2018/09/11 のログ
ご案内:「九頭龍の水浴び場 露天風呂」にニアさんが現れました。
ニア > 先日、商人からくすねた宝石はそこそこ高い価値があったらしい。
闇の相場じゃ50000ゴルドは下らない品物だったと、
闇の商人は言っていた。

宝石を売って手に入れた金で束の間の休暇だ。
しかし、王都じゃお尋ね者の彼女がこんなところに顔を晒していいのだろうか…?
最悪、逃げれば済むことなのだが

一応口元をタオルで隠し、あまり人の出入りが多くない時間にこうして癒しを求めてやってきたのだ。
たまにはゆっくり日々の疲れを癒すのも悪くはない。

湯に浮かぶ秋の月と、彼女の白い素肌。
そしてそこにひらり舞い落ちる緑の葉。
久方ぶりの安息に、彼女は溜まらず息を吐いた。

ご案内:「九頭龍の水浴び場 露天風呂」にシドさんが現れました。
シド > 琥珀色の月が眩く照らし出す露天風呂は、入り口からも先客の姿をはっきりと映し出す。
腰にタオルを巻き付けた儘、入る湯を探して彷徨う足は、その姿を見つけ。
なにより顔を隠すように口元までタオルを巻く見た目に興味が引かれて湯に爪先を浸していった。

「やぁ、同席させてもらうよ」

距離にしては昇る湯気に微かに相手の翳が見える間隔。
ひらひら、と掌を振り仰ぎ、厚い胸板まで浸かって先客の様子に葡萄色の目を光らせる。

ニア > 背後から、突然の来客。
声からするに男だろう。
彼女は咄嗟に声の元へ振り向き、その姿に目を見開いた。
一番に目を引かれたのは腰まで伸びた奇麗な銀髪
そして、鍛えられた肉体

直後、彼女は身体を庇うように抱き、自身の裸体を隠した。

「……どうぞ。ご勝手に」

淡々とそして冷淡と
冷え切った声で男から1メートル以上の距離を取り言い放つ。
口元を隠していたタオルは更に鼻まで隠すように上げ
男から顔を背けた。

シド > 突然の混浴に気分を害するも無理はない……と岩縁に背を預けて空を眺める。
もちろん、時々視線を横に流して相手のあまりに用心をした様子に頬を緩ませながら。

「いい夜だな。もう少し寒くなれば温泉も気持ちよくなるだろうが。
 この涼しい夜に温かい湯に身を預けて月を見るのも乙なものだ。」

語る内に従業員が恭しく青年の前に酒を差し入れる。
お猪口は2つ。要らぬ気を利かせたのか。
並々と注いだ1つの其れを自分の手に。
もう一つは。

「やるかい?温泉で飲む酒は格別だぞ。」

徳利と御猪口を乗せたお盆を同席者の方に流していく。

ニア > ここが混浴だということを知らなかった彼女
脳内は焦りと羞恥で埋め尽くされている。
しかし、それを顔に出さないのが彼女だ。
いつものように冷静に、平常心を保ちながら
男に気を許さぬよう、時々視線を男へと向けていた。

これではゆっくりとした休暇は送れそうにないな…

「……そう」

男の独り言…?に耳を傾けるも、目は一切合わせようとはしない。
男の背後に着く従業員の要らぬ気配りに目も向けず、
湯に浸かりながら酒を楽しむ男に溜息を一つ。

「遠慮しておくわ。こんなところで酔いつぶれたりしたらみっともないし…
それに…」

言葉は途切れ、手は再び顔の半分を覆うタオルへ。
目の前の男から魔力は感じない。
恐らく人間だ。
もし、男が自分の正体に気づけばシャレにならない。
こんなところで素顔を晒すわけにもいかなかった。

シド > 温泉での酒の相伴を断られれば流石に消沈に眉尻を下げて。

「残念……なにか悪い薬などはいれてないが。
 疑われても仕方ないか。
 いや……。」

脳髄をわずかに焼いていくような異国の酒を傾けながら思考は巡る。
あまりにも顔を隠しすぎる挙動に、接触を断るような態度。
ほんのり桜色の熱昇る目許を長い前髪で隠すように俯き、また独り言つ。

「追われている身か?
 だが生憎、私はただ温泉に浸かりにきただけ。
 民衆の安全を守る貴族の看板は、今は取り下げている。
 君がたとえ極悪人といえど、この心休まる場所で乱暴は働かんよ。」

ゆるり、と視線を流して反応を伺う。
捕まえに来たでも女を組み伏す気分でも無し。
これ以上素っ気ないのなら邪魔はしないように立ち去ろうと。
飲み終えた御猪口を湯の縁に置いて。

「飲まないならその盆も返してくれるかい?」