2017/05/05 のログ
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にブリームさんが現れました。
■ブリーム > (水鏡に映る自分の姿を見下ろすには適度に湯煙が邪魔だった。朦々と白濁して水面の姿形を曖昧なものに見せる。露天風呂の淵である一枚岩でしゃがんで指を湯面へ伸ばし、漆黒のフードと繋ぎのマントを一息で脱ぎ落して肌色が多くなった己が姿に見入る。思い起こすのは、胸を熱くさせる過ぎ去った前世期の人間との出会い。唇を少し開いて、自身で可能な限りの媚態を演じてみるがなかなか上手ではない。)――…ア。少し熱くし過ぎたか。(下腹部の下で控え目な色彩の金柔毛がさざめいて胸と一緒にそこにある一つの物も熱くさせてしまうことにすぐに気が付くくらいには正気を保っている、自分を褒めよう。まだ湯に浸かってもいないのに、細かに額脇を中心に吹き出た汗は初夏が近いことを知らせて。)
■ブリーム > (何かがいけない、これでは変態の部類ではないだろうかと思い至って。水鏡に映る己の姿に言ってしまえば発情めいた感情を抱いてしまったのだから。)………う。エヘン。(心持ち声も変な感覚を得てしまう。これでは咳払いも場を取り成す意味を持たない。足の指先から体に沿って上る上昇気流で誘う湯煙の誘惑に案の定かかったことにして、湯壺の只中に落下してしまうことにしたい。)これだから人間は厄介でいけな………ッ!(湯に口を塞がれてしまう前に小さく愚痴た言葉も人間でしかない今の己には自殺行為と等しい。足から頭まですべてビショ濡れとなり残してきた衣のことを忘れて絶景の中心で湯から頭を上げ透明な湯と吹き出るようにざばりと癖にうねる髪から怒涛に滴る水。これで頭を冷やせというのか。なかなか難しい問題だ。ちょっと元気な肉体と一緒にもう一つの自身もあながち元気である。)
………は。
(この際相手に特別な条件は不問というのは少し話が出来過ぎであろうか。否勢いと銘打ってしまえばそうでもないかと思われた。人の疎らな時間帯。周囲を、見渡してみる。)
■ブリーム > (さっきまでの昂ぶりは果たして偏った想像力によるものなんだろう。真実味を追及したら失せる程度のものしかこの場にはなく。湯場に踏み入っては上がり行く名も知らぬ入浴者達の後ろ姿のほうが実物感があり、よく目を凝らすとそれぞれ多種多様に異なる尻の形をいつの間にか観察している自身は思い出していた過去の自分ではない。自分も浴場で入浴中の主に尻を向けて去ることとする。さっき落とした服を拾うのはついでの行動に過ぎない。)
ご案内:「九頭龍の水浴び場」からブリームさんが去りました。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にキニスさんが現れました。