2018/02/01 のログ
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にアリルネージュさんが現れました。
アリルネージュ > ステージの上で踊り子が舞っている。
ふわりと薄絹をなびかせ、妖しく、美しく。
うっすらと透けた布地は褐色の肌を薄く透かして見せ、裸よりも淫靡に。
その舞は客達の視線をくぎ付けにしつつ、その精神を虜にし、興奮させていく。

今日の仕事はこの宿での雇われ。
色々と裏のあるこの宿は一部で男女の交わりが推奨されているらしく、
『できるだけいやらしく、客を発情させてくれ。』という名目で依頼が入った。
どの筋から自分の事を掴んだのかまでは知らないが、それはそれとして面白そうだと引き受けて今に至る。

妖艶な流し目でゆっくりと客の間を見つめていけば、気の早い女性が自らの股間に手を伸ばし始めている。
それに満足そうに微笑むと、踊りは更に熱を帯びていく。
じっくりと自分の肉体を誇示し、身体をくねらせながら時折薄絹が身体を隠していく。
しかし透ける布地の奥にはその身体が踊っているのだ。視線は自然とその奥を注視してしまう。
そうやって客の精神を煽り立て、情欲の虜にしていく。

一人、また一人と客の精神を踊りに埋没させていけば、
次はどこに目を向けようかと客の間に視線を走らせていく。
気に入る客がいれば…その時は踊り終わった後でも声をかけよう…そう思いながら。

ご案内:「九頭龍の水浴び場」にイザベラさんが現れました。
イザベラ > その妖艶な舞を、客席――。
権力者階級しか入れない、貴賓席から見つめる女がいた。

遠目からでも豪奢な素材が用いられたとわかるほど華美な、
マグメール王国軍の白い礼服と、それ以上に目立つ長いプラチナブロンドの頭髪を、
周囲にはかこった娼婦らしき女の一人に梳かせながら欲望に濁った視線をあなたに向ける
この女の名はイザベラ・フォン・ラーンヴァルト。

王国の辺境を守護する小領主であり、定期の報告のために自ら王都へ足を運んだ帰りに
この旅籠を訪れたのだが……。

「美しい――。」

恐らく、旅籠側も領主が宿泊することを事前に何らかの手で知っていたのであろう。
その性向から『女色伯』として一部で知られている、イザベラを歓待するために、もしかすると
あなたにそうした依頼をしたのかもしれない。

どちらにせよ、女はすでにあなたの舞にくぎ付けとなり、
貴人に気に入られようと必死に相手をしている娼婦たちも既に見えていない様だった。

アリルネージュ > ゆったりと薄絹をなびかせ、くるり、くるりと舞い踊る。
薄絹で褐色の肌を隠しながら、すうっと妖艶な流し目を向ける。
さらりと薄絹が流れ褐色の肌が露わになる。ストリップショーでもないというのにその艶やかさ。
視線を向ける度に一人。また一人と観客は情欲の虜となっていく。
バーからは薄く媚薬の混じった飲料も提供されている事だろう。
歓声こそ湧かないものの、一階のその会場は静かな熱気が揺らめいているよう。

やがて、さらり絹を流しながら踊りを終えれば、ほう、と息を吐き出した。
情欲に酔いしれる、そんな事があるのだろうかと。
うっとりした視線を周囲に漂わせる観客に、宿の従業員が一人一人に声をかけ、部屋へと連れ立っていく。
これでずいぶんと儲かる事だろう。

ふと踊り子は周囲に視線を走らせる。どこか、欲望に濁った視線を感じるような…。
上を見上げれば、着飾った妙齢の女性がこちらへと視線を向けていた。
それを認めれば、きゅっと白銀色に塗られた唇の端を上げて笑みを浮かべる。
同時に、さらりと絹を流せば褐色の肢体の一部が隠れ、うっすらと透けて見える。
精神を吸い寄せ、欲情を誘う媚態。

イザベラ > 「んっ……。」

少し情けなくも思うが、踊り子の一挙手一投足をあまさじとばかりに
視線を送っていた手前、その動きが明らかに自身に対しての誘惑であると理解する。

――ごくり、と思わずつばを飲み込んでしまった。

自身の世話をする侍従に始まり、軽々しく世継ぎを作る訳にはいかぬ故と、
半ば言い訳のように女を抱き始めてからだいぶ経つが、これほどまでに
激しい感情を抱いたのは、いつ以来だろうか。

「……少し。」

そばに控えていた、旅籠の係の者を呼び寄せ、耳打ちをする。
数刻の後、あなたのもとへ今晩の『夜の相手』はできるか、という取次が
齎される事だろう。

相手はもちろん――。

アリルネージュ > 軽い誘惑であった。
欲望に濁った視線から、興奮で漏れる息まで。
その女性がカッと熱を持ったのがまるで目の前にいるかのように感じる。
可愛らしい事、と少し考えればステージを降りてゆく。
すでにまばらになった客達はどこか呆けたように宙を見つめていたり…。

そんな中で従業員から取次を受ける事になる。
内心で笑みを浮かべながらも、少し考えこむフリをすれば、
『二人きり』ならば、と条件を伝えるだろう。
それは従者たちを遠ざける名目でもあり、相手の妄想を掻き立てる言葉でもあり。
ともあれ、それを女性に伝えるように。
しかし、取次にきた女性に腕を絡めつつ、耳にたっぷりと甘く囁けば潤んだ瞳のまま女性へと伝えにゆくのだろう。

情欲と、わずかな妬心をその貴族の女性へと与えるように。

ご案内:「九頭龍の水浴び場」からアリルネージュさんが去りました。
イザベラ > 取次に来た女が、貴人席に戻りどこか恨めし気な表情をしながら、
イザベラへとことを伝えれば、彼女ははぁぁ、と熱い息を吐きだしながら
欲情しきった、いやらしい表情でステージを降りたあなたを見つめた。

そのまま、席を立つと娼婦たちを置いてどこかへと消えていく。
アリルネージュの元に、彼女の部屋のカギが届けられるのはそれから間もなくの事。

ご案内:「九頭龍の水浴び場」からイザベラさんが去りました。