2022/11/02 のログ
■ネージュ > 「ここが冒険者ギルドで間違いないと」
ここに来るまでに何度か間違えたのか、外でしっかりと確かめた後で中に入る。
すぐにきょろきょろと辺りを見回して、手配書が貼られた掲示板に気が付いてその前に立つ。
手配書を眺めている途中で受付から受付嬢に手招かれ、きょとんと首を傾げた後に受付嬢の方へと向かっていく。
「まずはここで登録をしてからと、分かりました」
受付嬢から書類を渡されて説明を受け、他の人の手続きの邪魔にならないように、カウンターで記入していく。
あからさまでないなら、職業:僧侶、学院からの紹介で等といった書類の一部は覗き込めるか。
そうして書類を書き終え、受付嬢に提出して時間が少々かかると聞き、改めて掲示板を眺めている
■エルフェ > 「……お?」
そんな悩んでる最中に、からんからんと扉が開く音。
自然と釣られるように視線を向ければ、そこにはいかにも僧侶タイプに見える女の子が様子を伺うようにして……入ってきた。
様子を伺うというよりも、何も知らない様子。受付嬢に手招きされてる様子から察するに……。
「珍しい。ああいう子って普通、パーティー組んで入ることが多い気がするけど……。」
そう。新人さん。それでいて前衛や攻撃魔法の使い手が多い中で、いかにも僧侶っぽさを出してる子。
流石に個人情報を覗き見ることはしない。けど、見た目だけでわかるわけで。
手続きを終えた女の子の視線の先には掲示板。薬草集めから魔物の討伐まで多種多様。
ふむ。ここは声を掛けてあげるのが優しい先輩というところでしょう。
「おーい? 何か目的の依頼とかがあったりするのかなー?」
極めて明るく、自然に。
■ネージュ > 「えーと、私でしょうか?」
自分を含めた数人が掲示板を眺めているとかけられた声、周りを見回すが反応する様子が無く、慌てて声のした方を向いて。
向かってくる慣れた様子の冒険者を確認すると自分を指して訊ねる。
受付での様子に心配されたとは思わず、優しそうな人だと判断して左右に首を振る。
「言え、ギルドには入った方が良いと言われてきただけで、今のところこれといった目的はありません」
装備品などをよく見ると少々値が張りそうな物を身に付けていて、庶民階級ではないのが分かるだろうか。
間違って来たと思えなくもないが、どちらにしろ新人なのは間違いなく、内容からなんとなくわかる程度で明らかにランク外れなものまで見ていたりもする。
「私、ネージュと申しますが、よろしければ色々と教えて頂けないでしょうか?」
ハッとし、忘れていたと恭しく頭を下げて名乗り、大丈夫かなと恐る恐るといった様子で訊ねる。
簡単に丸め込めそうなお人好しな様子も少し伺わせたまま、最初の判断はきっと間違えていないだろうと見つめながら。
■エルフェ > 「うん、そうそう。あなた! なんかこう、凄い新人さんって感じがしたからね!」
人懐こそうな笑顔を浮かべつつ、そちらに向かってみる。
指さした仕草には同意するように頷きを返し――。受付嬢の人も、自分が声を掛けたのを見て少し安心したように見えるのは……多分、気のせいじゃない。
外見だけ見れば同世代の冒険者。それが親身に声掛けに行ったわけだから。これが逆に屈強な冒険者だったりすると、威圧したりとか色々とあるわけだから。
「ギルドに入った方がいい……んー。確かにそうかな。
魔物の生息区域とかも調べられるし、なんならお金稼ぎ。人助けも出来るわけだしね。
けど……あんまりお金に困ってるって感じはしないよね。もしかして、貴族さん?」
装飾品から察してか、疑問を零す。
頭飾りや純白の緑色の合わさった法衣といい、いかにもお金がかかってそうだから。
「あ、わたしはエルフェ! どうぞどうぞ!
ここで会ったのもなにかの縁って言うしね? ――取り敢えず、初心者さんならまずはこのあたりの薬草積みが基本かな。
……見た限り、後衛だよね?」
さて、さっきの自分の判断は間違ってるか合ってるか。答え合わせ。
恐る恐るな仕草をするりと受け入れ、まずはそう。彼女が向いてる仕事を挙げてみるのです。
■ネージュ > 「そんな、そんな、凄い事なんてありませんよ。此処に来るにも、何度か間違えるくらいですし」
向けられた人懐っこそうな笑みにほっと息を吐き、告げられた言葉にポリポリと頬を掻きながら正直に答えて。
他の周りの様子を窺うほどの余裕はなく、手続きをした受付嬢が安心した様子までは気が回らない。
場合によっては、新人に対して色々とある事も知らず、見た目同世代の相手が声をかけてくれたことを少々喜んで。
「はい、色々と有利な事があると言われたので。
困るかと言われたら困りませんし、端くれではありますが、仰る通りです」
零された疑問、少々困った表情を浮かべた後こくりと頷く。
元々は分家であり、本家に引き取られた理由までは知らず、何処まで言っても良いのかと少々濁すように答えて。
「エルフェ様ですね、どうぞよろしくお願いします。
はい、僧侶ですので回復関係は任せてくださいませ。
その辺りの薬草罪でしたら、ギルドに入る前からしていましたので、もう少し上の方でも問題ないかとは思います、一緒に手伝ってくだされるのでしたら」
からからと笑った様子で返されるとほっと息を吐いて答える。
判断は間違ってなく、挙げられた仕事を眺め、そうですねと少々考えた後に頷いて答える。
力を合わせれば、もう少し上を目指せると判断し、一度一緒に試してみませんかと誘ってみて。
■エルフェ > 「んー……けど、そんな風には見えないけどなー。」
あくまでもこれは自分から見てのそれなので、実際はどうかはわからないけれど。
なんとなく、目の前の彼女は大成しそうだな。とか思っちゃったりする。―――ただ、ちょっと危なっかしいなぁって思ったのは事実。
だって、ここは冒険者ギルド。冒険者にはいい人も悪い人も居る。自分?……それはまぁ、秘密ってことで!
「確かに!それに緊急依頼とかで状況の把握とかも出来たりするもんね!
わたしもそんな感じ。まぁ、見ての通りの平民なんだけど。学費とかで家に負担掛けちゃってるから、少しぐらい稼いでおかないと、みたいなね?」
平民と貴族。割と貴族にはその辺りの関係性を気にする人がいるけれど、目の前の女の子……ネージュちゃんはそうじゃないみたい。
だから、ここに居る理由とかも素直に伝えて、警戒心を抱かせないように。
「うん、こっちこそよろしく! 回復魔法はねー……わたしは魔法というより、精霊術方向だから、ちょっと得意な精霊がいないし、道具便りになっちゃうんだよね。
ふむふむ……うん、もちろんっ! 一緒に回ってみるとか楽しそうだよね。えへへっ!
じゃあ、今日はエルフェ先輩が、後輩のネージュちゃんに色々と教えてあげちゃおっかな?」
確かに、考えてみたら僧侶ならポーションや聖水など、そういったアイテムの作成ぐらいならしてそうだし、経験があるっていうのも納得だったかも。
提案は二つ返事!これがさっきまで自分が行きたかったところに行くか。それとも初心者向けのシンプルなダンジョンかは、まだわからないけど……少なくとも、この子とのダンジョン巡りは面白いことになるんじゃないかな――そう思う。
――さりげなく机に腰掛けて、お話開始。暫くは、彼女を帰さない。そんな先輩冒険者っぽさを入り交じらせるわたしなのでした。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からエルフェさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からネージュさんが去りました。