女性一名待機中の札が確かにあった。
中に入りながら、札を現在使用中へと変えて男は脱衣所へ。
脱衣所で羽織っただけの浴衣を落とすように脱ぐと、湯気の向こうに女の姿を認める。
彼女が脱いだ衣服を確認して、その残り香にむくりと一物が鎌首をもたげる。
迷うことなく露天風呂へと踏み込んでいく。
相手はまだ気づいていないだろうか、無遠慮に影に近づいて。
■サリア > 気のせいだろうか。
ガラリと、扉の開く音が聞こえた気がした。
思わず首を入り口の方へ向けると、見知らぬ筋骨隆々の男性が魔酔のない足取りでこちらへ近づいてくるのが見えて。
「ひゃっ…!?」
驚いたような声をあげて、思わず湯船の中で身を硬くして。
「ど、…っ、どなたですか! あの、私まだ、こちら使用中で……」
そう言いながらも、箱入り娘の視線は思わず、男性の身体へ向いた。
男性の裸体など滅多にみるものではない。そもそも、こんなに筋骨隆々の男は、甲冑越しでしか付き合いがない。
ましてやその立派なものなど、おめにかかるのすら初めてだ。
へたりと座り込むように、風呂の中から動くことができなくなってしまった。
耳まで真っ赤にして、相手を見つめていただろうと。
■グスタフ > 女性の様子に、男はきょとんとした後。
「ああ、初めての方か。ここのことよく知らないのかな」
初々しいね、などと呟いて。
遠慮なく風呂へ手を差し出した。
「お近づきがてら、色々教えてあげようか。私はグスタフという。よろしく」
柔和に手を差し出して、無遠慮に風呂に入り込んでくる。
手を取るようすがなければ、そのまま彼女を抱きかかえようとして。
■サリア > 「ご、ご丁寧にありがとうございます…。は、裸ですみません…」
緊張と、動揺と、風呂ののぼせで頭がぐるぐる回るようだ。
この親切そうな男性は何を言っているのだろうと思いながらその手を見つめているうちに、彼はあっさりと風呂へ入ってきて自分の腰に手を伸ばし。
「っ、ひ、ひゃ……」
抱き寄せられれば、男の膂力を跳ね除けるだけの力などないまま。
豊かな胸を相手の身体にむにゅりと押し付ける格好のまま、耳まで真っ赤にして俯いて。
■グスタフ > 「このままだとのぼせてしまいそうだな、君が」
笑って、抱きかかえるとそのままどこぞへと連れ去っていく。
■サリア > 男の腕に抱き抱えられれば、逆らう余裕もないまま、連れ去られて——。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」からサリアさんが去りました。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」からグスタフさんが去りました。