2020/09/04 のログ
ご案内:「九頭龍の水浴び場」に小藍さんが現れました。
小藍 > 公主に仕える侍女とは言え、時には休みも必要だろう。
そんなことを言い渡されて半ば無理やりに押し込まれたのは、王都でも有名だという老舗の温泉旅館
どうせ休むのであれば、こんな肩が凝りそうな場所ではなくて、もっと気の抜ける場所が良いのだけれど…とは言えず。
とりあえず身に纏う服だけでも気楽なものに変えようと、青い朝顔をあしらった浴衣に袖を通し。

「温泉も悪くなさそうですけど……ちょっと逆上せちゃいそう、なんですよね……」

温めの湯に足を浸しながら、湯気の立ち昇る温泉の方へと目を向ける。
木々の植えられた庭園に、ひっそりと佇む四阿は、あまり人気がないのか閑散としている。
賑やかなのも決して嫌いではないのだけれど、のんびりするには静かな方が良い。
ちゃぷ、とお湯から脚を上げると、火照った肌を冷ますように、扇で風を送る。

「そういえば…ご飯ってどうなってるのかしら……」

少しお腹が空いてきたかもしれない。
何も持たされずに行ってこいとばかりに放り込まれたものだから、予約されているのかも分からない。
宴会場とかだと煩そうだなぁ……と、足を抱えたままで。

小藍 > しばらくの間そうしていたけれど、小さく「くぅ」とお腹が鳴る。
空腹には勝てずに仕方なく立ち上がると、屋敷の方へと姿を消し―――

ご案内:「九頭龍の水浴び場」から小藍さんが去りました。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にダソさんが現れました。
ダソ > 本格的に賑わう前の、真昼間の大浴場。

夜勤明けの仕事人や、夫が帰る前に身を清めに来た子連れの主婦などが訪れて、
その客足も落ち着き、ひとときの無人となった水浴び場…その、床に広がった水たまりがぷるぷると震えて、
徐々に渦巻きながら一箇所に集まり…肌色のスライムの集合体となって立ち上る。

「とぷっ…っ あれが、にんげん、 にんげんの、カラダ、う~んと…うん、しょ、うん、っしょ…っ」

スライム体は、じっくりと観察した人間の身体を真似るように、
一所懸命に粘液を5体へと伸ばし、頭と、足と、腕とを、
最初はヒトデのようなおおざっぱな不格好さで形取り…
徐々に、徐々に、精度を上げて人の形をつくりだしていく。

ダソ > やがて性別の判明が難しい、起伏の少ない130cmほどの幼体に肉体はできあがる。

始めたてに比べれば大分人間そのままのシルエットに近づいたが、
まだひと目見てスライム体が人の形を真似しているだけとわかる半透明具合で…

(もっと、もっと練習、しないと…)

そのまま、青年体に肉体を引き伸ばしたり、女性体を模したりと、
人の気配が感じない内は、湯煙に紛れて見て覚えた様々な年齢・体格の身体に化けていく。

(う~ん… オトナの人の身体より、まだちっちゃい身体のほうが、楽に変身できるのかも)

ひととおりの年齢層と性別を試した結果、今のところは気軽に化けられる幼年体に身体を固定しようと変形して。
誰かが、自らの在り方や姿を望んでくれれば、もっと変身は楽なのだろうと思案しながら、
やがて変身を終えれば、素肌の子供がぽつん、と浴場に佇む光景。

ご案内:「九頭龍の水浴び場」からダソさんが去りました。