2020/12/02 のログ
ご案内:「九頭龍の水浴び場」からロイスさんが去りました。
ご案内:「九頭龍の水浴び場/ふたなり浴場」にリスさんが現れました。
リス > 今日も、少女はやって来ていた、九頭龍温泉宿。
 お金を支払い、女の子とエッチなことの出来る場所を聞いて、通路を歩いていたのだけれど。
 その通路に、不思議な看板があるのを見かけた、目的地はもう少し先なのだが、その看板に書いてある文字があまりにもあまりな物だったから、思わず立ち止まってしまった。

「……セックスしないと、出られない、部屋。」

 文字通りの意味の場所なのだろう、その看板の隣には、扉があり、締まっている。
 中に誰かいるのだろうか?締まっているので、中はうかがい知れない、窓とかそういう物はなく、扉にものぞき窓とかはない。
 鍵も見当たらないので、完全に開けるまでは判らない。
 いろいろな趣味嗜好があるから、こういうのもない訳ではないのだろうという事は判るのだけど―――。
 少女は、まじまじと扉と、看板を見つめる。

 好奇心が沸くが、恐怖もある。
 好奇心は仲がどうなっているのだろうという事。
 恐怖は、入って誰も居なかった場合、出られないのだろうか、と。
 ううむ、と少女は思わず看板と入り口を、交互に見やるのだった。

リス > (―――すっごい、気に……なる。)

 お風呂に入りに行きたい気分は有るが。この部屋、本当にどうなっているのだろう。
 誰かの要望があってこうなったのだろうか、それとも、九頭龍温泉宿の趣向なのだろうか、むくり、むくりと沸き立つ好奇心。
 扉の奥が、気になって、気になって仕方が無くなる。
 看板を何度見ても、節句しなければ出られない部屋、とだけ書いてあり、中に誰かがいる、とか、一切の情報が無いのだ。

「―――そうだ。」

 こんこんこん、と軽くノックをしてみる。
 誰かが居れば返答があるのかもしれないし、誰も居なければ。開けてみることが出来る。
 エッチな事が出来る区域故に、幾つか考えられるのだ。

 例えば、放置プレイされている最中、とか、更に考えればその中で、誰かが来たら犯させるとか。
 誰もいない可能性だってある。
 店員が居る可能性だってある。

 なので、軽くノックをしてから、入ってみればいい、扉を締めなければ屹度大丈夫。
 根拠などは無いがそんな気がする。

 返答は無くて。
 少女は、意を決してドアノブに手を掛けて、ゆっくり開いてみる。
 扉の奥に、何があるのか、とワクワクしながら。

リス > 扉は、思ったよりもすんなりと開いていく。この宿の扉に立て付けが悪いと言うのは聞いたことがないので、さほど驚きはないが。
 そして、部屋の中、どんな風なのか、と言うのを見てみれば―――。

「普通、なのね。」

 中は、他の部屋と同じように、和室と言うのだったか、この宿の基本的な部屋と同じ作り、畳と呼ばれる井草で作られた床。
 布団と呼ばれる地面に直接敷いて寝ることの出来る寝具。
 そして、寝具の近くにはお盆があり、水差しとコップが置いてある。
 東洋建築様式のばしょで、特にみるべき所と言うのは無いのだ。入り口の扉が、此方の―――ドアである程度か。
 他の部屋は、襖と呼ばれる紙のドアで出来ているので、其処だけが違和感。
 とは言え、先程の看板―――入ったら出られそうにない様子のその場所。
 うぅん?と、首を傾いでみるが、流石に入ったら出られなくなると言うのが判ってて入るのは怖い。

「誰か一緒に入ってくれる人がいれば、なぁ……。」

 直ぐにエッチして、出られるんだけれども、と思うのだけど。
 まあ、仕方ないか、と、扉を閉める。

「お風呂、行きましょ。」

 裸の時間が長いし、肌寒くなってきたので、寒い寒い、と少し小走りで、温泉の方へ。

リス > ぺたぺたぺた。と冷たい木の床を進んでいく少女、石の床よりは、温かいのかしらなんて考えつつ、浴場へ。
 とりあえず先に洗い場に行って、お湯を出して、躰に何度かかけ湯をする。じゃば、ざば、とお湯が冷えた躰に温かくて。
 大きく息を吐き出しながら少女は、手早く体を洗う。

 そして、足早に浴槽に入っていく。
 流石に、タオル一枚で、変な部屋を見て回ったので芯まで冷え切っているのが判る、さむさむ、とお湯に入る。

「はふぅ……っ。」

 甚割と足先から暖かく感じる、お湯の感触に身を震わせ、冷え切った体を癒す様にお湯を刷り込むように白い肌をお湯でなでる。
 それからようやく、か、周囲に気が付く。
 今回のお風呂は――。

「普通、なのね。」

 それは、さっき言ったセリフでもあるが。
 今回のお風呂は、この九頭龍温泉宿では慣れ親しんだ、といって良い、檜のお風呂。
 床も、壁も、浴槽も―――檜のいい匂いのする、お風呂だった。