2017/09/12 のログ
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にオデットさんが現れました。
■オデット > 本日夜の勤務はなく、半日休みを貰えた仲居は個室風呂の一室にいた。
脱衣所で着物を脱ぎ、裸になると手拭いで体の前面を隠すように、浴槽のあるほうへと出て―――その芳香に深呼吸。
湯船に真紅の花弁が敷き詰められ、得も言われぬ耽美な空間は今月用意された特別な薔薇風呂。
1度入浴してみたかったのだが人気があり、大浴場に比べて手狭な個室風呂を従業員の己が
利用するのは気が引けて――本日、宿泊客が少ないとのことで浮かれ気味にきたわけだ。
後から客がきたら申し訳ないから慌てて出よう。
そう考えながら、髪と体を洗い終えると湯に浸かる。
足先から入れてゆくと花弁が揺れて香りが立って、何とも優雅であった。
腰を落ち着け、濡れた髪を後頭部で丸めて ふぅ…と心地よさから息を吐く。
「いい香り…。癖になってしまいそう」
そして今夜は長湯になる予感も。
■オデット > 「あ――――」
近頃涼しくなってきたこともあり、2時間でも3時間でも
浸かっていられると思ったが、脱衣所のほうで戸が開く音がした。
浴槽は3人程度なら十分に寛げる広さはあったものの、心情として客が
ここを利用するなら己のように1人で堪能する時間をあげたいものである。
ザバッと湯船から上がると再び手拭いを体に添え、脱衣所へと。
上がってもなお膚から立ち昇るような薔薇の香りは、今宵の就寝を深いものへとしてくれそうだった。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」からオデットさんが去りました。