2018/02/27 のログ
■フィル=クォーレンス > 夜深くなっても人の出入りが疎らにある、温泉が売りと言われているこの施設。
隅から隅まで歩き回るだけでも、ちょっとした探検気分が味わえそうな広さがあり。
「噂以上かも…。」
一番お手頃に温泉が楽しめる値段で訪れていれば、直行せずに内部をウロウロしてしまった少年。
全部は回ったわけではないものの、主だった場所へは足を運んでいればポツリとそんな言葉は零れ。
漸く目玉の大浴場、ではなく。大浴場より少し小さく人気の少なめな浴場へとその足は向けられていき。
「この籠に入れて、と。」
やがてたどり着き。ドアをゆっくりと開いていけば、きょろきょろと走らせる視線。
特に人気もあまりない様子に一つ安著の息を零し。
脱衣所の籠へと衣服を丁寧に畳んでしまい込んでいけば、最後にタオルは腰に軽く撒きつける少年。
外で湯船に入る、ローブを完全に脱ぐ、といったことが余りなく。
事情が事情であればあまり慣れないのであろう。温泉に心弾ませながらも少しだけ緊張した面持ちであり。
■フィル=クォーレンス > 「すっごい…広…っ!」
脱衣所と浴場をつなぐ扉を開ければ、広がる湯気と流れ込む暖かさに細める瞳。
大浴場には及ばないといっても、十分すぎる広さの浴場である。
住処のとは比べ物にならず。思わず視線を周りに走らせながらも、少し足早に中を進もうとする少年。
湿っている石畳は当然のごとくすべりやすく、足を取られそうになれば壁に手をついてバランスを取り。
大転倒を免れれば零す一息。恥ずかしいよりも、思い切りこければ怪我をしかねない場所なのだから当然でもあり。
「あっぶな…思った以上に滑るんだね。」
身を持って知るのは大事、とでも言う所か。
何度か足踏みするように足を動かし、その感覚を覚えれば改めて進むのは洗い場。
温泉では湯船につかる前に湯をかぶり、体を洗っておく。というのを受付で聞いておいた少年。
ちゃんとそれを守る様に洗い場の椅子に腰をおろし。
湯船をお楽しみにするように、まずは頭からと置いてある石鹸を泡立てながら体を洗いはじめていき。
■フィル=クォーレンス > 「ふうっ…」
髪の毛を洗い、桶に流し込んだお湯で何度も何度も流せば次は体。
ローブを外していても、効果自体は外れ切っておらず。次は体とタオルを泡立てていく姿は人そのもの。
泡まみれになったタオルで念入りに体を擦り、足も背中も余すことなく泡まみれにしていき。
やがて今度は全身にお湯を桶で何度もかけていけば、すっきりしたとばかりに零れる一息。
泡だったタオルをキチンと桶に組んだお湯で濯ぎ。泡が落ち切ったことを確認すれば、立ち上がるままに向かうのは湯船。
「っ~~…はぁ…これは気持ちいいや。」
湯気零れる湯船に足先を二度三度触れさせ。お湯の暖かさを確かめる少年。
そのまま意を決したように足を湯船に突っ込み。ゆっくりと続くように体も湯船に沈めれば抜ける力。
体が少し冷えていたからか、幾分熱く感じられれば何度か体を揺らし。
やがてお湯の温度にも慣れてくれば、染み渡る温泉の湯の心地よさに気の抜けた声は零れ。
タオルを湯船に付けないように、頭に乗せて湯の心地よさに身を委ねるようである。
■フィル=クォーレンス > 「これは確かに…時々来たくなるかも。」
流石に頻繁に楽しもうとすれば、それなりに費用はかかる場所。
それでも自分の財布事情と相談して、また来たいと思わせるには十分すぎたようである。
気を抜けば意識が飛んでしまいそうな心地よさに揺られ、時折本当に寝てしまいそうになる様子を見せる少年。
何度か船を漕いだりしてしまいながらも、やがてちゃんとのぼせる前に湯船から上がり。
ゆっくりとその暖かさの余韻を味わいながら着替え、帰路へとついていったか―。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」からフィル=クォーレンスさんが去りました。