2020/09/30 のログ
ご案内:「九頭龍の水浴び場/露店風呂」にティアフェルさんが現れました。
ご案内:「九頭龍の水浴び場/露店風呂」からティアフェルさんが去りました。
ご案内:「九頭龍の水浴び場/露天風呂」にティアフェルさんが現れました。
ティアフェル >  かぽーん。

「っはあ……いい湯だわあ~……」

 うーっとりと湯の中に融けかねない締まりない顔を晒して呟き、満天の星空が望める露天の岩風呂に肩まで浸かる一人の女。

 タオル着用可、という露天風呂を選んだのでもちろんしっかりと脇から膝上までぐるぐる白いバスタオルを巻きつけて。ばあさんみたいにしみじみした空気で湯を堪能する。

「温泉最高ー温泉素敵……永遠に浸かっていられる気がしてくる……」

 まださっき入ったばかりなので逆上せ知らず。しかし水風呂とかに入れば1~2時間は居座っていられる、とそこまで考えて計画的な長丁場予定。
 そして、もちろんここはがっつり女湯だが。露天なので覗きやら覗きやら、覗きが出る。例え首尾よく覗けたところで半着衣可、なので諸には見えないのだが。そこがまた、という独特な思考の人物もいるらしく――気配を察知してさっきから結構な数の桶を投げた。桶を投げる為に生まれてきた人みたいに投げまくった。
 今入浴しているのが、可憐な女子ではなく女の皮を被った凶暴なゴリラーだと予め分かっていたら、多分誰も覗かないだろうが。

 湯煙の向こう、今まさにまた気配を察知して条件反射のようにすちゃ、と手近な桶を手に取り、

「―――そこかァ!!」
 
 なんでここでそんなに正確無比なのってくらい真っ直ぐそちらへ軽く捻りを入れながら飛んでいく湯桶――

 これで覗きじゃなかったらどうしてくれるのか。

ティアフェル >  かっこーん!

 狙い違わずクリーンヒット極めた。しかし、当たりどころは良かったらしく大したダメージにはなってない。『ヤバイ、ヤバイの入ってた、あれは女じゃない、猛獣だ!』と察して速やかに逃亡する見知らぬ男の背中。
 逃がすか沈めてやる!と本職ヒーラーとは到底思えぬお盛んな血気で大量の桶を武器に――

「 桶 メ テ オ オ ォ ォ ォ ォ ! ! 」

 ――なんだその技。そうとしか云いようがないし、なんでまたそんなことできんの、という感じだが。裂帛の声とともに大量の桶が逃げる覗き野郎に降り注いだ。

 かこんかこんかこんかこんかこんかっこーん!!

 たった二本の手を使って投げたにはあり得ない量の桶が流星群のように降りしきっては次々に男にヒットし。ばったりとその場に倒れ伏してぴくぴく痙攣している。
 ざぱっと湯から上がって獲物の前に仁王立ちし、

「よぉっーし! ツブしたァー!
 ――お覗きは許しません!」

 存分に懲りろ。と高々とした声音で云い放つ――ゴリラというか、もはやただの凶暴な桶使いの女。
 でも、絶対完全に伸びている男には聞こえていない……。
 一人芝居もいいところだ。調子こいて恥ずかしい。 

ティアフェル >  そして、自分の手で葬って置いてここで伸びてられたら邪魔だな、と。

「ほら起きなさいよ。さっさと出て、ここは危険だから覗くなって吹聴しといて」

 ざばーっと水風呂から汲んだ冷水を頭からぶっかけて云い棄て、制圧した覗き魔を気付けさせその場から追い出し。

「っふ~……これでゆーっくり。ふやけるまで入ってられるわあ……」

 経営サイドからしたら、ちょっと迷惑な客かも知れない女。そんな自覚もなく、とぷん、とまた湯に浸かり。のびのびと手足を伸ばして柔らかで暖かな湯を堪能するのであった。

ご案内:「九頭龍の水浴び場/露天風呂」からティアフェルさんが去りました。