2020/06/10 のログ
■リス > 「――――。」
とはいえ、だ。興味がわいたと言えども、ここに店員か、もしくはだれか新しい人が来なければ、それは成り立つことはない。
流石に、夏に近くなっているとは言えども、風呂から出て注文するために戻るのも少し遠い。外から見た距離と、中の距離は全然違うのだ。
だから、完全に湯冷めしてしまうのである。服を着て出たらもう帰りたくなるし、その辺りは少女は不生であった。面倒くさがるのだ。
誰か来ないかしら、と思いつつ、無理なら無理で、まぁ、という程度。
そこまで研究したいとか思うほどでもないので、良いか、と流してしまおうか。
「……あら?」
考え事をしながら風呂に入っていたが、それなりに時間は経っているようだ。
時間的な感覚についてはそれなりに、時計がなくてもわかる夜も、遅くなってきているのも、星が見えない偽りの空間だとしてもだ。
結構長い時間お風呂に入っていたし、どうしようかしらんと考える。
もう少ししたら出ましょうか、という事も併せて考えることにした。
んーと。大きく伸びをして、ちゃぷり、と音を鳴らして湯を揺らし。はふ、と息を吐き出す。
もう一度だけ、誰か来てないかしら、と周囲を見てみる。
■リス > ざばり、と音を立てて少女は立ち上がる。白い濁り湯が流れて落ちて、ぱちゃぱ茶と、足元の温泉に滴の波紋を広げていくのが判る。
白い肉体は温泉で温められてほんのりと桜色に染まっていて、少女が色づいたかの様で。
湯船から出て、石の床をペタペタと歩いていく少女は、入り口のほうへと進んでいった。
――見た目は空間に見えるけれど、其処には確かに引き戸があって、よくよく見ればそれが判るので、少女は扉に手をかけて開く。
すると奥は、東洋風に作られた、脱衣所があり、其処に少女は足を運ぶ。
濡れた躰、ぽたぽた落ちるお湯の残滓、バスタオルを手に取って、丁寧に肌をなぞるように水滴を拭い去って。
水滴を拭い終われば、服を身に纏う。
最後に、ペンダントをかけてから、ほんのりと暖かな肌、心地よさに息を吐き出して。
少女はそのまま脱衣所から出て、温泉から帰るのだった―――
ご案内:「九頭龍の水浴び場/ふたなり浴場」からリスさんが去りました。