2017/09/05 のログ
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にオデットさんが現れました。
オデット > 仮眠室で就寝していた最中、担当の客室に呼ばれた仲居は向かいながら髪を纏めていた。
仮眠中もメイクは落とさないため よれた箇所を直すだけで普段通り。
ついついあくびが出てしまうが、客室を訪れる直前にはそれも抑えて、そっと襖を開け中へと声をかける。

「――――いかがされましたか?」

不手際で呼ばれることもあれば添い寝を請われることも、はたまた眠れないから話し相手に、
小さなお客さまなら怖くてトイレに1人で行けないなどという呼び出しもある。
客は様々であり、要望も様々だ。
ゆえに仲居はいつものこととして、いつもの微笑みを湛えながら部屋の中を窺おうと。

ご案内:「九頭龍の水浴び場」にエズラさんが現れました。
エズラ > 「おっ、着いたな――中に入りなよ」

薄暗い部屋の中から声がかかる。
敷かれた布団に腰から下をもぐり込ませながら横臥し、入り口の方を眺めている男が一人。
この宿の常連客である――とはいえ、普段は浴場を利用するのみであり、こうして宿泊することはそれ程多くない。
それはつまり、宿泊すると決めた日は、この宿のとある魅力的な奉仕を知っているからであった。

「ほら、遠慮しねぇでさ――」

そう言って手招きする。

オデット > 寛ぎながら己を招く様子に微笑ましく、唇だけで ふっと笑みをこぼすとお辞儀し。

「では…失礼致します」

襖が開く音も閉まる音も最低限に、すすと客室に入ると客の傍に寄り、正座で控える。
何か足りないだとか、酒が欲しいという要望の可能性もあったため様子を窺ったが、
その結果呼び出された用件を察すると、後ろ手に帯を解き始める。
他の客ならいざ知らず、彼の性豪っぷりをよく知る仲居である。

「今夜はお早く明かりが消えましたから、お疲れかと思っておりました。
 今日もお仕事だったのでしょう?」

するすると、手慣れた様子で帯が緩むと胸元も寛いで、撓むように揺れた。

エズラ > 「ご明察――仕事で金が入った時ァ、こーしてこんな豪勢な部屋に泊まれるって寸法だ」

豪勢――と男は言うが、宿泊している部屋はせいぜいが中の上。
男の普段の経済力を物語っている――というより、収入があれば、それを端からとあることに使い込むという悪癖を持っていた。
それはつまり――言わずもがな。
するりと帯を解き始める仲居の姿をじぃっと見つめながら、ムフフ、と助平な笑みを浮かべて。

「疲れは湯に浸かって吹っ飛んだがよ――心の癒やしってモンも必要だと思ってな――」

ばさり、と掛け布団を跳ね上げると、ちょうど隣に相手が横になれるスペースを空ける。
案の定――布団の中に見えた男の浴衣にも、帯が結ばれてはいなかったのである。

ご案内:「九頭龍の水浴び場」からエズラさんが去りました。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」からオデットさんが去りました。