2018/05/21 のログ
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にミンティさんが現れました。
ミンティ > 脛を隠すくらい長い裾のスカートを膝までまくって足湯に浸かる。
お湯の温度はあまり高くないようだけど、しばらくそのままにしていたおかげで身体は芯から温まってきていた。ぼーっとしている間に、気がつけば同じお湯に足を浸している他のお客も減ってしまっている。

「ふ…」

体内で温められた息を吐き出して、そろそろ上がろうかと考えながら熱すぎないお湯の中で両足をゆらゆら揺らす。

ご案内:「九頭龍の水浴び場」にブレイドさんが現れました。
ブレイド > 「あー……」

歩きづめの依頼から戻り、だるくなった足を引きずりつつ湯治にやってきたのだが。
なんか浴場の方はだめらしい。貸し切りとかなんとか…そんな話は聞いてなかったので不思議に思ったが
なんとなく聞こえてくる音で察しはついた。まったくもって…いや、言うまい。
とりあえず長旅の疲れを取るために、せめて足湯にでもときたのだが…
なるほど、客は少ないようだ。

先に足を洗って、人影から少し離れたところに腰を下ろす。

「ふへー…」

ぬるいお湯に足をつけて一息。なんか心地が良い。

ミンティ > 水面に細かい波を立てながら足を揺らしていると、そのリズムにあわせて船を漕ぐように上半身が踊る。末端からほどよく温められて、気持ちよく欠伸がこぼれた。
とっさに片手で口元を押さえ、さすがにこんなところでは寝られないと頭を振る。
そうしている間に眼鏡のレンズも曇ってきてしまった。周囲の情報が頭に入ってこないように、きつく目を閉じてから、曇ったレンズを袖で拭う。

「ん…」

眼鏡をかけ直してから周囲を見回してみると、人影の位置が入れ替わっている。
出ていく人や、新しく入ってくる人がいたのだろう。

ブレイド > 誰かがウトウトしている。
そのまま足湯に頭からツッコむのではないかと思ったが、なんとか気がついたようだ。
などという微笑ましい場面に遭遇しながらも、脚に溜まった疲れをほぐしていく。
足湯のあとはマッサージでもするか…自分で。などと思いつつ顔を上げる。

「ふあ…」

聞こえるあくびにつられて、自分もあくびが出てしまう。
なるほど、ここまで心地よければウトウトもするはずだ。

ミンティ > 自分が欠伸をした直後に湯気の向こうからも似たような音が聞こえて視線がつられる。じっと見つめ続けてなにか言われたらどうしようと思うと、すぐに顔をうつむけた。

あまり熱くないお湯でもこのままずっと浸かり続けていたら足がふやけるか、のぼせるかしてしまいそう。
ちょっとだけ名残惜しさも感じたけれど、そろそろと足を引き上げる。小さなタオルで丁寧に足を拭いていると、今まで温かいお湯に浸かっていたから周囲の空気が冷たく感じた。それもまた気持ちがいい感覚だったから、自然と頬が緩んでしまう。

拭き終えた足でスリッパをはいて立ち上がり、もう一度欠伸の聞こえた方を見た。なんとなく挨拶くらいはした方がいいかと思って、小さく会釈。

ブレイド > 湯気の向こう、人影が立ち上がる。
もうほとんど人もいない。
なんとなく立ち上がる人影に視線を向ける。

「ん?」

小さく会釈をする姿に会釈を返しつつも、なんとなく既視感。
そういえば最近見たことのある髪の色のような…
そうだ。メガネが曇っていたせいで視線が見えなかった。
そのおかげで気づけなかった。

「あんた、えーっと…こないだ追われてた…」

確かそうだったはず。

ミンティ > 湯気がたちこめる場所にずっといたせいで髪がすこし重たく感じた。指をとおして形を整えながら立ち去りかけた足がその場で止まる。
思いがけず声をかけられて最初は警戒したものの、知った相手に呼びかけるような言葉にきょとんとして、もう一度湯気の向こうへ振り返る。

「…あ」

眼鏡のレンズがすぐ薄曇になってしまうから目を凝らすようにして、ようやくそこに座っていた人物に見覚えがあると気がついた。
あわてて身体ごと向き直り、深く頭を下げる。

ブレイド > 「うぇ!?いや、いいってそんな頭下げねーでも」

こちらに気づき、深く頭を下げる少女の姿に驚いたような声を出す。
人があまりいなくてよかった。

「つか、元気そうだな。元気じゃねーから湯治に来たのかもしんねーけど…」

ひらひらと手を振って微笑む。
名の知らぬ少女ではあるものの、顔見知りではある。
また絡まれてどうこうなったというわけでもなさそうだし、安心した。

ミンティ > 危ないところを助けてもらったのだから不躾な態度を取るわけにはいかない。あわてた様子の少年を相手にそう言うように、首を横に振る。

「はい。おかげさまで。……あ、いえ、どこも悪くは…
 寝室が雨漏りしていて…天気が崩れやすくなる前に直してもらおうと、思って」

健康そうなアピールはできないけれど、病気を患ったりはしていないと自分の胸を軽く叩いてみせた。
外泊が必要になった理由を思い出すと、すこし困った顔になる。

ブレイド > 「オレが勝手にやったことだから気にすんなって…ま、そりゃいいや」

このままでは押し問答になりそうだったので
とりあえず苦笑しつつも立ち上がって歩み寄る。

「んで、雨漏りか。そりゃ続いて運がねーな。
それでこの宿に泊まろうってことか?」

胸を叩く少女の様子を見れば、元気なのはなんとなくわかった。
だが、続く言葉には眉を寄せて。
絡まれたことといい雨漏りといい…運のない少女だ。

ミンティ > あらためてお礼がしたいと言いかけたけれど先に話を切り上げられてしまった。そこからさらに話を蒸し返せるほど口が達者ではなかったから、なにか言いたげに口をもごもごさせるだけで終わってしまう。

「貰い物のチケットがあったから…、たまには…こういうのもいいかなって…
 あまり…外泊をしたりしないから」

こちらへ歩み寄ってくる少年と視線をあわせて、そうだと頷く。
たまの外泊はいい気晴らしになると思ったけれど、結局お店の事が気になってしまう。息抜きの仕方が下手だと思えて、自然と溜息がこぼれた。

ブレイド > 「?あ、わり…なんかあったか?」

相手の様子、なんか言おうとした矢先に話を切ってしまった感。
もごもごとなにか言いたげな様子をみて少し気まずい。
だが、胸のつかえがあるままではせっかくの温泉宿なのに気分も晴れないだろう。

「えーと、前送ってったとこって確か…骨董屋かなんかだっけ?
まー、店やってんなら外に泊まるってこともねーか。
オレは依頼帰りに寄った程度だけどな」

頷く少女だが、どこか気が重そうと言うか
何かが気になっているような。ため息をつく姿を見れば、くつろいでいるようには見えない。

「んで、なんかやなことでもあったのか?雨漏りの他にさ」

ミンティ > 「この前のお礼…なにかできたらって思って」

少年の方で話題を戻してもらうと話が切り出しやすくて、ほっと息を吐く。
また財布を取り出そうと手が動く。しかし日をあらためたところで受け取ってもらえないだろうとは察しがついて、行き場をなくした手は考え込むように顎に添えた。

「そう。任せていただいてるお店だから…なるべく休みたくなくて。
 …でも…もう建物自体が古くなってるから、この機会に…、って」

修繕中のお店は寝泊りするのも不便な状況になっているから、仕事に穴を開けると考えていたって仕方がない。
嫌な事があったのではないと首を振りながら事情を説明して、あっと声をこぼす。

「あの、じゃあ…これ」

また財布を取り出して、そこから一枚の紙切れを差し出す。立ち寄っただけだという相手に、何かの足しになったらと余りのチケットを渡そうとして、受け取ってくれるかなと小首をかしげる。

ブレイド > 「ああ、そういうことか。
なんか断り続けるのもわりーな。気持ちはありがたく受けとっとくぜ」

義理堅いと言うか、何かしないと気になってしまう性分なのだろう。
お金を受け取るつもりはないが、それでもなんとなく少女に息苦しい思いをさせてしまっているようで
少しだけバツが悪そうに。

「まー、そういうことならしかたねーだろ。
むしろ、今のうちにいろいろ直せてよかったんじゃねーのか?古い家ならさ。
任せられてんなら、そういう管理も仕事のうちってやつだろ。気にすんなよ」

こんなことばで気が楽になってくれるならばいいのだが。
少し気弱そうな少女ではあるが、責任感は強いのだろう。

「ん?お?ここのチケット?ん、あー…そうだな…
このまま居心地悪くさせちまうのもわりーし、もらっとく。ありがとな」

まぁ、現金じゃないし彼女も貰い物といっていた。
これならこちらも気兼ねすることはないだろう。早速使わせてもらおうとチケットを見てみる。

ミンティ > 「…ありがとう」

差し出したチケットを受け取ってもらえて、ほんのわずかながら頬が緩んだ。控えめに笑ってもう一度だけ頭を下げる。
チケットはあまり高くない部屋に限り、一泊分の宿賃が一割引きになるというもの。危ないところを助けてもらったお礼としては全然足りないと思ったけれど、他に受け入れてもらえそうな感謝の仕方も思い浮かばなかった。

「そうなんだけど…どうしても気になって。
 お店も…今はお客様を入れられる状態じゃないから…しょうがないんだけど」

気をつかってくれているのは伝わってくるから気を取り直そうと思うけれど、幼い頃からの性格だからどうしようもない。

「もうちょっと…息抜きが上手ならよかった」

苦手意識を口にして、あまり気にしないでと手を揺らす。

ブレイド > 「へー、こういうもんもあるんだな。
せっかくだし今日は泊まってくか。こちらこそ、ありがとな」

少女の微笑みにこちらも笑顔を返す。
彼女の胸のつかえが取れたならよかった。これで貸し借りはなしなのだし。

「まー、アンタの不手際ってわけでもねーだろ。
っと、そういや、アンタ…いや、そうだな。今更だけど、オレはブレイドっていう。
冒険者やってんだ。いつまでもアンタアンタじゃわりーからさ、よかったら名前教えてくれよ」

少しでも気を楽にしようと慰めるも、そういう性分だと言うならば気になってしまうのも仕方ないか。
とりあえずは、雑談でリラックスでもしてもらえればと、自分の素性を明かすことにした。

「ま、せっかくアンタにもらったチケットだし…そうだな、話し相手とかにならなるぜ?
どうせオレもここに一泊するんだしさ」

ミンティ > 「ゆっくり…休んで」

自分が言うような台詞じゃないと思うけれど、渡したチケットがすこしでも役に立てば嬉しい。
本当なら割り引かれたあとの宿賃までこちらで支払いたいと思って、未練がましく財布を手にしたままでいる。

「あ…うん。……えっと…ブレイド…くん。
 わたしはミンティ。仕事は……この前のお店。
 なにか売りたいものがあったら…なるべく高く買えるようにするから」

本当なら助けてもらったあとに自分から名乗っておくべきだった。あの時は家に帰ってからも落ち着くまでに時間がかかったから、そんな事も気づけないでいた。
少年が気にするとは思えないけれど不躾だったと恥じて頬を薄く染めながら、こちらの名前と職業を訥々と伝える。

「…いろいろ気づかってくれて…ありがとう。
 でも…わたし、こうだから……退屈させると思う」

口下手な自分では話相手つとめられるか不安そうに、片手を口元に添える。

ブレイド > 「そっか、ミンティか。よろしくな。
せっかく知り合ったんだし、店の方にもたまに寄らせてもらうぜ。
別にサービスはしなくていいけどさ」

くんづけで呼ばれるのもなんだかくすぐったさを感じるが、おそらく彼女のほうが年上だろうし
別に嫌ではないので気にはしない。
なんかどこか申し訳なさそうにいっているが、気にするなと手をひらひらさせて。

「いや、一人で休んでたらそっちのほうが退屈だ。
まぁ、その、話すのが嫌いーとか、一人のほうがいいーってならそっとしとくけどよ
そうじゃねぇなら、オレの暇つぶしに付き合ってくれよ」

話し相手がいるだけで十分なのだ。
聞いてくれる相手がいるだけでだいぶ違う。
一人でゆっくりするのもありではあるが、せっかく彼女からもらったチケットだし
できることなら、彼女も気兼ねなく楽しんでほしいのだ。

ミンティ > 「うん。預かってるお店だから…大丈夫」

自分のポケットマネーからこっそり色をつけるくらいは、なんて考えていたけれど言わないでおいた。
心配しなくても変な気づかいはしないと頷き、考え込む。
少年が退屈しのぎになると言うのなら、これもお礼になるかもしれない。

「じゃあ…あの…本当に退屈させたら…ごめんなさい」

わかったと頷いて、また髪に指をとおす。
足湯の近くにいるから立っているだけでも湿気と熱気で温かい。それが不快なわけではないけれど、ここで立ち話は難しいかもしれない。
あまり訪れない施設だから、いい場所も浮かばなかった。どうしようと首をかしげて少年の出方を窺う。

ブレイド > 「大丈夫ならいいんだけどよ。
売るだけじゃなくって、いろいろ買うこともあるかもしんねーし
これから世話になる」

少女の思惑は読み取れないので素直に頷く。
鑑定や目利きといった能力はないので少女の言い値で売り買いすることになる。
色を付けられても気づきはしないだろう。

「気にすんなって。えっと、そうだな…とりあえず部屋取ってくるから
まー、足湯に浸かったままってのもなんだし、どっちかの部屋で落ち着こうぜ?」

こちらも宿泊となるとあまり利用した覚えはない。
温泉の方は貸し切りらしいし、足湯で温まったあとだ。
部屋でゆっくりするのもいいだろう。

ミンティ > 「……ほしくなるもの…あるといいけど」

自分のお店に冒険者が役立てられそうなものはあったか。思い出そうとしてみても、それらしいものがぱっと浮かびはしなかった。
ほとんど趣味の品のようなものばかりだったから、もうちょっと日常的に使えそうなものも仕入れるようにしようかと心にとめておく。

「……はい」

今後の行動を提案する少年に問題ないと頷く。
スリッパをしっかり足先まで履き直して、少年が歩きだせばその後ろをついていっただろう。

ブレイド > 「冒険者っつっても冒険だけじゃねーからな。
家もあるし、一応…なんか趣味も作ってみてーなとは思ってるし
きっかけになるもんとか置いてあったらなーってくらいで」

少女の言葉に笑って応える。
冒険者とて、ただのヒトなのだからと。
少し心配性なところがあるようだ。

「…………あ、えっと…その、なんだ、別にやましいこととかは考えてねーからな?」

ふっと思い至ってしまったので、あわてて自己フォローをする。
少女は抵抗なくついてきてくれたようだが、まるで部屋に誘ってどうこうしてしまうような誘い方になってしまった。
顔を赤くして否定するも、逆に意識してしまってなんかしどろもどろになってしまった。

ミンティ > 「それなら…、たぶん、大丈夫。
 変わったものだけは…たくさんあるから。
 なにか…気に入るものがあると……いいけど」

取り扱う商品の種類だけは多いから、そこから一つくらいは興味をひくものがあるかもしれない。
見つからなかった時を思うと申し訳ないから断言はしなかったけれど、探してみてと頷いた。

「……へ?
 あっ……、う…、うん。わかってるから…」

考えもしなかったところを弁明されて呆気にとられる。
追われている状況で助けてくれたうえに家まで送り届けてくれた少年が相手だから、まったく警戒もしていなかった。
疑ったりしていないと首を縦に振るけれど、意識している様子にこちらまで気まずくなって目を泳がせる。

ブレイド > しまった。
自分の考え過ぎではあったのだが少しばかり気まずい。
気を取り直してミンティを連れて歩く。
部屋を取る頃には落ち着いて気まずさも薄れているだろう。
きっと、たぶん。

ミンティ > 動揺させられたあとでも少年を疑ったりはしないけれど、気まずさのせいで口数はさらに減ってしまった。
並んで受付まで行く間は、部屋まで行かなくても寛げる場所がないかと探すせいで、不自然にきょろきょろしすぎていたかもしれない。

ご案内:「九頭龍の水浴び場」からミンティさんが去りました。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」からブレイドさんが去りました。
ご案内:「九頭龍の水浴び場/混浴露天風呂」にエイブラさんが現れました。
エイブラ > (男女混合で入れる浴場へ、タオルで
腰から下を覆った状態で歩いてくる。浴場のところどころにあ
る湯の中などにある岩場の影では、妖しく蠢く影があったり、
押し殺したような声が漏れていて)

「ああ、なるほど…道理でこちらに来るときに番頭さんがにや
にやしていた訳ですね…やれやれ、教えてくれれば避けたので
すが…お相手もいないのにこういうところに一人、というのも
虚しいですし…まぁ、誰か私のような迷い人が来るかも知れな
いですから、暫くいてみましょうか」

(身体を湯で流して、それから湯へと入っていく。変わらず
どこかくぐもった声が聞こえてきて、若干、居心地が悪げに
息を吐く)

ご案内:「九頭龍の水浴び場/混浴露天風呂」にしずくさんが現れました。
しずく > 「えひ…きょ、今日ぐらいは普通に…」
(脱衣所で服を脱ぎタオルで前を隠す少女しずく。いつも乱交の日々ではあったが、今日ぐらいはゆっくりと入ろうかなと思い、わざわざ混浴風呂に入ることにした。そのまま、普通の銭湯の通りに体を湯で流しては風呂に入っていく)

エイブラ > 「おや、どなたかいらっしゃったようですね…ふむ…?」

(こちらへと歩いてくる足音が聞こえて、そして呟く声が耳に
届けば少し考え込んで。そうこうしている内に近づいてきた女
性が湯に入るのを確認して)

「普通に入りたい、ですか…それならお邪魔してしまっては可哀
想ですかね…私がすると普通になりませんし」

(少し考え込み、そこまで強い欲情もしていないことでもある
しと、背景に溶けこむ擬態を使い、女性に気付かれないように
浴場を出ていくことに……)

ご案内:「九頭龍の水浴び場/混浴露天風呂」からエイブラさんが去りました。
しずく > 「えひ…気持ち良い…♡」

(そのまま、肩までゆっくりと浸かりほのぼのとする。今までずっと抱かれていた感触と精液の温かさのみだったため、普通の風呂はほぼ久しぶりで、ほとんどシャワーだった。そのまま、満足いくまでゆっくりと入るのであった)

ご案内:「九頭龍の水浴び場/混浴露天風呂」からしずくさんが去りました。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にフォーコさんが現れました。
フォーコ > 岩風呂にて月見酒を楽しんでいた。
…と言うより、この時間は他に見る物がない。

湯に浮かせたお盆は東方の清酒。
なんだか凄い名前だった気もするが、酒ならなんでもありがたがる私に品名を覚える頭はない。

とにかく、瓶を手にすると直接口を付けて飲んでいた。
他人様が居る所ではとても出来ないが、今は私一人だ。

赤い顔で酒臭い息を吐いては湯を体に塗り込んでいる。

「やはり、温泉に限るなあ。」

フォーコ > 酒を飲みながら風呂に入っていると、熱くなってきた。
上せてしまいそうな気がしたので、空になった酒瓶を手に一度湯から出た。

岩の上に座り込んでは体を冷やしている。
手で煽ってみるもとても冷たくはならない。

「ううむ、酒を追加で頼むべきか…。」

私は中の方に向かって声をかけた。
従業員らしき者の声が帰ってきたので酒の追加を頼む。
キンキンに冷えた物と付け加えて。

フォーコ > 持ってきてもらったのは徳利とお猪口。
熱燗かと身構えたが、ちゃんと冷えていた。

冷えた酒で体も涼しくなった頃にまた湯へと入っていく。

ご案内:「九頭龍の水浴び場」からフォーコさんが去りました。