2021/09/17 のログ
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にコルボさんが現れました。
コルボ > 「……。」

 男湯に入ってしばし。ちらりと、脱衣所を見る。
 ……なんか表記が混浴に変わってる。

(噂にゃ聞いてたが……、マッジか……。
 今日仕事で来てんだけど……。)

 懇意にしている商人上がりの貴族をつてに依頼されたのは人探し。
 貴族の末娘がここへ湯治に来て行方知れずとなった。
 調べてみればとある王族に前々から言い寄られており、
 それを断り続けていた矢先のこと。

(ここでいなくなった、つーなら、なあ……)

 よくて手掛かり。本当にここでいなくなった、
 消えてしまった証拠を見定められれば、
 すがりついてきた貴族も諦めるだろう。

(結局娘甘やかして躾けなかったツケだしな。)

 大きく背伸びをして、頭にのせた手拭いをたたみなおして、また頭にのせる。

「ま、今日はゆっくりしてから適当にやって帰ればいいやな」

コルボ > 「つーか……。」

 裏で王族と繋がっている、この腐敗した国の中枢と出来上がっているというだけで避けてはいたが、
 表向きは異国情緒溢れる湯治場。

 しかも今回は経費が落ちる。全体的に出費がほぼない。

(俺なんぞがそもそも目ぇつけられる謂れもねえもんなあ……。)

 足が伸ばせる風呂、というだけでも非常に良い。
 それが天然の温泉。しかも裏では淫獄渦巻くと来てる。

 自分はまきこまれたとしてもせいぜい乱交の中の一人。
 物語で言えば名もなき群衆の一人。セリフさえない感じの。

(……色々立ち回って、ちと自分を大きく思い過ぎてんのかね)

 改めて、自分の身の丈、世界に比べての何たるかを肩まで湯船に漬かりながら
 思いを馳せる。

 これぞ人生の洗濯。

コルボ > 「……さってと。そろそろお仕事っと」

 じっくりと疲れを取った後、湯船を出て、身なりを整えて動き出す。

 ……いざ調べてみれば真相はあっけないものだった。
 末娘は表向き新たに部屋を取って行方を晦まし湯治を続けていただけ。

 実際のところはここでの淫辱の限りを受け、ハマり、享楽に耽っていたというもの。

 それも、王族がそれとなく差し向けており、最後には王族に犯されて
 篭絡された後。

 探せば末娘には簡単に会えたし、これから家に戻って王族の求婚を受けることを告げる、とのこと。

コルボ > 「……めでたしめでたし、っと」

 一芸に秀でた者でない限り、貴族の娘など政略結婚の道具。
 それが上手く本来の”用途”に収まっただけのこと。

 これから依頼主の家は王族と繋がりを持って繫栄していくだろう。

「いやー、いい仕事したー!」

 日々の疲れがすっかり取れて、数時間で仕事が片付いていいことづくめだなぁとしみじみ思いながら帰路につきましたとさ。

ご案内:「九頭龍の水浴び場」からコルボさんが去りました。