2023/04/17 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にヴェルニールさんが現れました。
■ヴェルニール > 陽光が麗らかに差す日差しの下はぽかぽかと暖かく、一気に季節のカーテンを取り換えたよう。
少し郊外へと出れば、比較的安全な街の付近では、花見なのか酒盛りをしている一団を見かけたりもしたものだが。
…まぁ、花見は大義名分。
実際には明るいうちからの宴会も弾む時期なのだろう。
こう天気が良いと、風を浴びたくなるもので。
このところ定宿にしている酒場の奥まった席――ではなく。
オープンデッキスタイルになっているテラス席の片隅でいつものようにワインを飲む昼下がり。
テーブルには一応、水晶球が投げだされ。
無造作にカードが広がっているが、商いする気はあるのかないのか。
開店休業状態なのは今に始まった事でもないが、グラスに注がれた濃いルージュレッドを揺らしていた。
これもある意味、花見に興じる彼らと同じ心境か。
街路樹に咲く花の下、観察するでもなく通り過ぎる人を眺めていれば、ふと視界を過る影。
振り返った時には遅く。
――ごとり、とテーブルから落下した水晶球。
その向こうでは、むにゃあ、とひと鳴きする白い猫が、ふさふさとしたモップのような尻尾をフリフリ、食事を狙ってテーブルを飛び越えた処だった。
「あらあら…。まるで何かの前触れのようですわね…」
拾い上げた水晶には稲妻のような皹が入っており。
■ヴェルニール > くるくると片手の上にのせて、陽に透かしてみるものの。
大きく入った亀裂は、あと少しの衝撃で崩れてしまいそう。
「さて、雑貨商店に扱いはあったかしら…」
思い当たる店はあるものの。
この手の類のものは、実際に見てみないと始まらない。
グラスを傾けてワインの残りを干しながら、視線を上へと持ち上げて。
「いっその事、巷で噂の地下迷宮とやらに出掛けて見るのも良いかしら…ね…」
古代遺跡の地下にあるというそれ。
思っているものが有るのかは分からないが、物見遊山に出掛けてみるのも面白そうかも知れない、と。
そんな事を思いつつも、広がったカードを集めれば、指で鮮やかにさばいて、ひとつの束に。
カードを胸元に仕舞い、立ち上がる。
一旦部屋に引き上げたのち、外套を羽織って出掛けたのは小間物屋だったのか、ギルドだったのか。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からヴェルニールさんが去りました。