2021/06/24 のログ
■タン・フィール > やがて、遠く聞こえる姦しい声も湯けむりや、
岩肌をなめる雫の音で霞みそうなほど奥まった区画まで訪れれば、
ずらりとならぶ様々な温泉を見比べて、
かたっぱしからぴちょん…と足先を入れてみる。
「…わひゃ!?」
しかし、どれもびっくりするほど熱すぎたり、水風呂過ぎたり。
いまはまだ、刺激的な熱の変化よりも、もっとも快適なあまったるい温度を求めてしまう、子供舌ならぬ子供肌には、
どれもお気に召す様子はなく、
なかなかゆっくりと入浴できないまま、お気に入りのおふろを探し歩くだけで時間が経過してしまう。
しかし、ちょっとした冒険気分もあり、
自分のお気に入りのお風呂を見つけられた感動はひとしおだろうと、
もう少し粘って奥へ、奥へと押さない裸体をひたひた弾ませて歩み続ける。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」からタン・フィールさんが去りました。