2022/10/09 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区 賑やかな酒場」にユーダリルさんが現れました。
ユーダリル > 吟遊詩人の歌を聞きながら。
衣服に花を纏わせた青年は、王都の酒場で時間を過ごしていた。

「街には……こんなにたくさん、人が居るんだね」

店内の奥、カウンター席。一番左の席にて。
青年は人の多さと、酒場の喧騒に両目を丸く、瞬かせて。
思わずと言った呟きを零す。

酒場に入り浸る、様々な人種を眺めつつ。
両手でバタービールを傾ける。

ユーダリル > こくり、と喉を上下させ。琥珀色の酒を味わう。
飲み口から、薄い唇を離した頃合いには。
口元には立派な泡の髭が生えていた。

「これ、美味しい。甘くて、ホカホカしてて―――……うわっ」

酔いの盛り上がりと歓声に。
時折、びくりと肩を跳ねさせる。
静かな森では、早々に聞こえぬ喧騒。
人の咆哮も、なかなかに鼓膜を揺るがすものだった。

酒場の活気は、橙の花を纏わせる青年の風変わりさも、
吹き飛ばすほどの陽気さである。

ユーダリル > 酒場の喧騒と陽気な雰囲気に暫し浸り……。
青年はカウンター越しに硬貨を支払い、席を立つ。

出口に着くまでの間、橙の花を揺らしながら。
青年はゆっくりと歩き。
千鳥足、注意散漫、酔漢達のよろめきを縫うように躱して、
冷えた夜風が漂う外に出る。

「―――……本当は、お話をしたかったのだけれど。
 勇気が足りなかったな。でも、賑やかで楽しかったかも……」

肩越しに振り返り、酒場の灯りに目を細める。
満月の下、肌寒い外気にも臆さずに。
足取り軽く、青年は石畳の街路を辿って行く。

ご案内:「王都マグメール 平民地区 賑やかな酒場」からユーダリルさんが去りました。