2018/10/23 のログ
ティリア > (――――ぱしゃ、ぱしゃ。
岩風呂の縁に腰掛け、脚を揺らしていた。
爪先が湯を跳ねさせる度、微かな水音が辺りに響く。)

――――……っは …――――

(熱っぽい吐息。久しぶりに、長湯を愉しんでいた為に。
そろそろ湯中りしてしまいかねないからと、一旦湯船の外に出て。
熱くなった躰を、膚を冷ましていた。
もう夜風は随分と冷たくなってきた時期だが。湯気の留まる露天近辺は、寒いという程ではなかった上に。
これだけ熱っぽさに苛まれてしまっている躰は、多少無理に冷ます位でなければ、どうしようもない。

…そう。熱。
体感温度、湯の温度、だけではない。
不定期に疼く胎の熱が、今丁度揺れている。
出来るなら何事も無い、誰にも遭わない内に。
その熱が収まって欲しい――と。)

ご案内:「九頭龍の水浴び場」にイーヴィアさんが現れました。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」からティリアさんが去りました。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にティリアさんが現れました。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」からティリアさんが去りました。
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イーヴィア > (此処最近、余り外出が出来なかったのを顧みての、慰労みたいな物。
店員の一人が体調を崩していた皺寄せでは在るけれど、先日無事復帰した為
代わりに順繰り休暇を取っていると言う次第だ。
勿論病み上がりに無理もさせられないから、そう長い物でも無いが――)

―――……しかし、此処に来るのも久しぶりだな…

(前に訪れたのは何時だったか…ちょっと思い出せない。
やれやれ、と肩を竦めながらに浴場へと姿を現せば、積まれて居た手桶を掴んで湯煙の中を歩いて行く
別に疲れて居るかと言われれば、普段と余り変わらない、と言うのが正直な所だが
王都の方では殆どお目に掛かれない、こういった湯場は、普段火に炙られて居る身体には存外沁みる物だ

ぺたぺたと隠す事も無い足音が、次第に岩風呂の方へと近付いて行けば
きっと、其処に居る物にも当然の如く聞こえるだろう。 当然、此処は湯浴みをする場
裸身を晒し、何も隠す心算も無い姿で姿を現せば――相手にとっては、随分と目の毒やも知れない)。

ご案内:「九頭龍の水浴び場」からティリアさんが去りました。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にティリアさんが現れました。
ティリア > (まだ、治癒しきるには到らないらしい。
…魔族による呪紋だから、正確には解呪という奴か。
それさえ済めば屹度。望まぬ熱から、忌むべき慾から、空恐ろしい交わりから。解放される…そう信じたい。)

…だと、良いんだけど…ね――――

(それを望めど、信じきれない。
性の狂おしさがどれ程に。逃れ難い、危険極まる代物なのかという事を。
日を追う度思い知らされ、また、思い出させられている為に。

何にせよもう上がろうと。長居は避けようと、そう思った時だった。
湯気の向こう。裸足の跫音。思わず、品のない舌打ちでも零したくなったが。
それを憚られてしまう内、跫音の主はもう。姿を現してしまう。)

って。 確か、君は――――

(見開いた。この呪詛に犯されてから。熱に駆られる侭、一時の慾に流される侭。
我が身を委ねてしまった、そんな相手。
相手が相手。まして、あの夜以上に、何もかもを晒した姿。
瞳が揺らぎ、知らず知らず、その侭視線を伏してしまうのは。有る意味仕方ないだろう。
…はたりと。湯に落ちた所で、脚の先が動きを止めた。)

イーヴィア > (――此処が混浴で在る以上、誰かに出くわすのは普通の事だ
無論其れを知らぬ訳でも無いし、出会った所で気に留める場でも無いとも知って居る
だからこそ、湯煙の向こうに見えた先客の輪郭にも構わず歩みを進めて居たのだけれど。

開ける視界、其の先、姿を見せたのは見覚えの在る姿。
たった一度の邂逅、けれど、忘れてしまうには少々色濃い記憶。
そんな相手が目の前に居るなら、一寸瞳を瞬かせ、其れから、軽く片掌を掲げて。)

――――……おう…こんな所で出くわすとは思わなかったぜ。
……イーヴィアだ、鍛冶屋のな。 ……覚えてるか?

(一応、改めて名乗ってみるのは。
あの時の彼女が御世辞にも、正常、とは言い難い状況だったからだ。
己は覚えていても、相手が覚えているかは不明故に、問いながら歩み寄って行けば

――そのとなり、張られた湯へと桶を浸して、己が体躯にざばりと掛けては
彼女に構わず、岩場へと腰かけて仕舞おう、か。)

―――……調子は如何だ? ……ギルドに顔は出せたのか?

ティリア > そぅ、だね。 …お陰様で。
あれから時間は掛かったけど――どうにか。

(一応、彼に道順を尋ねた事で。ギルドへは到着出来たのだ。
だが素直に礼を言う事は出来無かった。当日中に着けた訳ではない。あの後――丸一日か。それ以上か。
彼に連れ去られた先で、酷く長い時間、酷く狂おしい行為が、ずっと続いて…その先だったのだから。
彼を見れば必然、あの時の己の、異常、を想起せざるを得ないから。
事実を肯定する言葉の次に、素直に謝意を繋げる事は出来無かった。
…くるくると、手持ちぶたさに。湯船の縁で人差し指を回し、岩肌を擦り。そんな指先ばかりを見下ろして。
彼に直接視線を向ける事が出来ない侭の応対が、暫し。)

だからちょっとずつ…少しずつ、マシにはなりつつあるよ。
完調とはいかないけれど、きっと――僕は、元に戻れる。あんな迷惑を掛けずに済むように。

(迷惑、だったと思う。否、そうだと思いたいのは己自身。
彼にとっては必要の無い事で、邪魔でしかなかった筈で…だから、彼を含め、数多の牡達に。
あのように求められる事、迫られる事は。再びは起こり得ないのだと、信じたかった。

代わらず腰掛けているようでいて。僅かずつ、そろそろと。腰を浮かせ滑らせる。
全てを晒した、縁に腰掛けた侭の状態では居たくない、と。
だが、湯船の中へ逃げ込む事が出来ない内に。
直ぐ傍らへやって来た彼が、並ぶように腰を落としてしまう。
気を逸して身を震わせる…近い。近、すぎる。それこそ、湯に濡れ温度を高めた膚が、互い触れ合いそうな程。)

イーヴィア > ――――……まぁ、そりゃあな。
結局、暫く引き止めちまった訳だし。

(――己が店は、冒険者ギルドの在る地区とは離れている。
一度其処に連れ去って仕舞ったなら、本来の目的達成まで時間が掛かるのは当然か
其の原因の、少なくとも半分くらいは己のせいでもある――閉じ込めた訳だから。
肩を竦め、隣へと腰かければ、手にしていた桶を湯船へと放って浮かべる
隣から響く声は、確かに目的を達成したと紡ぐけれど――其の言い方に、僅か双眸細めては。)

―――……完全に呪いが解けたって訳じゃあないのか。
だがま、其れなら良い事だ。 ……おちおち外にも出られないだろうしな。

(――呟いて、ちらりと視線を隣へと向けた。
晒されている裸身、あの夜…否、日が昇っても又、散々に喘がせた其の身体
そして、其の度に下腹へと浮き上がって居た紋様の記憶を思い返しては
今は、其処に其れが見えるのか如何か、控えめに確かめようと。

刹那、意識せずとも、互いの肘先位が。 或いは二の腕辺りが、触れ合う事も在るやも知れぬ。
そうでなくても、もし、この距離で、この傍で、此方へと彼女が視線を向けて仕舞えば
少なくとも鍛え上げられた体躯も、何時か、彼女の身体を深く愛でた雄のカタチが
視界に、映って仕舞うだろう、から)。

ティリア > お陰で。きちんと、開く時間にはなったけれど――ね。
悪い事したって、思ってる、よ。

(迷惑についで、悪い事、呼ばわり。己で己が赦せない故に。
とはいえ、完全に、それこそ罪人であるかの如く、延々閉じ込められた訳ではなかった。
あくまでも、呪われ、盛り、歯止めを失い…そんな牝が力尽きる迄。同時に牡が満足する迄だった拘束期間。
…矢張り、思い出す。思い浮かんでしまう。
手持ちぶたさの、彼が腰掛けた側とは逆位置の手を。強く、強く。指の節が白くなる程握り締めて。)

本当に。
道行く男、男に発情させられて。
好き勝手犯されまくる事を、悦んで。挙げ句どうなっても構わないなんて…
そんなの。普通とは言えないし、日常でも在ってはならないんだから。
悪魔は、人を狂わせるって。堕落させるって。つくづく、こういう事なんだと思い知らされた――よ。

(この場に居る筈のない、己を貶めたその魔を思い出してか。
小さく唇を尖らせた。…見下ろされれば。下腹を飾った魔の証は。
あの時に比べれば徐々に、薄くなり始めているだろう。それこそ、目を凝らさなければならない程度には。

だが、実際の所、それは。
平常ならば見えない筈の代物が、薄くとはいえ浮かんでいる…些かなりとて、あの熱に。今以て。
正しく現在進行形で、慾を擽られているという証でもあった。

それこそ、直ぐ傍らに、以前と同じ牡が居るのだから。
冷めてしまえとどれだけ願ってみせようと、内側から沸き上がる物は、いっそ勢い付きそうな程。
…だから。言葉と裏腹、落ち着かない様子で腰が身動ぎ。据わりが悪い、というように座り直しを繰り返す。
……同時に。瞳も、顔も、首も。益々男の側から背けられ、決して目を合わせまいと…
まして。屹立の素振りすら見せる、彼その者を。何としてでも目には入れまいと。

何せ。あんな物を突き付けられてしまったら、どうなるか解らない。
見せ付けられて、思い出して、となってしまえば…結果は確実だが。その過程で、どれだけ狂わされるとも知れない。
…事実、時折肘等が、微かに触れるというだけでも。
浅い位置で繰り返される呼吸が熱っぽい。水面を揺らす、両脚の微かな震え。
触れる瞳はきっと、熱を帯びつつある為に―尚更、気のない素振りを取り繕おうとするばかり。)

イーヴィア > ――――……クク、ま、お陰様で良い休みが堪能出来たってモンだ。
アンタにとっちゃ、とんだ災難って奴だろうけどな。
……誰も、俺が損をしたなんて思う奴は居ねぇよ。

(だから、気にするな、とは言わない。
彼女の言うわるいこと、が、必ずしも額面通りの謝罪とは限らないからだ。
如何足掻いたって、本人が気にし無い筈も無いだろう、そんな事は判り切っている
さもなくば、苦心して解呪しよう等と思う訳も無いのだから。

――それに、だ。 彼女にとって災難であると思うのは事実でも。
己もまた、聖人君子等とは言い難い程度には、雄で在る事には変わりない。)

―――……向こうにゃ向こうなりの美学って奴が在るのかも知れねぇがな。
中には愉快犯だって沢山居る、そんな連中の考える事なんざ、俺にゃ良く判らんよ。

(運が悪かったと言えば、きっとそうなのだろう。
彼女が呪いを刻まれた事も、何時かの夜も――そして、今夜ですらも。
逆に、解呪されつつあると言うから。 平静を保とうとして居るから。
余り気負わずに隣で足湯めいている、と言うのも在る。
下腹に、あの時はくっきりと浮かんで居た呪いの証が、随分と薄まって居るなら
一応、治療の効果が出て居るのだろうかと、勝手に納得するのだ。

だから、ふぅ、と、視線を外し、後ろ手に身体を支えて、上を仰ぐ
膝元辺りまで湯につけて居るだけでも、血行は良くなるモノで
――其れが、余計に雄を際立たせて居るのやも知れぬ。
そうして、再び彼女の、段々此方から背けられて行く視線と共に
目に映る其の背中へと、声を掛けては。)

―――……でも、そうだな…、……呪い、何手のが勿体ない位…良い女だと思うからな。
……呪いが落ち着いたってんなら。 ……フツーに、口説いて見ても良いか?

(――背後より、ふと、そんな言葉を掛ける。
呪いでのなし崩しでは無く、ただ、只々素直に、誘うかに。
僅かに顔を寄せたなら、きっと、肩越しに、相手の耳元へと言葉を流し込むみたいにして、囁くか)。

ご案内:「九頭龍の水浴び場」からティリアさんが去りました。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にティリアさんが現れました。
ティリア > ……そうかい?
まぁ、男の人なら、そういうのかもね。
…僕にとっては、まぁ――その。何というか。 ……損得、半々…だったよ。

(良い事も、そして悪い事も。両方だったと思うから。
問題は、あの時の悦びを。狂おしさを。良し悪しのどちらに含めるか、という線引きだけだ。
此処ですっぱり、悪し様な側に位置していると。言い切れない辺りは優柔不断。
或いは、熱を求めさせる呪詛故か。
少なくとも――己自信が求めてしまっているのだ、とは。思いたくないが。)

解ってしまえば、それはそれで。同類になりかねない――かもしれないから。
っふふ。そうだね、君が言う通りだって思っておくよ。
態々、覗き返される事を承知の上で。覗き込む必要は無いんだ――ってね。

(誰の残した言葉だったやら。此方から闇を、深みを覗き込んだなら。同様に覗かれ返すのだと。
そして、覗き込んだ泥沼に浸食される事を。堕落を考えてしまうというのなら。
寸前で踏み留まらせてくれる言葉には。珍しく、素直に感謝しておくか、と。
彼に近い側の手を、軽く振る様にしてみせて。

…証は、徐々に薄れつつある。それこそ、前回と同じだったなら。
こうして牡の象徴から目を逸らしている事ですら、到底侭成らなかっただろう。
彼が背後へ身を傾けていくのと、真逆。楔の反り返りと真逆、己の躰は前へと傾ぐ。
膝の上に両肘を着き。頬杖の侭で口端を緩めては。)

――――そうだね。どう、しようか。
……落ち着いたら、か。 ……ちゃんと治ったら。そうしたら…ね。
素敵な口説く文句の一つでも、考えてくれるなら。一考の余地はあるかもしれないよ…?

(より、距離を。視界を外す事が出来たから。…反り返る楔から逃げられるから。
肘の触れ合う事が無くなったから。…熱を実感する機会が減ったから。
これでようやく、きちんとした言葉を。返す事が出来た気がする。
微かに首を振るのは、耳元を擽られる事を避けたからだろう。
ぱしゃんと湯が跳ね、躰が湯の中へ。
……その侭。暫くは、湯気の中と湯の中、語らいを続けられたのだろうか。
何事も無く済ませる事が出来たなら。…もう少しは、本来の己に。
未だ彼には伝える事の出来無い、在るべき己としての生き様に。近付く事が出来た筈。)

ご案内:「九頭龍の水浴び場」からティリアさんが去りました。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にティリアさんが現れました。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」からティリアさんが去りました。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」からイーヴィアさんが去りました。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にタピオカさんが現れました。
タピオカ > 混浴の露天風呂。開放的な夜空の下で熱い湯気が白くくすぶって入浴客を種族隔てなくぬくめていた。
さて、水浴び場の端にある岩棚。そこからは熱いお湯が吹き出し、その下にある横長の座り場へと注がれている。いわゆる打たせ湯だ。
外気の冷たさとお湯の温かさを両方楽しめるその場所に足を揃えて座っている小さな人影があった。

「はう……。
熱いお湯がぱちゃぱちゃ跳ねて気持ちいい……。
東方じゃ冷たい水に打たれる修行があるらしいけど……。
お湯だと……天国……」

首の後ろや背に流れるお湯の心地よさに目尻がとろん。
時々腕を伸ばしたり、左右にゆらゆら揺れたりとリラックス中。

タピオカ > いつのまにか瞼が重くなっていて、はっと気づいてぴちゃんと水滴が横髪を滑り落ちていった。
あやうく眠気に意識を奪われてしまうところを、ぶるぶると首を振って自分を取り戻し。

「ん……、っ……、危なかった……。
身体と髪、洗いに行こう……。ふぁ……」

あったかいと気持ちいいが揃うと、たいていどんな場所でもすぐ眠ってしまうのだった。
ギルドの依頼をこなした夜だとなおさら眠気はすぐにやってくる。
目元をかるくこすると、手近な木桶を手にとって。
洗い場へ向かえば、まもなく呑気な鼻歌が響いてきた事と――

ご案内:「九頭龍の水浴び場」からタピオカさんが去りました。