2020/10/01 のログ
ご案内:「九頭龍の水浴び場 大浴場」にアティさんが現れました。
■アティ > 幾分か涼しさが訪れる頻度が増えつつある街。
寒い時は寒い時での楽しみがあり、暑い時は暑い時でまた楽しみがあれば、過ごしやすい今、街の賑わいはより感じられうのは気のせいではないだろう。
特に飲み屋などが並ぶ通りは、お店の中だけではなく。
お店の外でも酒や食事を持ち出して楽しんでいるものは多く。
温泉で有名な湯屋に続く道も、いつも以上に人で賑わっているのが伺えるようだ。
そんな人の波を抜ける様に、人の賑わう湯屋の受付へと兎は上機嫌な足取りで進んでいき。
浴場へとつながる通路を相変わらず軽い足取りで、進んでいくが。
「たまには奮発ーっと」
基本的にお手頃価格であり。
裏だろうと表だろうと、余程の施設を使わなければ、そこまで金銭を持ち込む必要がない場所である。
けれども、足を運んだ遺跡でちょっとしたお宝でも手に入れたのだろう。
一番大きめな男女限らず入浴できる大浴場へと、兎は足を運んでおり。
その合間も、少しお高めのマッサージや食事などの案内に、目を通しているのだから、それなりに使い込む気であるのは間違いないようだ。
「これは確かに…噂以上の広さかも」
一見ミレーに見えることもあり。
歩んでる途中も人目を時折引いてしまうこともあるが。
本人は直接何か言われない限り、あまり気にもしていないのだろう。
そういうこともあってか一応、たいていは人の少なめな中規模な浴場のほうに言っていることもあり。
脱衣所の広さも、そこでそそくさと衣服をたたみ。
籠に入れてから、いざ踏み込んだ先の大浴場も噂に違わぬ広さであれば、思わずそんな言葉をぽつりとこぼしてしまったようだ。
少しの間出入り口付近で、チラホラと見える人影や、その広い岩風呂など、浴室内へと視線を滑らせていくが。
やがて掛け湯してまずは入浴、といったつもりで兎は足を踏み出していくようである。
滋養や体力増進にいい湯、となっているのに人があまり多くないのはやはり時間のせいだろうか。
兎の恰好といえば、腰にタオルを巻いている程度であり。
あくるままに軽く揺れる胸を特に隠すこともなく。
逆に色気があまり感じられない気がするのは、ご愛敬といった所かもしれない。
■アティ > 「っふぅ…やっぱり最高~…」
程なくして掛け湯を追えれば、まずは足先から湯をつつくようにして温度を確かめ。
そしてゆっくりと爪先から太ももまで沈めたところで、水しぶきを少々あげながら、兎は肩まで湯に沈めていく。
初めは見よう見まねといった所だが、湯につかる際にはちゃんと腰に巻いたタオルを長方形にたたみ。
ちょこんと頭にのせる様にしていくのは、すっかりと慣れてしまったようである。
温泉の心地よさを知ってからまだ、10に満たない温泉への入浴回数だが。
ジワリと体を包んでいく湯の温かさと、吸い付くような温泉の感覚は気に入ってしまったようだ。
思わず気の抜けた声を零し。
耳まで少々へにゃっと力なく倒してしまっている様子は、表情と相まって少々間抜けな表情といっても過言ではないかもしれないが。
「それにしても、こういう場所でもやっぱり…耳尻尾ある人は少ないっぽいのかな」
一見ミレー族であっても、ミレー族とは少々違う種族の兎である。
一息ついて、湯に身を預けて揺蕩っていたものの、ふと思いついたように零せば、視線をあたりへと向けていく。
疎らに見える、湯気に浮かぶ人影は、老若男女限らない。
けれども、やはり街でよく聞くミレー族といった特徴を持つ人影は、少ない人気もあってかいなかったようである。
こういう場所でもやはり立場が関係しているのか、などと思案を兎は巡らせながらも、難しいことを長く考えるのもあまり得意でもないのだろう。
湯の心地よさを楽しみながら、どんな人がいるか少し観察するように、四つ這いの形で湯の中を進み始めていくが。
何かするといっても、寝こけてたいたりする人がいれば、お湯でも掛けて脅かしたりするくらいのつもりなのだろう。
湯に身だけではなく、少々顔を沈めながらの移動とはいえ、兎の耳はその形状しっかり見えてしまっているわけであるが。
■アティ > 「流石にこの時間だと…子供はいないっと」
疎らな人影のほうへ、ゆっくりと近づいて確認しては、またスィーっといった様子で離れていく兎は、気づかれた場合不審人物として見られそうなものである。
けれども、ただ静かに入っているだけというのも、段々と手持ち無沙汰になってしまい。
何かを探して動き回ってしまうのは、やはり性格なのだろう。
夜も更けているのだから、見かける人影はどれも大人の物であり。
たまたまなのだろうが女性が多かったようだ。
子供が少ないのは当然としても、男女ともに大人しく入っている様子が伺えるのは、この街にしては珍しくも見えたようである。
「あっつぅ…」
当然そんなことをしていれば、のぼせ始めてしまうのは当然だった。
ロビーなどに色々あったはずの、冷たい飲み物や食べ物でもしっかり食べて帰ろう。
そんなことを考え始めていくが。
湯に肩まで深く沈めて、さらに姿勢を下げた状態で動き回っているのだから、当然としかいえないものであり。
背もたれにちょうどいい、岩陰辺りまで進んだところで兎は勢いよく立ち上がり。
背を預ける様に凭れ掛からせるようにしたようだが。
熱のたまった状態で急に立ち上がったことで、起こるめまいに兎はよろけることになり。
突然の回る視界に思わず、立ち上がったばかりだというのに尻もちをつくように岩肌にもたれかかったまま、また湯へと座り込んでしまうことになったようだ。
ただ、少々予想外だったせいで勢いがついていたため、上がる飛沫は大きく。
周りに人がいれば思いきりかかってしまうことになったかもしれず。
巻き込んでしまっていたのなら、兎は慌てて謝り。
フラフラとした足取りで改めて、脱衣所へと涼しむために戻っていたようである。
ご案内:「九頭龍の水浴び場 大浴場」からアティさんが去りました。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にタン・フィールさんが現れました。
■タン・フィール > ひたひたと濡れた床を裸足が歩む音をたてて浴場へ訪れる薬師の少年。
体を清めた後、入浴するお湯を選ぶべく細い足の先をちょん…と湯面につけては
「…わ、あついっ…むりむり」
と、早々にギブアップする。
その後もいくつかの浴槽や天然温泉の区画を回って、同じように最適の温度を探るが、
なかなかゆで卵のように敏感で弱々しい肌に適した浴槽が見つからない。
「う~っ…どれもちょっと、熱すぎ… オトナのひとって、これ普通なの?……わひゃ!? つっ…めた!?」
次に引き当てたのは水風呂で。
熱さがくるものと思っていたところに不意打ちの冷たさにびくっと体を跳ねさせて後ずさる。
「…う~、なんていうかこう、人肌?くらいでちょうど良いんだけど…」
自分に適した温泉をさがして、無造作に裸のままひたひたと浴場内をさまよっていく。