2023/01/09 のログ
ティアフェル > 「がんばって! 死んじゃ……だめ!」

 懸命な声で抱きしめた小さな生き物に訴えるが、

                     「………あぁ……」

 やがて絶望に満ち満ちた声がぽとり、と真冬の路傍に落ちた。
 魔法は効かなかった。方法は間違っていなかった。正常通り作用した。
 けれど………、

「………ここまでが、君の時間だったんだね………」

 そう、覚る。あの黄金色の小さな太陽のように輝いていた瞳はもう開かない。
 ぱさつく白い身体は急激に熱を失っていく。
 もう引き留めることは敵わないのだと知ると、ぎゅ、と一層強くそれを抱き締めて。

「さよなら………お疲れ様、ありがとう」

 そうっと小さく、もうその耳には届かないかも知れない見送る声をかけて。
 その微かな鼓動が途絶えるまでじっと冬の路地に蹲って看取るのだった。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からティアフェルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にマリスさんが現れました。
マリス > 「……はぁい。お疲れ様」

帰路につく同僚を見送り、娼館の前で一息ついている長身の娼婦。
最近寒いせいか客入りもイマイチだ。
どこかで客引きでもしなきゃならないかな…と考えつつ、溜息も出る。

「面倒ね~…」

別にこの娼館の顔というわけでもないから、自分の食い扶持は自分で稼がなきゃならない。
特に、女性専門ともなれば間口は狭まる。

まぁ勿論、仕事以外でもたまにお相手を探して王都内をうろうろしてはいるのだが。
そのノリでぶらぶら彷徨って誰か捕まえてこようかな、とぼんやり思考を巡らせていた。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からマリスさんが去りました。