2020/10/11 のログ
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にシャルティアさんが現れました。
■シャルティア > 九頭龍の旅館の一つ―――その天然露天温泉
ほのかに香る樹木のような香りが心地よい、ぬるいろ温泉。そこに浸かる小さな少年。
少年というよりは人懐っこそうな、まだ幼い顔立ちの子供だ。足を伸ばして半身浴の格好で気持ちよさそうにニコニコしている。
温泉は、大好き、ぽかぽかで、気持ちよくて、時々、人と会えるのが大好き。
「気持ちいい♪おんせん、おんせん♪
温泉出たら、ごはんとじゅーす♪」
■シャルティア > ぽかぽかに温まったら、温泉から飛び出すように出て、元気いっぱいに、脱衣場に駆けていく
ご案内:「九頭龍の水浴び場」からシャルティアさんが去りました。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にフィリさんが現れました。
■フィリ > 「――…出来、ません…どぅなってぃるの、でしょぅ…」
うー、と。困惑気味に呻く声。
…一人、温泉宿を訪れていた。水に慣れるという課題に際し。どうせなら狭い浴槽よりも、広い温泉の方が良いと。肉親から教わって。
実際の所、湯船で泳ぐのはマナー違反なのだが。それ以前、目を開けて顔を浸ける辺りの話なので。大丈夫だと踏まれたらしい。
斯くして秘密の特訓が、何処までの成果に繋がったのか――は。当人の名誉の為に伏せておく事として。
問題が起きたのは、上がった後。
明日まで泊まる部屋も借りている為、準備して貰った浴衣に着替え、戻ろうと思ったのだが。
この浴衣という代物が、想像以上の曲者だった。
帯を巻こうと両手を離せば。裾が、衿が、撓んで拡がる。
かといって胸元やらを押さえて包み隠すままでは、くるくると全周に帯を巡らすなど出来そうにない。
「――ぃぇ…っ、技法は分かるの、です――、手が、っ、足りなぃだけで…っ…!」
…なるほど、こういった衣装に、着付けの重要性が説かれる筈だと。身を以て実体験させられつつ。
自身の鈍くささとぶきっちょさを棚に上げて。尚も悪戦苦闘が続いていた。
■フィリ > (結局。無理繰り腕で押さえ付けるだの。もういっそ、戸棚に背を預ける、だの。
色々と情けない工夫を凝らした上で…どうにか。それっぽい形に整える事だけは出来た。
折角の湯上がりであった筈が。この侭では…そろそろ湯冷めしてしまいそうだ。それだけの時間を掛けて。)
「――、――っ…。」
(安堵と共に、息を吐き…同時に零れそうになった、何かの言葉を飲み込んだ。
着替えの間。この脱衣所には誰も居ない筈だから。つい無防備な独り言を零していたが。
散々苦心している間に、他の利用者が来ていても、おかしくないのである。
…見られるかもしれない、という羞恥は有るし、それが大半ではあったが。
同時に、声を聞かれるという方も、亦意識せざるを得なかった。
本当なら。無自覚に、無策で、垂れ流して良いような物ではないのである。
独り言ならともあれ。会話となるなら、きっと、意識せざるを得ないから。)
「――、……――大丈夫…なの、ですよね…?」
(だから。声を潜め、首を竦め。恐る恐る、改めて脱衣所内を見渡してみる。
気付く余裕が無かった内に、誰か、来てやしないかと。
…胸の辺りに、寒々しさを感じるのは。不安故…なのだろう。
薄っぺらい胸部を、浴衣では、守り切れていないという。物理的な肌寒さも有りそうだが。
其方に関しては、出来れば自覚したくない。)
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にクロナさんが現れました。
■クロナ > 「――――残念だけど、全然大丈夫じゃない。お前の着こなしは本当に無様」
そんな情け容赦の無いコメントは不安げに周囲を見回す少女の後方から。
茫洋として感情の色に乏しい声色は、しかし、存外に可愛らしいトーンの高さを有している。
そして彼女が後方に視線を向けて、独り言に不躾なツッコミを入れた相手を確認したならば、小柄な少女よりも更に頭半分は背の低いチビがルビーめいて鮮やかな紅色の瞳を向けている事が分かるだろう。
そのチビは色々とツッコミどころ満載な外見をしていた。
まず、誰にも踏み荒らされていない処女雪めいた白肌と、艶やかな漆黒の長髪は風呂上りに軽く水気を取る事もせぬまま出て来たらしいぐしょ濡れ状態。
タオルで隠すなんて事もせずにあけっぴろげに曝け出した小躯はまだ10を越えたばかりなのではないかという未成熟な細身。尻にも胸にもまるっきり肉付きが足りていない。
唯一の救いがあるとするなら、きゅっとくびれたウェストが一応は女の子らしい華奢なラインを形作っていて、幼児体形のイカっ腹からは脱却しているという部分か。
それでもぺったんこな白胸の中で妙に色鮮やかに感じられるピンク色のぽっちだとか、中央に縦の切れ込みだけを入れ恥毛の類など見られないパイパンの秘所だとかは、その筋の人が目にすれば歓喜するだろう妖しい魅力を有してはいる。
―――と、ここまではまだ常識知らずなチビというだけで済む話なのだが、このちびっこには更におかしな部分があるのだ。
湯濡れてぺっとりと頭部に張り付く黒髪の側頭から禍々しく捻じれた一対の角が生えて天を突き、華奢な腰の後ろ側では矢尻状の先端を有するエナメル質の細尾がくねりくねりと気儘に左右に振られている。
これでコウモリを思わせる翼まで生えていたならば、人を惑わし闇へと誘う悪魔と疑われたとておかしくなかろう。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にシロナさんが現れました。
■フィリ > 「 ぇひゃぅぅっ!?」
一瞬の間、次いで物凄い悲鳴が出た。魔力が載っていなかったとしても、デシベルの数値だけで、何らかの被害が出そうな程の。
とはいえ、仕方がないだろう。振り返って背後を確認した…無事を確信したその直後。誰も居なかった筈の後背から、不意に声を掛けられるという。
ホラァのお約束その物のシチュエーションを、身を以て体感する事となったのだから。
ずざざ、と普段の三倍速で跳びずさり、背後を確認してみたのなら。
其処に居る、幼女から少女へと脱却しつつある小さな人影。
良く言えば華奢、悪く言えば貧相と言うべき自分よりも。縦横奥行き全てに於いて、一回り程小さい――と言うべきか。
知らぬ者が見たのなら、その少女は…人外の造形美で出来上がっている。
長く伸びる角も、カリカチュアじみた黒い尾も。
本来なら清純その物であるかのような幼い少女の裸身を、淫魔にも等しい魅惑的な代物だと錯覚させるよう。
こんな姿形を見せ付けられてしまえば。血筋の割に、人と何ら変わらぬ見た目の己は。色々と身につまされてしまうだろうか。
…が。それは、知らぬ者が見ればという前提の下。即ち――
「ぉ、っ、ぉ…ぉ…どろか、さなぃで欲しぃの――です、ぉ姉様……っ…」
今にも、その場にへたり込みかけながら。胸と腹とで呼吸を繰り返し。
伏し気味になった視線は、本来以上の恨めしさを誤解させるような色合いで、幼気な少女へと向けられる。
――そう。姉、である。つい最近まで出会った事も無かったのだが…こう見えて。より幼く見える彼女の方が。
ほんの少しだけ年上の、異母姉なのだ。