2021/05/10 のログ
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にシシィさんが現れました。
■シシィ > 湯気がけぶり、湯の溢れる音が響く中、女のシルエットが湯けむりの中をゆっくりと進んでいた。
濡れたタイルの上を歩む平坦な足音が暫し響き、緩く結い上げ項を覗かせた姿が、仄かな明かりに浮かび上がる。
「───……」
身を清めるだけならば、こんなにも豊かに湯水を使う必要はない。
身を寛げ、そして楽しませる娯楽の一つなのだと説明されるのならば頷ける。
砂の民であった己にとってはなおさらに贅沢にも感じる豪奢さを、今のところ一人で楽しんでいるという事実は、至極、優越を擽る行為でもあった。
湯を揺らし、爪先を沈め、その熱に触れ、戯れることに、緩く吐息する。伏し目がちに目線を落とし、時折色を違える──今は無色の湯の中に静かに身を沈めていった。
全身を包む熱と、浮遊感に、満足の吐息がもう一度零され、身を解す柔らかな水圧に体をわずかに遊ばせた。
■シシィ > ───そのまま暫し、湯あみの時間を楽しんでから、湯けむりの向こうへとその姿を消した
ご案内:「九頭龍の水浴び場」からシシィさんが去りました。