2020/07/11 のログ
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にスバルさんが現れました。
スバル > 買い物をしていたら、福引が行われていて、その福引に当たった少年。
特別コース、なるチケットを貰ったが、家には、親も姉もいないので、一人で来ることにした。理由は。そのチケットの有効期限が明日、だったから。
温泉宿という事なので、きっと、おいしい物とかが沢山出るんだろうな、と少年は考えるのだけど、母親とか姉とかいない間に、一人でこんないい思いしていることに、一寸だけ、罪悪感を覚えるのだった。
とは言え、家に帰ってこないから悪い、とそんな風に思いつつ、少年は受付へと行くのだった。

「あの……福引で当たったん、ですけど。」

受付のお姉さん、見知らぬ人、怖い。そんな風に思う少年、必死に勇気を出して、受付につま先立ちで立って、プルプルしながらチケットを差し出す。
チケットを受け取り確認している間、自分の身長よりも高い受付だい、其処から見上げる姿は、小動物で。
しばらくお待ちください、と待たされて、その後に、では、此方へドウゾ、と案内される。
他の人とは違う入り口で、やっぱりスペシャルなんだな、と小さな子供は期待を胸に。

―――何がスペシャルなのか、それを、まだ知らぬままに。少年は、奥へと連れていかれる。
まず、何処に連れていかれるのだろうか、御馳走だろうか、それとも、貴族が使うお風呂に特別に入れてくれるのか。
わくわくして、たまらない様子で、少年は進む

スバル > 長い、長い廊下は、少年は見たことのない風景、狭い世界に生きる少年から見れば異国とは……異世界、といって良いのだろう。
母親が東方に生きる人間で、その由来の名前を持っている少年、しかし、生まれも育ちもこちらであり、母親の母国を見たことがない。
九頭龍温泉宿は、その東方のつくりをしていると聞いたことがある、つまり、この場所が、母親の生まれの国の様式なのだ。
その物珍しさも手伝ってか、少年はきょろきょろ、と周囲を見回してしまう、どれもこれも面白く、珍しく、興味があるのだ。

そのうち、此方です、と案内された。
その場所は、広いお風呂―――露天風呂と呼ばれる場所、そして、お湯が綺麗な桜の色をしているのが見える。
こちらでどうぞお楽しみくださいと言われて、案内の人は去っていく。
最初はお風呂なんだ、と少年は目を輝かせる。
桜色のお風呂と言うのもきれいですごいな、と思いながら少年は、お湯を掬って体にかける。
お風呂の前に体を洗う。それは、少年も知っている常識、だから。
体を洗い、お湯を流していると、変化を感じた。

「……あれ?」

躰が火照る。お風呂のお湯の熱とは違う火照りな気がする。
首を傾げながら、少年はお風呂の中に入っていく、媚薬の、お風呂に。