2020/10/29 のログ
ご案内:「九頭龍の水浴び場」からヴァレリー=D=ツインテイルさんが去りました。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」からリーリアさんが去りました。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にスバルさんが現れました。
スバル > 九頭龍温泉……九頭龍の水浴び場、その中の大浴場に一人の子供。
一応家族連れではあるのだけども、家族はみんなどこかに行っている模様、少年だけが一人、大きな大きなお風呂の中でぷかりぷかぷか。
泳いでいるわけではなく、浮いている。というか、大人用のお風呂では足が付かず、泳ぐか浮かぶしかない子供。
あからさまにばちゃばちゃしないのは、他のお客さんの迷惑になるから。ぷかぷかしてるのは、のんびり温まりたいから。
子供なりに一生懸命考えた結果、ぷかぷか湯船に浮かぶ少年という図式だった。

「はふぅ……」

お湯の揺れる方向に、ぷかりぷかぷか、浮島のように揺れて流れる少年。別に流れるプールとかではないので勢いよくどこかに運ばれるという事は無いだろう。
それでも、少年は、小さな波に揺られるように、ぷかり、ぷかりとゆっくりと浮いて、移動する。
戻りたく成れば、少し腕や足を動かせば、そっちの方に戻れるはずだし、最悪ごめんなさいして泳げばいいのだ。
だから、こんな状態でも髪の毛で目を隠して、その隠れた目を緩ませて、お湯の温かさを、のんびり堪能する

スバル > お風呂のお湯が温かくて心地よくて、包み込まれてしまう様な感じがする。実際に包み込まれているのだけれども。
安心できるような温かさで、微睡んでしまいそうな優しい匂い、懐かしいような感じもするのは、きっと、母親の故郷に由来するからなのかもしれない。
一応、少年は―――東方の血を受けている。だから、他のこの国の子供たちとは馴染めぬ外見で、苛められて。
それでも、何とか頑張って生きている、それを見せないように生きてこれている。心配はかけたくないし、掛けられないから。
何時も、頑張って訓練とかをしている。あまり芳しくはないのだけれども。

「…………。あぅ」

小さく漏らす声、いじめっ子の声を、石を投げられる時の事を思い出してしまうから。
体格が大きく力が強いから、其れだけで、弱い自分をいじめてくる。
怖いし、泣きたい。でも、流石に親の前では泣けないから―――、一寸鼻の奥が熱くなるのを我慢する。
今は、温泉でのんびりしていないと、と、木を向けたら、力が入って、沈みそうになって。
慌てて、息を大きく吸って、沈まないように。

一寸、危なかったなぁ、と小さくつぶやく

スバル > ぷかぷかぷかぷか、浮いていたのだけれども、此処は温泉で、お風呂である。温かいお湯であり、それに長時間浸かって居れば熱くもなってくる。
余り風呂に入り浸っていれば、逆上せることもあるし、そろそろ一度出た方が良いだろう。
周囲に人は居ないようで、だから……泳いで縁に戻っても良いと思う。出ないと、そのまま逆上せてしまうし。

「もう少し、足の着く場所とか、欲しいよね……。」

ポツリ、と呟きながら少年はクルリ、と身を回して、ぱちゃぱちゃ泳ぎ始める。
あまり上手とは言えないが、必死に腕を動かし、足をばたつかせて、お風呂を泳いで、縁の方に。
淵に手をかけて、よいしょ、と昇って、浴場に身を転がす。
ふう、と熱のこもったと息を吐き出してから、少年は立ち上がる。

「ちょっとだけ……」

冷たい水風呂で体を冷ましてから、改めてかけ湯をして。
脱衣所で水滴を拭って、服を着て。

今日は帰るのだった。

ご案内:「九頭龍の水浴び場」からスバルさんが去りました。