2019/10/21 のログ
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にセイバーさんが現れました。
ミンティ > 外れた方向から動きを修正してみようと挑戦するものの、なかなかうまくいかない。ここまで運動が苦手だったのかと痛感している間に、残る矢は一本となってしまった。
ここまで投げた矢の中で、木の板を立てた的には掠ったものは一本もなかったから、むっと眉を寄せて考えこみ。どうしたら当たるだろうかと素振りを繰り返していると、受付の男性から、よく的を見て投げるようにとアドバイスをもらう。
最初からそうしているつもりだったけれど、投げる瞬間に視線がずれてしまっているのだろうか。小首を傾げながら、あらためて構えを取って。

「……っ」

あまり力まないように投げた最後の矢は、アドバイスのおかげか、はじめて的に近いところまで飛んだ。命中はしなかったけれど、手ごたえを感じて、こぶしを緩く握る。

セイバー > 正規の仕事と言うのは真面目にやっていると色々仕事を回してくれるようで、
今夜は平民地区の警備ではなく「九頭龍の水浴び場」何て
あまり縁が無いような場所の見回りの仕事を貰えた。
とは言え安全安心であるが賃金はとても安い、でも安全安心は何物にもかえがたいもので。

仕事の内容を確認する。
救護、道案内、総じて言えば困った人を助けるという仕事。

今は水場ではなく酔った人間が多く見受けられる遊技場を見回っていた。

そこで見かけたのは的当ての店で遊んでいる何がし。
水着などでもないし目を惹くなんて事もない筈だが、
遠目から見てもあまりに下手なのでつい悪戯したくなって的当てのお店のほうへ。

「随分とあちらこちらに飛ばしてる感じだけど、店主を狙ってるの?それともお店の壁?まさか何か欲しいものでもあるの?」

相手の顔を見る前に的の近いところで突き刺さる矢に視線を向け、
軽く首をかしげて冗談交じりに話しかけてみる。

若しかしたら下顎から生える牙と尖り気味の耳に何か言われるかもしれないが、
良くある事なので気にせず、ニヤと本人は相手の警戒させないための笑顔のつもりの不気味な笑顔を浮べた。

ミンティ > もうすこし挑戦してみたら、もしかしたらまぐれでも、一本くらい当たってくれるかもしれない。一回の代金でもらえる矢は五本。そこまで高い金額ではないから、挑戦してみる価値はあると思って、財布を取り出し、手持ちのお金を確認する。
あまり無駄づかいが許される金銭状況ではないけれど、あと一回、二回くらいなら、遊んでもいいだろう。お店を仕切る男性に目を向けて、お金を払おうとした、その時。

「……っ」

いきなり別の方向から声をかけられたから、びくっと震えて、跳びのきそうになった。あわてて振り向いて、ますます驚いた顔になる。
まだ孤児院にいたころ、外で活動する時に出くわしては、何度か意地悪をされた、男の子によく似た相貌。しばらくは顔を合わせていなかったけれど、見間違いではないだろうと思う。
突然の再会に、無意識に身が竦んで、からかうような物言いにも返答ができなかった。

セイバー > ……一瞬自分の頭上に?が浮かびそうになる。
意地悪い冗談のひとつも向けたと言うのに相手は此方を見ることは有っても、
嫌味返しも怒りもしない返事もしない。

まるで肉食動物に睨まれた小動物といった顔を見せてくれたが初対面に失礼じゃないか?と一瞬ムッと顔を顰めた心算だったのだが表情は訝しげなモノに。
相手の顔に特に癖のないサラサラとして見える桜色の長い髪にどこか見覚えがあったのだ。

本当ならからかうお詫びに1ゲームくらい奢ろうと思ったが、
興味はその身体を竦ませた少女に移り、自分の腰に手を当てながらマジマジと足の先から鼻先まで何度も視線を往復させて……。

「……もしかして、オマエ…近くにあった孤児院の奴か?」

と記憶は曖昧であるが、昔良くスカートを捲ったり、髪の毛を引っ張ったり、背中にカエルを放り込んだりと遊んだことがある相手かと、呟いた。

ミンティ > 成長期に入る前、数度会ったくらいだろうけれど、いじめられた側としては、怖い相手の事ほど記憶に残る。
少年が怪訝そうな顔が、こちらの勘違いによるものだったらいいと心底願った。それはそれで初対面の相手に失礼な対応を取った事になるから申し訳ないけれど、心をこめて謝罪をしようと胸に誓って。
しかし、こちらの顔や髪をじろじろと見つめてくる様子に、嫌な予感ばかりが膨らんでくる。なるべくこちらの特徴を掴まれないようにと視線を逸らし、怯えるようにすくめた肩が、次の声でびくっと震え上がり。

「……ぁ、ぇ、…ぇ、と、…っ……はい、……おひさし、ぶり……です……」

かつて苛められた記憶が甦ってくるから、ただでさえ口下手なのに、さらに輪をかけて声が出なくなってしまう。絞り出すように、なんとか一言だけ口にして、視線を斜めに反らしたまま、首を小さく縦に振る。

セイバー > 虐めた相手の顔など直ぐに忘れる。
今ならともかくガキの頃の虐めた相手なんて山ほどいて、執着する程虐めた相手のでも無ければ記憶に残ることは無い。
その中でも目の前の少女はそこそこ楽しめた方で名前はともかく顔を一応憶えてはいた。

数回だけ裏の世界にどっぷりと浸かる前に孤児院に所属していた時に虐めた相手。
どうやらビンゴのようで、相手の小さな小さな声を先が尖った耳でしっかりと聞くと、フハッと思わず笑って。

「久しぶり!何だよ本当に久しぶりだなー。元気にしてたか?ちゃんと可愛いパンツ穿いてるか?」

それとも穿いてないのか?など言葉を続けてセクハラじみた意地悪を吐きながら、ニヤニヤとニヤケ顔を浮べる。
視線の先はこちらから視線を外す少女の顔、そのまま視線を落として意味ありげに下腹部に視線を向けながら、
ポケットに手を入れてゲームの代金の分だけ小銭を取り出して、視線を向けずに的当て矢の店主の方に小銭を投げる。

「彼女に1ゲーム奢ってやって。こいつとは昔なじみでさー……。」

と少女から視線一つ外さず、昔と違い成長した様子の少女を眺めながら店主に告げると、
店主は一ゲーム分の矢を数本用意して少女の前に滑らせる。

ミンティ > ほんの数十秒前までは的当てに夢中になっていたのに、今は思考もうまく働かないくらい、困惑している。心臓の鼓動が痛いくらい高鳴っているから、それとなく片手で胸を押さえて、震えが目立たないように、深呼吸をした。
笑う声一つにも反射的に身体が竦んでしまいそうで、顔はすこしずつ伏せがちになっていく。

「……ぁ、ぁ、……ぇ、と、…はい。……元気に、していました…」

懐かしむような少年の声に対して、こちらはなんとか会話を成立させるのがやっと。そんな状態では当然下着がどうかなんて問いに答えられるはずもない。
ほとんど自分の爪先ばかり見つめているような状態で、相手が早くこちらへの興味を失ってくれるように願うのは、昔から変わらない対処法だった。
しかし、少年は立ち去る気配がない。それどころか、続いた台詞に思わず目を瞠らされ。

「……ぇっ、いえ、あの…」

奢りなんてとんでもないと首を振ろうとしたけれど、こちらが反応するより早く、代金を支払われてしまった。また小さな矢を目の前に出されると、困ったように眉を寄せた。
どうしたものか考えるものの、取れる行動は一つしかない。相手の気を損ねないように、震える指でダーツを取り、的も見ずに投げる。ずっと下を向いたままでいるから、放たれた矢は当然、的より低いところの床にしか刺さらず。

セイバー > 視線が伏せがちになり、更にまた伏せて落ちていきそうで面白い。
久々に再開した相手は相変わらず嗜虐を誘うと表現すべきか虐め甲斐があると言うべきか。
ただ下着に絡ませた冗談を聞き流したのは面白くないと「チッ」と露骨に舌打ちを。

年上であろうが、なかろうが虐めの対象であると言うだけで態度は敬うも何もあったものではない。
勝手に奢った事で相手に貸しを押し付けた後に少女がダーツを手に取り投げる姿を少女の背後に歩み寄ると、少女が
指先まで震わせてダーツを拾い、的に目掛けてなんて思えない手つきと視線で投げて床に命中させるのを見届けて。

「……投げナイフならなー。床は持ち帰れないだろ?どの景品が欲しいんだ?投げ方教えてやるからよ。」

と、ハァーと露骨に失望したと言わんばかりに溜息を吐いてから、少女の背後に立ちなおし。
まずは片手で軽くスカートの上から少女のお尻を掌と指先で撫でまわそうと這わせ始める。

「オレの奢りだからな、全部外したら昔みたいに罰ゲームだぞー……」

と店内であるのも構わず大笑いした後に勝手に罰ゲームなどという条件をつけてからかい、そのまま少女の耳の後ろ辺りで
「……顔をあげて、商品を睨みつけろ。外したら酷い目にあうってな」と意地悪な言葉をニヤケ顔のまま、少女の桜色のなめらかな髪の匂いを嗅ぎながら囁くのだった。

ミンティ > 一投目は、今までで一番的から遠いところに刺さってしまった。不慣れな遊びに苦戦しつつも、集中し、楽しめていた時より悪い結果しか出せないのも当然の話。
早くなった胸の鼓動と呼応したように震える指先では、今より近いところに的を置いてもらえたとしても、当てられる自信がない。そのうえ、しっかり前を見てもいないのだから、運任せさえ難しくなってしまう。

「……ッ」

背後からすり寄ってくるような相手の指が身体に触れる気配を察知して、いつものろのろと動く身体が、反射的に飛びのく行動を取った。
触れられないように立つ位置を変えるものの、その動きさえ追われたら、どうしようもないけれど。
怯えきった心情のまま、二投目、三投目と腕を動かしてはみるものの、やはり結果は芳しくない。残りのダーツが二本となったところで、罰があると言い渡されて、ひっと息を飲み。

「……っ、ご、ごめんなさい…!」

助けを求めるように、周囲を見回して、数人の宿泊客と目があった。その誰もが、にやにやと笑っていたから、よけいに怖くなってしまった。
それでも頑張ろうと、四本目のダーツを手に取ったけれど、もう腕を触れず、限界がきてしまった。
ダーツを一本握ったまま、自分にしては珍しく、勢いよく踵を返す。髪の匂いを嗅ごうとしてきた少年を振り切ると、そのまま遊技場を後に駆け出して。
持ち出したダーツを返しに来たのは、結局翌日になってから。それまでは自分がとった部屋にじっとこもっている事になったかもしれず…。

ご案内:「九頭龍の水浴び場」からミンティさんが去りました。
セイバー > 折角と構えた顔見知りも立ち去った。
お店を騒がせたお詫びの分硬貨を乗せてから、
1人仕事へと戻るのであった。

ご案内:「九頭龍の水浴び場」からセイバーさんが去りました。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にミドリさんが現れました。
ミドリ > 暇が出来たので、一人温泉を訪れる。
今は広々とした岩風呂に、その引き締まった肢体を湯の中へ投げ出すようにして浸かっていた。
絶えず湯船に注がれる打たせ湯があげる飛沫を何となく眺めながら…

「はぁ。………やっぱり、ここのお湯は格別ね」

ぽつりと独り言を零すと、両手を組んで大きく伸びをした。
その拍子に、豊かな双丘がふるん、と湯の中で揺れる。

「最近はここに来ることもめっきり減ったし……もっと、暇を増やせればいいんだけど」

ミドリ > それから暫くは、一人だけの岩風呂を楽しむ。

次は誰かと来ようかな、なんてぼんやり思いながら、水浴び場を後にした。

ご案内:「九頭龍の水浴び場」からミドリさんが去りました。