2020/04/09 のログ
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にダソさんが現れました。
■ダソ > 本格的に賑わう前の、真昼間の大浴場。
夜勤明けの仕事人や、夫が帰る前に身を清めに来た子連れの主婦などが訪れて、
その客足も落ち着き、ひとときの無人となった水浴び場…その、床に広がった水たまりがぷるぷると震えて、
徐々に渦巻きながら一箇所に集まり…肌色のスライムの集合体となって立ち上る。
「とぷっ…っ あれが、にんげん、 にんげんの、カラダ、う~んと…うん、しょ、うん、っしょ…っ」
スライム体は、じっくりと観察した人間の身体を真似るように、
一所懸命に粘液を5体へと伸ばし、頭と、足と、腕とを、
最初はヒトデのようなおおざっぱな不格好さで形取り…
徐々に、徐々に、精度を上げて人の形をつくりだしていく。
他に客のいない大浴場に、ぽつんと裸の男の子が一人佇み、
きょろきょろと立ち上る湯煙の行方を目で追ったり、周囲を伺う。
■ダソ > 幼い身体の手をにぎにぎ、自分の形状と、触覚を確認するように確かめて。
ぺたぺたと可愛らしい裸足の音を響かせながら、今日はニンゲンのマネをして、お風呂に実際に入ってみようとチャレンジする。
お湯の中に足を伸ばし、つま先からふくらはぎ、膝までを入れていく
「ぅあ、あつ、いっ」
ヒトの触覚、温感や冷感まで再現したスライム体の身体、
ぷるぷるの赤子のような肌は敏感に40度以上のお湯の熱を伝えて。
けれども、ここで引いては、ニンゲンとお近づきになれない、と一生懸命に耐え、ゆっくり身を沈めていく。
「う、 うーーーーーーっ…あつ、い。
…ヒト、こんなの、いいの? …たいへん。」
まだ、その熱さやお湯に浸ることを、心地よいことだと認識はできない様子。
そのまま胸まで、肩まで沈めていき…どこまで浸かっていいかの加減がわからず、
顎、頭、頭頂まで、ついには全身がお湯に沈む。
肺呼吸でないため、溺れるということはない少年ではあるが、
傍目から見れば幼児がお湯の中に沈んだきり浮かんでこない、ちょっとした恐怖の光景。
■ダソ > そのままお湯に溶け出し、その浴槽に入る人間の観察にまた一日を費やして…。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」からダソさんが去りました。
ご案内:「九頭龍の水浴び場 大浴場」にリリトさんが現れました。
■リリト > 噂に聞く温泉とやらを味わってみようとリリトもまた、温泉地へとやってきた。
今は人がいない時間帯なのか、大浴場はリリト一人で貸切状態。
温泉の作法を張り紙や従業員から教わりながら、借りた手ぬぐいを持って
洗い場で体を流し、温泉へ入る。
熱々の湯が満たされた湯船からじゃばーと湯が溢れる音。
「ふぅ~~~……、んん、温泉ってちょっとあついけど、いい気持ち……。
まるで良い夢の中にいるようだなぁ……」
そんなことを言いつつ、温泉を満喫する。
別の浴場では何やらいかがわしい気の流れや、浸かっているうちに夢見心地の人などいるようだが、
今日はのんびりすると決めたのででしゃばったりはしないのである。
■リリト > そのまま温泉を堪能してゆっくりと去っていった。
ご案内:「九頭龍の水浴び場 大浴場」からリリトさんが去りました。