2021/05/21 のログ
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にシシィさんが現れました。
シシィ > 白く湯気のけぶる中を、ゆる、と進む女のシルエットが浮かび上がる。
間接的な魔導灯の照明の中、あふれる湯水と、濡れたタイルの上を進む足音。

地下にある大浴場は、その広さゆえか、その先は湯気に隠れ見渡すことはできない。
身を清めたのちに女は静かにその大きな浴場の中に足を踏み入れ、腰ほどまでをつかる。
じんわりと伝わり、上る熱気に、静かに吐息し、目を伏せる。
日によって効能が変わるのだというその湯の中にそこから静かにさらに身を沈め、肩口をのぞかせる程度までに浸かる。
ゆらりと感じる浮遊感のまま、適度に隠れられる岩陰に身を寄せて、軽く身をもたせ掛けると、そのままゆる、と足を延ばして、海辺とは違う浮遊感を楽しんだ。

パシャリと、わずかに湯を跳ね上げつつの仕草は、他に誰もいないという気のゆるみも、少し。

己の出身からすれば狂気の沙汰のような贅沢も、土地が違えばこんな風に、身分を問わずに楽しむことのできる不思議を、わが身を持ってかみしめていた。

シシィ > 十分湯を楽しめば、湯煙の向こうに女はその姿を消した
ご案内:「九頭龍の水浴び場」からシシィさんが去りました。