2018/12/06 のログ
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にランバルディアさんが現れました。
■ランバルディア > 浴衣に身を包んだ大柄な男が、少女が通ってきた方角からやってくる。
早速ひとっ風呂浴び終えて出てきたところで、短い髪は未だ濡れて肌からは湯気を立たせそうな具合だ。
上機嫌、鼻歌交じりに廊下の向こうを見やると角で何やらまごついている少女が見える。
男の部屋は、それこそ曲がり角を進んで直ぐそこ。少女を押し退けずとも、通れないわけでもないけれども。
「……ヒトの部屋の前で何ヤッてんだい?」
少女が息を潜めているように見えたから、何となく自分も足音を、気配を殺して近づく。
壁際、連なるように張り付き、頭越しに曲がり角の向こうへと顔を出して向こうを覗いた。
■ミンティ > この国で生まれ育っているのに、こういった事態にたいする免疫はまったく育たない。慣れすぎて堂々としてしまうのも間違っているような気がして、どうしたらいいのか答えは見つからない。
となれば角を曲がったところにいる男女が早く別の場所へ行ってくれるように祈るしかない。
それよりも自分が違うところで時間を潰したらいいのだろうけど。
「……っ。…え、あ、ごめんなさい。…その、ええと……」
考え事をしていたら背後から声がかかり、肩をびくりと震えさせた。
初対面の人にも臆病な性格だとわかりそうなくらい、おどおどしながら口ごもる。なにをしているかの説明は難しくて困っていると、先に彼が曲がり角の向こうを覗いてくれた。
自分ははっきり見なかったけれど、壁にもたれるように身を絡ませている男女は、まだそのまま、そこにいるのだろう。
「…部屋に戻ろうと思ったのですが、…その、通りづらくて」
この説明でも伝わりはするだろうと小声で。それから、邪魔でごめんなさいと、なぜか自分が頭を下げる。
■ランバルディア > かくいう男は、『こういった事態』を発生させる側の人間だ。
だから、覗き込んだ先で実にピンク色の空気を漂わせてお愉しみの最中である男女に無粋を働く気にもならなかった。
少女とは真逆の理由ではあるが、結局の所その曲がり角を一人進む気がなくなってしまったのは同じ。
「いや、アレは別に嬢ちゃんが謝ることじゃあねえけどよ」
なるほど、と何度も頷きながら頭越しに乗り出した上体を戻して。
見下ろす程には小さな身体が臆病な仕草によって更に小さく見えて、嗜虐心を擽られた。
大きな掌を無遠慮に彼女の頭に乗せ、クセのない髪をぐしゃりと一つ掻き乱す。
「…まァ、たしかにちょいと通りづれえなあ。……今からお愉しみ真っ最中って感じか」
それからもう一度向こうを覗きながら彼女の言にも頷き。
彼女の顔横に手をついて、むしろ男がその巨躯でもって退き道を遮る。
「……嬢ちゃん、連れは?」
大きな背を丸め、彼女の目線まで近づけて、問いかけた。
■ミンティ > 自分でもどうして謝ったのか、はっきりしない。たぶん、困った時につい頭を下げてしまうのが癖になっているだけだろう。
あちら側を確認した男性が上半身をこちらへ引き戻してくると、どうしましょうなんて言いたげに肩をおとした。
困り事がある時は特に溜息が多くなり、人の気分を悪くしてしまいがち。だから口元に手を当てて用心していたら、大きな手のひらがこちらに向かって伸びてくる。
撫でられるまま頭をぐらぐら揺らされていると、すこしだけ子どものころを思い出した。
「どこか他に、部屋に戻れる道があったら……、え?
……いえ……いません、けど」
ここでこうしていたって仕方がないだろうから、別のルートを探そうと自分が歩いてきた方へ目を向けようとした。その視線を遮ったのは浴衣の袖。
顔横に手を置かれて、臆病そうに肩が竦む。咄嗟に嘘を言える性格ではないから、聞かれた事には素直に答えて。
■ランバルディア > どうしましょう、なんて聞いてくれるのなら回りくどい問いなど投げずにもっと直接的であっただろう。
手指に心地の良い桜の髪を、乱雑に乱して離れ際にはついつい指先で梳くようにしてしまって。
半ば被さるように上体を屈め彼女を壁際に挟んで詰め寄った現状は、抑えた声の聴こえる曲がり角の向こう程とは言わずとも。
傍目には、身を絡ませているように見えなくもない。
「……そんじゃ、気兼ねする事もねえな」
反応は案の定、というか予想通りに。また男を調子に乗らせる仕草だと、感じられて。
彼女の耳傍へと呼気で擽るようにして、囁く。声音は愉悦を滲ませている。
「俺のジャマした、って思ってんだろ?だったら……、
あいつらがどっかに引っ込むかなんかするまで、ちょいと付き合えよ」
つい今しがたの彼女の言葉を引き合いに出し、謝罪の気持ちがあるのならと迫る。
更に巨躯を被せ、脚の間へと爪先を入れ、また一つ逃げにくく態勢を仕上げていって。
視線を遮る腕とは別の腕が竦められた肩に触れる。細身のシルエットを撫でて腰まで降りて。
挙げ句は解りやすく逃すまいと、腰に腕を巻き付けて抱き竦める。
■ミンティ > 正直に答えてしまってから選択を誤った気がしてくる。地味で陰気という自己評価を下している自分のようなものでも、この国の女として生まれたからか、異性に迫られた記憶がなくはない。
さほど経験が豊富でなくても、ここからの会話の流れくらいは予想できて、眉の先端がすこし下がる。
かなり近くまで迫っている気がする男性から距離を取ろうとしても、背中は壁に当たって、身長が低い自分の視界はほとんど相手の姿で埋まってしまった。
「……いえ、あの」
都合がいいと言いたげな声を聞いて、ますます肩が竦む。どうしようとあたりを見回して解決策を探したけれど、のんきにそうしている間に、足の間に爪先を置かれ、さらに逃げ道を失ってしまった。
覆い被さるように迫ってくる男性の呼吸が触れて、唇をきゅっと噛みしめる。
「……お食事、くらい、でしたら。
…………あの、わたしたちまで、通行の邪魔になってしまうのは、いけないと思うので」
妥協案を口にしてみるけれど、そんなつもりで誘いかけてきたわけじゃないだろう。腰に触れる手から逃れようと身を捩る。暴れて抵抗するスペースもないから、腰を容易く抱きこまれてしまった。
曲がり角のあちらとこちらで通り抜けづらい状況にしてしまうのは気まずい。そんな訴えも聞き入れてもらえるかどうか。
■ミンティ > こんな時にもっと強く主張できたら嫌な思い出のいくつかは減らせたかもしれない。
しかし急に強気な自分に変身できたりするはずもなく、これからどうなるかは相手の意思次第になるのだろう…。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」からミンティさんが去りました。
■ランバルディア > ようやっと身を捩る抵抗を受けた所で、男の腕はブレることもなく。腰の括れに指をかけ、細身をよりがっしりと抱きしめた。
足の間に置いた爪先をもう少しと進め、膝が股を割る。
何も痛めつけようというわけではない。
精々気が済むまで、『お食事』に一緒をしてもらうだけで……。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」からランバルディアさんが去りました。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にナインさんが現れました。
■ナイン > (少しばかり機嫌を損ねそうになるのは。
手ずから服を脱ぎ、それを片付けねばならない、貴族らしからぬ所作の為。
だが現実問題この湯船は、幾人もの側女を従えて入れるような広さでもない上、そもそも大勢の雇い人も存在しない。
若干名の残存兵力。そんな配下達を本棟に控えさせ。今は、一人。)
――――っ、くは…
(一人で足を伸ばせば、それで過負荷無く湯船にぴったりと収まるような。其処は隠れ家と言って良い。
多種多様な設備の整うこの宿に於いて。此処の離れは、決まって特定の目的に用いられる。
世情を疎んだ者の隠遁か。
孤独に癒されたがる者の安穏か。
若しくは、物語宜しく人目を憚る密談か――後は、表沙汰に出来ぬ秘め事か。
今日宿泊を決めた己は、さて。何れに当て嵌まっているのだろう。)
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にセイン=ディバンさんが現れました。
■セイン=ディバン > 「へ~い。失礼しま~す」
間の抜けた声を響かせ、一人の男が姿を現す。
着流しを着たまま。両手には、なにやら色々な道具を持っている。
「お客さん、湯加減いかがですか~?」
気合を全く入れぬまま、男はそんな事を言い。
てってけてってけ、離れの中を見て回る。
設備などに不備が無いか確認しつつ尋ねるこの男。
別段、この宿の従業員ではない。
冒険者としての仕事として、たまたま今日この宿の従業員の手伝いをしているだけなのだ。
その様子たるや。客が湯に浸かっているというのに。
まったく遠慮もしないし、気にした様子すらなく。
■ナイン > (――尤も。宿の方が、何を企図しているのかは明白だ。
薄らぼやけた湯気の向こう。目立たぬように、だが気付けぬ事はないように。
設えられた洗い場には。膚に塗し滑りを醸す液薬だの。濡れても構わぬ魔術仕掛けの責め具だの…
そういった諸々が、湯浴みの道具達と共に一揃い。
これでは、見方によっては。良からぬ類の風呂屋を想像させるというものだ。)
これが無ければ。もう少し、落ち着けるんだけどなぁ…
(きっと。鄙びた風情の旅館、その物となるのだろうに。
ぼやき半分、緩めた口元迄湯に浸かった、そのタイミング。)
………っ、きゃ …!?
(それは正しく。気を抜いてしまった、これ以上ない油断の瞬間だった。
引き戸の開かれる音、そして男の声。客と呼ぶからには、宿に勤めている者なのだろうが。
遠慮の欠片も無い乱入に、思わず、声を上げてしまった。
…声を。いや、悲鳴をだったと言っても良い。
失態極まるその事実に、堪らず唇を引き結び。湯の温もりとは異なる熱で彩られた面持ちを、湯屋の外へと向けたなら。
先ずはこほんと咳払い。後。)
……人払い。頼んでいた筈、だがな…?
気遣いには感謝するが…此方は女一人なんだ。もう少し。気を遣ってくれないか?
■セイン=ディバン > 本日、このタイミングでのお仕事。
離れにお客様がいるから。設備を点検。
湯加減などにも気を使い、お客様にリラックスしてもらうように。
なお、必要ならお客様に特別な方法でリラックスしてもらってもいい。
ここまでが宿の従業員さんから貰ったお言葉。
『はっはっは、死ねっ♪』
と、従業員に笑いながら言い、ここに来たわけなのだが。
いざ離れに入り、入浴中のお客様をあえて無視しつつ設備点検をしていれば。
「あ~、そうなんですね。でもお客さん。
そりゃあなんとも。間抜けっつーか、的外れっつーか。
この宿で、宿側にそんなこと言ったら逆に狙われますよ」
明かり、壁、床。そういった物を確認し、危険などが無いと判断すれば。
相手に向き直り、くすくすと笑う。
そのまま、口元を手で隠しながら細巻を咥え、火を点け。
「来たのがオレだったからよかったですけどね。
下手な従業員が来たら、犯されて記録水晶に映像残されて。
明日の朝にはそのエロエロ映像が販売されていたでしょうなぁ」
この宿において、色事、乱交、強姦など珍しくも無い。
そういう意味では、あなたは幸運でしたな、と。
男はどこか恩着せがましく言う。
相手の姿を見てはいるものの、男は鼻の下も伸ばさないし、着流しの股間も膨らみはしない。
その辺は流石に冒険者。流石にプロ、である。
■ナイン > …………あぁ。あー、なるほど、な…
(男の反論で、ある程度察した。
詰まる所これは、宿側の意図的なリアクションなのだろう。
此処で今正に男女の逢瀬が、はたまた交合の痴態が、繰り広げられていたらどうするつもりだったのかと言いたいが…
宿泊予定だの、宿帳だので判断されたのかもしれない。或いは、今正に。男の言う記録水晶が、何処かで稼働しているのか。
それを指摘してくれるは未だ良いが。
有る意味、現状未遂ではあれ加害者側に、恩着せがましく能書き垂れられるというのは腹立たしい。
此処で直ぐ様手を出して来ない辺り、この宿の関係者としては、善人よりなのだとしても。だ。
…熱の籠もった頬から片手を離し、深く息を吐いて脱力して。
ともあれ、男の忠告通り。危険性を理解していたつもりだが、それが些か浅かった、という事は認めよう。
事実だからこそ気に触る、腹が立つからこそ事実。そういう言葉も受け容れよう。
――――だが。だが。だ。)
良いだろう。認めてやるさ。…感謝もしよう。
だけど、私の前で此奴は御法度だ。
…なるほど、下手な従業員揃いというのは。本当らしいな?
(手を伸ばし。男が火を点けた紙巻をひっ手繰ろうと。
髪に、着替えに、直に届く夕食に、和造りの離れその物に。紫煙の臭いを付与されるなどまっぴらだ。
…男の背丈。それ以上に、距離。手を届かせるその為に。湯船から立ち上がり、裸身を晒す事を厭わなかった。)
■セイン=ディバン > 「……うん?」
相手の声色を聞き、男が眉をひそめる。
一個前の言葉とは気色が違う。
相手の姿から伝わる雰囲気、様子にそぐわぬ気がする。
いや、それを言うのなら、先ほど悲鳴が聞こえたような気すらするのだが。
「……あぁっ、それ、魔族の国原産。血刀草の上物細巻なのに。
……ま。確かにお客さんの前で喫煙ってのは良くないかもしれねぇっすねー。
……下手な、ね。オレぁ少なくともこの宿の従業員なんかよりはテクニシャンなつもりですが……」
ぱしっ、と細巻を奪われれば、不満そうに言うが。
相手が客であることを認め、男はしぶしぶ煙を味わうのを諦める。
そのまま、相手が晒した裸身を隠すように。持ってきたタオルを相手の体に巻く。
「風邪。ひきますよ。
そうでなくても、男相手に裸を堂々と見せるのはどうかと思いますわ。
……いくらアンタが、オレを男としてみていない。ただの下郎。路傍の石としか見ていなくてもね」
するっ、と。感触一つ無く相手の体にタオルを巻いた男は、ふっ、と笑う。
そのまま、宿の準備した備品をちら、と見て。
不足なものなどが無いことを確認。
男はあまり詳しく知らないが。この東の国式の入浴というのも、タオルを巻いたまま湯に浸かってもいい場合もある、とは聞いている。
実際。相手の裸は美しかったので、もう少し見てもいたかったのだが。
そこはちょっと我慢の男なのだった。