2022/10/01 のログ
■イェン > 「ええ。私がこの店に居るような方々に狙われやすい外見をしている事は理解しているつもりです。ですが、冒険者としてやって行くのであれば、そうした相手を幾度かいなす必要があるのも事実でしょう。 ―――ふふ、ゴブリン程度であれば良いのですが、運が悪いとオーガやトロルを相手取る事にもなりかねませんし、新人冒険者にとっては気の抜けない狩場ですよね、ここは」
(基本的に実力者であるほど新入りへの下らぬちょっかいなど掛けはしなくなるが、中には例外もいる。そういった危険な相手が少なく、また、そうした相手に絡まれた際にも助けの期待しやすい店を選んだつもりではある。それでもなお新入りにとっては荷が勝ちすぎる厄介者とのエンカウントは有り得ない話という訳でもなく、場合によってはこの店でイェンの未来が閉ざされる可能性さえ無くはない。そんな覚悟すら抱いての入店なればこそ、臨時教諭として学園から招聘を受ける程の実力者との邂逅は幸運だった。)
「…………………………」
(わずかばかり考えてローブの襟紐を解き、それを脱いだのは、店内が思いの外暑く、また眼前の男性教諭がちらちらとそこに目を向けている事に気付いたからだ。先の笑顔同様に、今宵のスポンサーへのちょっとした返礼の様な物。軽くたたんだそれを背もたれに掛ける動きが身を捩り、持ち上げた二の腕で豊乳を拉げさせる。ふにゅりと柔らかく形を変じた半球が、タックブラウスに一瞬蠱惑的な皺を作り、改めて振り返った姿勢と共に形良いお椀型へと姿を戻した。)
「フィッシュ&チップス、ですか……。先生、安上がりで済ませようと適当な事を言っている訳ではないのですよね……?」
(先に羅列された牡蠣、肉、オムレツに対し、最後に勧められた料理は特別な物ではない。酒のつまみとしての定番めいた物であり、正直メインを張るには力不足の否めない料理に思えた。それゆえ、彼に返すのは無表情にも変化の見られるジト目である。とはいえ、酒に慣れる必要性も感じていたので)
「………では、先生おすすめのフィッシュ&チップスとエールを。エールは小ジョッキでお願いします」
(疑わしさを残したまま、それでもまずは勧められるままの料理を給仕に頼む。いまいちと感じたならば残りは彼に押し付けて、こちらは牡蠣やら肉やらを改めて注文すれば良いと考えての行動だった。)
■コルボ > 「ゴブリン程度って、ゴブリンを侮ってんなら止めとけ。
ゴブリンほど数とホームで戦う時ほど厄介な相手はいねえぞ?」
ここは荒くれ達のホーム。ゴブリンよりも知恵があり、ゴブリン並に欲がある。
ただ、
「喧嘩の売り方、その作法をちゃんと心得ておけば人の中ではその限りじゃねえけどな?
イェンは体捌きがしっかりしてるからな。
ここにいる奴とタイマンに持ち込める”空気”を造ればまず負けねえだろうさ。
そうじゃなければ悪目立ちする美少女は裏に集団で連れ込まれて寄ってたかって慰み者、だな」
気迫は買う、だが冒険者としての、荒事へのマナーをまず心得よと。
男が貴女を救う要因は腕っぷしというよりも場の空気を握ることで。
……何より、薬草学専攻のはずの男は、学院の授業で垣間見える貴女のポテンシャルを把握していて。
「……」
ローブを脱いで、こちらへと視線を誘うような蠱惑的な仕草。その中で艶を帯びた変化を魅せる双丘。
着衣越しにも、その柔らかさがうかがえる変化、以前触れて弄んだ感触を思い出しながら。
「……ませたことしやがってありがとうございます。
そういやイェンと初めて会った時は”寸止め”だったよな。
今度機会があったら覚えてろよ?」
嗤いつつ、男を悦ばせる仕草を既に知る貴女の振舞いに、そんな言葉を返して
「なんでここに荒くれが集まるか。
安く満足して飽きない味があるからさ。それに、極まったものは何でも旨い。
如意菜だったか? シェンヤンの素朴だけど高級料理。
安っぽい印象でも驚きがあるものさ。」
なんだかんだでおススメを受けてくれた貴女の注文を受けて、揚げる時間をまたずして揚げたてのものが運ばれてくる。
その時点で注文を受ける前から調理が始まっていたこと、
あまりの回転率に作り続けても持て余すことがないほどの代物だと理解できるだろうか。
「ここでこれ作ってる爺さんは夜明け前から市場に躍り込んでその日最高の物を仕入れてくるんだ。
ここの筋肉ダルマ共はこれのおかげで厨房に籠ってるヨボヨボの爺さんに頭が上がらないのさ」
定番故におざなりに造られるフィッシュアンドチップス。
だがすぐに出てきたそれは、フィッシュフライは口にすれば柔らかい衣の香ばしさと、すぐに追いかけてくる程よい塩気、更には魚に肉汁があるのかと思わされるほどに旨味が爆ぜる。
チップス、スライスしたジャガイモはふっくらとした味わいで、香ばしさの二重螺旋が口の中に広がっていく。
そこにエールを煽れば清涼感さえ帯びて、小ジョッキを何故頼んだのか後悔するだろうか。
確かな、こだわりを以て作り上げられて極みを得た凡庸がそこにあり。
■イェン > 「――――何の話でしょう?」
(唐突な礼についつい笑みを零しそうになりながら、返すセリフはしれっととぼけた物。ローブを脱いだのは単に店内が暑く感じたからであり、《寸止め》に終わった出来事などもう覚えていませんと言った風情。ただ、未だエールの一口さえ飲んでいない美貌の白頬に仄かなピンクが滲んだ事までは隠せなかった。そんなやり取りの間に愛想のよい女給が運んできたのは彼のおすすめする一品。)
「なるほど、確かに人気はあるようですね」
(注文を受けてから揚げ始めたのでは到底間に合わぬ回転の速さと、出来立ての揚げ物から香る芳ばしい匂い。きつね色にこんがりと上げられたフライと新鮮なレタスの緑、その脇に添えられたタルタルソースとケチャップの色。決して上品とは言えないワイルドな盛り付けなれど、確かに美味しそうに見えた。ごくりと小さく白喉を上下させつつ、繊手に握ったフォークを白身魚のフライに突き立てる。さくっと刺さるフォークの先。破れた衣から立ち上るほくほくの湯気。タルタルソースを品よく塗り付け、小さく開いた桜色の唇にフライを運び―――)
「……………美味しい」
(もくもくと咀嚼する唇を片手で隠しながらの素直な感想。目弾きの苛烈な双眸が驚きに丸くなり、白頬にほわっと赤みが灯る。雑然とした盛り付けとは裏腹な上品な味付け。そこにタルタルソースのクリーミィな酸味が絡みつく。細めた双眸が日向の猫の様にふにゃりと和らぎ、可憐な唇も自然と小さく綻んだ。)
「―――――っは! んんっ。 …………たしかに少々侮っていた様です。先生の舌は存外正確なようですね」
(子供みたいな表情を見せてしまった事が恥ずかしかったのか、赤みを増した美貌をぷいと背けてエールを啜る。この酒の独特の苦みには未だ慣れぬものの、よく冷えたそれの清涼感は悪くない。続けて食んだフライドポテトも絶品で、カロリーを求める仕事終わりの身体にはいくらでも入ってしまいそう。しゃきしゃきとしたレタスも新鮮で、揚げ物の油分を見事に中和していた。そんな意外な美味との出会いを皮切りに、次いで注文した牡蠣もまた素晴らしく、最後の方は彼の注文した肉料理を横合いからつまみ食いするなんて行儀の悪さも披露して、学生冒険者の初めての酒場料理体験は素敵な記憶としてその脳裏に刻まれたのだった。そんなつまみに引きずられるように、今宵もついつい飲み過ぎてしまった留学生は)
「じゃどーれすっ! こんにゃにおいしーおさかなフライを、レモン汁らけでたべるとかぁ………ぅにゃ!? お、おいしい……っ!?」
(酒精にふにゃけた赤面をずずいと寄せて、エールの匂いの染みた口臭を吹きかけながら、伸ばした人差し指で傍らの男性教師の頬をつつく。偉そうに講釈を垂れてかじったフライの新たな味わいに子猫みたいな歓声を漏らす。などの痴態も晒してしまったりもするのだった。幸いにして酒場の二階に個室を取り、しっかり鍵を掛けて眠りに着く程度の理性は残せたおかげで、取返しのつかない《初めて》を経験してしまう事は免れる事ができたのだとか。)
■コルボ > (なるほど)
ポーカーフェイスの振舞いの中に僅かに帯びた朱から、反応を確かめて実際に次は、などと思い。
「……ははっ。素直な反応だな」
ただただ端的に、衝撃的、というには静かな言葉。だがそこに全てが詰まっていて、
引き締めていた表情がほころぶ様に苦笑して。
「ここに来たらまずはこれって味が大体あるものさ。
意気込むのはいいが、それに目が行かない辺り、ちょっと人生損してるかもだぜ?
まずは店の雰囲気を愉しめ。冒険者にとっちゃ酒場なんて帰る家みたいなもんだからな。」
そんな小言めいたことを言っても、フライとレタス、ソースとエールの織りなす無限に陥った貴女は聞き入れてくれるだろうか。
やがて、その無限循環は酒精を回らせてすっかり仮面を剥ぎ取ってしまい。
「おさかなフライってお前。ほらほら、口元にソースついてるぞ」
そう言って指で唇のソースを拭って舐めてみせても反応はないだろう。
借りてきた猫ならぬ迷い込んで感銘を受けた子猫に、宿をとるように促して、
ひとまずは部屋にまで連れて行って。
(……ま、今日は止めとくか)
今日は、酒の勢いで手籠めにしてしまうのは気が引けて。
それは貴女が初体験の中で愉しみを得た笑みを見たからだろうか。
「ちゃんと鍵かけて寝ろよ? いいな? んじゃなイェン」
そう言って泥酔同然で判断できない貴女の頭を優しく撫でると部屋の扉を閉めさせて。
「……つーわけで、だ。あいつのことはゆっくり寝かせてくれや」
一人の巨漢と廊下に相対して、吐き捨てるようにそう言って。
鍵など壊してしまえばいいという、下世話な類の男を階段まで蹴り落として、
酒の席の余興に口八丁で一対一の喧嘩に持ち込む。
貴女が心地よい眠りについたその下で、大きな宴が繰り広げられて―
ご案内:「平民地区 夕刻の酒場通り」からイェンさんが去りました。
ご案内:「平民地区 夕刻の酒場通り」からコルボさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/歓楽街(色街)」にサマベルさんが現れました。
■サマベル > 「やっぱり、この時間だと余り人がいないですわね。
真昼間からここを通っていらっしゃる人達って、お金のある暇人さんですかしら」
(昼間も昼間から、歓楽街の色街を散歩をしていて人の少なさにこの時間ですと仕方ないですわよねと思いながら道を歩く。
娼館も居酒屋も閉まっていて、ごく稀に空いていても酒の提供より昼食を提供している様子。
もし顔見知りがいたら、声を掛けられるかも知れないと思うものの、なかなか知り合いに会うことも珍しく。
人の少ない少し寂しい昼間の歓楽街を少し珍しげに見ながら散策をする)
■サマベル > (ゆっくりした足取りで、夜に見るのとは違う日の光の下の歓楽街を楽しみながら、どこか楽しげに歩いていて、それから顔見知りに声を掛けられ、昼間からながらも連れ込み宿のようなところへと入っていき、お楽しみに耽ることに…………)
ご案内:「王都マグメール 平民地区/歓楽街(色街)」からサマベルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にコルボさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にルイーザさんが現れました。
■コルボ > 夕暮れ時、男は普段の冒険者然とした出で立ちでなく、それなりの服を着て待ち合わせ場所の書店前に約束の時間よりかなり前から来ていた。
「……デートつってもな」
誘った手前プランはそれなりに考えてきたが、今にして思い返せば、デートらしいデートをしてこなかった気がする。
心のどこかで日常から遠ざかろうとしていたのだろうかと思いつつ。
「まっ、なんとかなるか。この街も良いところは色々あるからな」
腐敗と享楽、混沌が満ちる街だが必ずしも悪徳に満ちた訳ではない。
この街で学ぶ教え子の心を癒すには、色々いいところはあるのだと思いながら、『軽薄に』誘った教え子を待ちわびて。
■ルイーザ > 夕暮れ時に出歩くのは冒険者としての活動中以外はあまりなく。
しかも普段は依頼時以外には身に付けないような動きやすい服装で歩く。
「これって…デートだよね」
以前酒場で話しをした先輩兼教師である男に誘われて受けた話。
後になりデートではと思いはしたが今更に断れないという事で待ち合わせ場所へ。
そうして待ち合わせの書店が見えてくればそこには既に待ち人の姿があって。
「お待たせ、コルボ先生」
そう告げてはにこやかな笑みを浮かべて声をかけていく。
■コルボ > 「今はオフだ。コルボでいーよ」
声のする方を見ればにこやかにほほ笑む貴女を認めて。それに対して気楽な表情で片手をあげて言葉を返し。
「さってどこ行くかな。あ、ここ寄らなくていいか?
小さいけど学院の図書室にない蔵書もあるし、人気の小説も意外とストックある穴場だぜ。」
以前に話していた資料作成の話、それに生徒の間で流行っている恋愛小説等も取り揃えてあると軽く案内して。
「よかったら、街中少しぶらつくけどよ」
■ルイーザ > 「そうかい?だったら遠慮なくそう呼ぶよ」
声を掛けれはこちらを向き気楽な表情を見せる男。
片手を上げて返された言葉、その言葉にそれならと今日は先生と呼ばない事にして。
「行き先は任せるよ、今日はコルボが誘ってくれたしね。
ここかい?学院に無い蔵書は気にはなるけど、今日は良いよ」
きっと蔵書を見始めれば資料作成に気が向いてしまい街中を歩く所でなくなってしまい。
何より異性の前で恋愛小説を買うのも恥ずかしいという事もあり。
「街中を?こんな時間に歩く事はあまりないからね」
楽しみだよと笑えば横に並んでいって。
■コルボ > 「おっ……」
ニィ、と笑う。実際先生や様付けをしなくていいと言っても譲歩してさん付け等の人が多い中、
望み通りに呼び捨てにしてくる生徒、否、後輩冒険者を好ましく思い。
「なんていうかルイーザは、良いところをくすぐってくる感じがあるな。
んじゃ、一人の時に楽しんできな。ああでもたまに、店員含めて人の気配がなくなる時があるから、
その時は気づいたら店の外に出ろよー。
……この店も出来て相当長いらしいからな」
ふと、そんな忠告を投げかけてから、
「ああ、だと思って誘ったんだ。街なんて昼と夜の顔ががらっと変わるもんでな。
そういうわけでルイーザの”はじめて”をもらうことにするかね」
言いつつ、手を伸ばして
「この時間帯マジで人が増えるからな、手ェ繋ぐか?」
これはデートなのだと自覚させられるようなことを言う
■ルイーザ > 相手がそういうならば遠慮をするという事はしない。
それが円滑な交流になると冒険者をやっていれば学んだこと。
実際に男も笑っているので判断は間違っていないと見ては笑い返して。
「そうかな?僕はそんなつもりはないよ。
そうさせて貰うよ、本を選ぶと長くなるから待たせるのも悪いしね。
……此処もそういう所があるんだね、気を付けるよ」
蔵書にどういうものがあるかは楽しみだが、告げられた忠告に眉が動いて。
「僕はこれでも良い子だしね。夜遊びはしないんだよ、可愛い後輩がいたりすると別かもしれないけどね。
その言い方はどうかと思うよ?」
夜遊びをそう言うのは不謹慎では?と呆れた目を向け。
そして伸ばされた手を見れば男の顔を見。
「逸れても困るね。好意に甘えるとしようか」
子ども扱いされている気もするが逸れるよりはと考え。
これは逸れない為と自分に言い聞かせ、それでもデートではと思う動揺を抑えながらその手を取って。
■コルボ > 「前も言ったろ? ルイーザは自覚ないのが良いところなんだよ。
ま、この都も何気に歴史長いし、住んでるのは人だけじゃないからな。たまぁにそういうところがあんのさ」
以前ギルドで見かけた噂の調査という奇妙な依頼を見かけたことを思い出し、
ただでさえ思い出したくない経験をしている貴女へそう説明して。
「なんせ俺は悪い大人だからな。てか可愛い後輩と夜遊びする時点でルイーザもこっち側だろうよ。」
あえて不謹慎に言うのだと笑いながらも、手を取れば絹を扱うような優しさで握り返す。
子供の手を離さないように掴むのではない、貴女がついてきてくれることを信じての繋がり。
「あー、やっぱ増えてきたな」
秋口となって夕暮れから急速に日が落ちて、その中で早めに帰路に就く仕事帰りの住民達が大通りに賑わい出す。
それを当て込んで仕事帰りに夕食を提供する出店や露店も並んでいて、
やがて、徐々に建物に明かりが灯り出し、黄昏時を照らしていく。
夜の街が動き出していく、その瞬間が目の前に広がっていく。
■ルイーザ > 「自覚がないって言われているからね、良い所と言われてもさっぱりだよ。
……そう言う事だね」
つまりはあの書店にも何か存在していると言う事。
説明を聞けば気を付けようと決めて。
「生徒を誘うぐらいだしね、悪い先生だよ。
あくまで例えだよ、可愛い後輩を連れてくる訳ないよ」
本当に悪い教師だと笑い返し、手を握り返されるとびくりとして。
手を握られた事を子供扱いと取ってしまうが、仕方ないよねと納得して。
「この時間は増えるからね。僕も依頼帰りは遅くならないようにしてるよ」
人が多いうえに日が落ちるのが早くなれば人も多くなる。
なので実際にそれを見れば少し眉間に皺が寄り。
しかし日の高い時間に見る事のない出店や露店は珍しいもの。
建物の灯りが増え、夕暮れにその灯りが目立つようになっていき。
「へぇ、こんな時間になれば随分と変わるね」
■コルボ > 「なので俺は一方的にお前の良いところを堪能させて満足させてもらってるわけだ。
だから今日はデートだけどお礼されてるとでも思いな。」
妙な理屈で今日は全部出すのだと、デートの口実を今更投げかけて。
噂についての話はそれ以上は頷くだけで続けず。
怪異に、忠告以上の長い話題はそれだけで縁を造るから。
「ガキみたいに手を引かれるんじゃなくて、繋がってるぐらいがいいだろ?
……指絡めてもいいが、悪い先生とそんな繋がり方してるの見られると
オマエに悪い噂立つといけないからな。
最近俺と繋がってる生徒だからって手を出していいって勘違いしてる男子の眉間殴って回ってるところでなー。
まー、じゃあどうしたら手を出していいかって話もするけど」
悪い先生なりの苦労を漏らしながら、その握り方はデートをする者への信頼の証なのだと。
「ああ。仕事に疲れて料理するのも億劫な奴って結構いるしな。
それ狙いの店も多いのさ。帰る頃には腹満杯ってな。
それで良い生徒の代表は買い食いはしたりしないのか?
ここの串焼き色々あって旨いぜ?」
そう言うと人込みを避けるように露店の傍に移動すると
■ルイーザ > 男の言う事は妙に思えるが今日は出してくれるというのならば甘える事にし。
今は懐事情が寂しいので無理が出来ないだけにありがたく。
先ほどの書店の話しはそれ以上は聞かず。
そういう話しは呪いと同じで聞けば他でも起きると言われているからで。
「僕とコルボなら大人と子供だね。けど気遣いは嬉しいよ。
指なんて絡めて歩いたら恋人にしか見られないよ?そうやって僕をどこかに連れ込むつもりかな?
そういう噂は困るね、何もしていなくても絡まれるのは御免だよ。
そういう生徒はしっかりと躾けておいてくれるかな?」
苦労を漏らす男にしっかりと苦笑を見せ。
この握り方は男なりの信頼の証なのかと思えば悪い気持ちにはならず。
「それは判るよ。僕もそんな時は酒場で済ませるね。
それはまたうまい商売だね、ちゃんと考えてる訳なんだ。
買い食いは滅多にかな、僕がこの辺りを歩く時間だとお店は殆どなくてね」
この露店のがおいしいと聞けば前を通った時にそちらを見て足を止めてしまって。
■コルボ > 「俺は子供でもイイ女は女だって見てるよ。
だろ? それに俺は恋人は作らねえからな。相手の評判に関わる。
俺といい想いしてくれるだけで充分さ」
貴女も気づくことがないほどに、いつの間にか身近な同じクラスの女子が彼と関係を持っていて。
繋がりを持つ代わりに、その身を守る立ち回りは心得ている『悪い大人』は
「躾けるってか、俺のせいで女との付き合い勘違いさせるのは悪いからな。
だからちゃんと同じ男として教えるさ。
年頃だからって、性欲に振り回されてりゃ、今のうちしかできない出会いも失っちまうからよ」
苦笑にそんな言葉を返して、あくまで男としての面倒を見てるのだと言い聞かせて。
「この時間帯だけ店を出して即帰る。コストも時間も効率的に使える。
ある種の文化だな。露店の構造もすぐ折りたためるようになってんのさ。
……おっさん、ブタと鶏とハーブミンチ二本ずつな。ルイーザ飲み物どうする?」
貴女が足を止めれば、一旦手を解いて貴女の肩を抱いて
店の前に近づいてから財布を取り出しつつ。
代金を支払ってから包みを受け取ると、露店と露店の間に移動しながら
「春だと、ゆっくりと暗くなりながら人が行き来してるのこういう店の間で眺めてんのよ。
思い思いの顔してな。観察して、何考えてんのか想像してよ。
……そのうちここで眺めてた女と酒場でばったり出会ったりしてな。」
■ルイーザ > 「僕にそんな事を言っても何も出ないよ。
コルボならよくモテるよね。家庭を持つとこの先も楽しくなるかもしれないよ?
面白おかしい時間を過ごせればいいんだね」
色々な噂を聞きはするがこうして話していればそうは思えない大人の対応。
しかし前回の後に確認をすれば数人は関係を持っている事が判り何とも言えない気持ちにもなっていて。
「どうしてコルボと一緒に居た子が自分と持って思えるのかが理解に苦しむね。
そもそもにそう言う事に気が付くのは性欲に振り回されないよ」
男の言う事は最もだな、気が付いて居ればそうならないと返し。
本当に面倒を見ているのだなと関心をして。
「それは良いね。僕もそれで稼ぐのも悪くはないね。
そういう風に出来てるのか。良く考えているよ。
飲み物?そうだね……果実水があればそれで頼むよ」
手が離されたと思えば不意に肩を抱かれ顔を赤く染め。
そのまま店の前で注文をする間大人しくなってしまい。
注文を受け取り移動をする間は一言も発さずにいて。
「こういう場所だと目立たずに見る事が出来るからかな?
僕は観察は出来ても何を考えているかまでは想像できないね。
その時は手を出す訳なんだ」
その言葉に悪い大人ですね、というように呆れた目を向けてしまって。
■コルボ > 「何も出なくてもいいさ。どう思うかは俺次第だしな。
家庭かー。家庭はなー、一つ所に留まるのがノらないからな。
面白おかしいっていうか、お互いが満足するような時間だな。
一方的にすんのもノらねえからな」
関係を持った生徒達に、共通点はない。心に傷を負う者、ただ強くある者。
貴女に接したように気遣うだけでなく、本当に満足し合える相手と繋がりを持っているようで。
総合すれば、節度を持ちつつ、いざとなれば自分に全ての責任を引き寄せられる立ち回りでもあって。
「俺といる子が誰とでもヤれる、チャンスがあるって思うんだろうよ。若さだろうなー。
でもそれは良いきっかけだと思う。そんな突っこんだこと教える大人なんてそうそういねえしな。
後フォローがてらにまたヤれるし。
でも理解に苦しむってことは、俺はただヤッてるだけの男じゃないって信用し始めてんだな?」
嬉しそうに笑う。話すうちにこちらを見てくれていることを喜ぶように。
「んじゃあ果実水とハーブティ頼むわ」
簡易容器で飲み物も受け取りながら二人で人通りを眺めていて。
「そうだよー、悪い大人だよー。手を出した後に色々想像してたことを話題の一つに話したりしてな。
……さっきの男子達な、手を出す前と後、ちゃんと手を出して終わりじゃなくて会話でも満足させろよって言ったら
しばらく手を出さなくなるんだ。でもいずれ動くようになる。
手を出す為に、会話しないといけないから相手のことを考えるようになる。
相手のことを考えて、いいなと思った人にちゃんと会話して手を出す。
男子は馬鹿だけど、考えがないわけじゃない、どう考えて動いたらいいか、経験と足掛かりがないだけだよ」
その中で自分が食べてる串を『あーん』させようと口元に近づけて。
■ルイーザ > 「そこ恩着せがましくしないのもいいね。
コルボなら良いお父さんになれるんじゃないかい?
そっか、なら仕方ないね。君は一か所にとどまれないならそうなるね。
噂は色々と聞くけどさ、いい男じゃないか」
色々な生徒と関係を持っているという噂で関わるのはという思いはあった。
しかし話を聞いて居ればどういう基準で手を出しているかは判らないが手を出された生徒からの評価は悪く無くて。
「そこが子供なんだろうね、そうなるには理由があるのが判らないんだしね。
そうだね、この街だと教える大人が少ないだろうし良い事だね。
……その一言がなければいい話しで終わるんだよ?
実際に話しを聞けばそうも思うようになるよ」
嬉しそうに笑う男を見れば本当に面倒見のいい大人にしか見えず。
肩を急に出された事には驚いたが悪くは思えずに。
そして男が追加で注文した飲み物、自分の分を受け取って口を付け。
「それはそれで戸惑ったりしないかな?
話しをきっちりとするか……確かにそう言うのは大事だね。
悪い大人じゃなくて、いい大人にしか聞こえないよ。
コルボ先生と話した生徒はちゃんと考えれるようになってるから立派な先生だ。
その経験を積む機会がないんだよ。何しろ真っ当な大人が少ないのが問題だね」
模範になる騎士が既にと呆れ顔になり、口元に運ばれた串を反射的に口にしてしまい。
口にしてからそれが男の食べかけと分かれば、何をするというように睨んで。
■コルボ > 「家庭作って子供出来たとして、俺の子供ってだけで虐められそうじゃん。
やーい、お前の父ちゃんナニナニーみたいあれ。
良い男だよ実際。つまむだけの男にゃならないしさ。
噂も多分大体本当だけどな。
……逆に噂のほうがしょぼい時あるんだけどアレ何なんだろうな。」
たまに実際に手を出してる数の半分くらいの噂を聞いていて。
……案外他の女生徒達が緩和でもしていてくれるのか。
「ま、この街はそういう街だからな……。無理やりやるのが当たり前、みたいなな。
その後は続かないのになー、もったいねえ話だよ。
じゃあ、着飾って口先だけの言葉を並べ立てた方がいいか?
そうしたら、俺はお前みたいなイイ女に嘘を教えることになんじゃねえか。
確かに手を出したいが、そうならなきゃ、それはそれでいいのさ。
お互いを知ってってな」
実際は媚薬盛ったりもするのだけれど。
それはそれで合意の上であるし、後々合意に持っていく。若干いい格好していたりする。
「直接見てたって話はしねえよ。会話に織り交ぜて答え合わせしてるだけさ。
立派じゃねえよ。俺がやったことが無駄になるのが嫌なだけだ。
それに前も話したろ? 学院から契約受けてんだ。きちんと仕事するさ。」
仕事とはいえ、生徒達の将来やアフターケアは入っていないはずだが。
男は少なくともそう嘯いて。
「ははっ、間接キスだな」
にらまれれば悪びれた様子もなく
■ルイーザ > 「そんなのは何処でもある事だよ。僕だって武器屋のって言われた事はあるんだよね。
でもさ、コルボの子供なら強い子になりそうじゃないかな?
最初は胡散臭いって思ってたけどね、今はそうでもないよ。
噂に関しては何とも言えないね、いいように言う子もいるからさ」
男の事を聞けば悪く言うのは男子が多く、女子はそう多くはない。
逆に良い様に言う女子すらいるので、しょぼいと言われても判らず。
「油断をすると襲われるからね。自衛できないと危険だよ。
それは性欲発散目的だからじゃないかな?
僕はそう言うのは嫌いだし、そういう輩の嘘は判るんだよ。
だからね、嘘を聞いても信じないし、悪い大人って思うだけだね。
何か意外だね、そう思ったらそう持っていくと思っていたよ、失礼かもしれないけどね」
悪そうな見た目に反して実はこの街では珍しい紳士系ではないかともい始め。
お互いを知ってという言葉にはむしろ好印象すら持ってしまう。
「直接言われたら普通に怖がるよ、でも…そう言うのは経験豊富でないとできない事だよ。
理由がそうだとしてもさ、無駄にしない姿勢が立派だよ。
契約をしているのに手を抜く教師も多いからさ。
……僕の初めてを安く持っていくね」
男の話を聞きやっぱりいい人だと思い気を抜いてしまい。
抜いてしまった結果、間接とはいえ初キスを奪われた事を恨めし気にみてしまって。
■コルボ > 「その時に、俺が子供の傍にいるとは限らないからな。」
ふと、そんなことを言う。
「……学院でも結構貴族の子供に喧嘩売ったりツバつけてるからなー。
つるされたカラスがカラスに突かれてるなんて笑えねえがな」
不意にそう言ってケラケラと笑い。
実際、悪く言う男子は女を取られた貴族とその取り巻きが多いようで。
「本当に、俺の見る目は間違ってないって言うか、イイ女に恵まれてるよ俺は」
噂の方向修正をしてくれている女生徒の話を聞けばどこか申し訳なさそうな笑みを浮かべて。
「まー、俺も相手次第だけどなー。だからそう思ったら相手次第ってか、
そうだな……、襲ってでも手をつけたほうが正解な相手もいるからな。
ま、周囲から見れば襲ってる時点で不正解なんだろうけどなー。
それに俺、媚薬も使うよ? 薬を盛ったりな。
初手がそういうのが良いって言う相手もいるからな、そう踏んだら動いたりするよ。
日常からちょっと離れた危ない遊びは誰だって好きだろ」
強姦でも快楽で染め上げてしまう手管、それは危険も恐怖もなければ、信頼を伴うプレイになってしまい。
「そうか? 相手見ながら話してたら割と簡単だぜ?
つか、ルイーザも多分出来んじゃねえかな。いやピロートークってわけじゃなくて。
あのなルイーザ。一つ勘違いしてるかもしれねえが、契約は絶対だぞ。
そういう内容だと思っていませんでした、は、書類にサインした後じゃ通用しねえの。
冒険者も商売も、信用第一。契約はその最たる例だ。
契約しても手を抜く教師がいても、それはそれ。これはこれだ。
自分の仕事にはプライド持ちな。妥協していく奴はどんどん転がり落ちていくだけだ。」
頭を軽く撫でて
「どっちかっていうと、ルイーザはそういうのやってくれそうに思うからな。
だって立派なんだろ? だったらお前も立派な奴になるんだろうよ」
イイ女だというのは、将来を踏まえてそう見ているようで。
「なんだ、そっちは初めてか。こりゃいい。
やすかねえよ。他にも色々奢るからさ」
言いながら食べ終えて、飲み物も飲んでしまえば貴女の手を取って
「公園でも行ってみるか? 展望台に連れて行きたくてな」
■ルイーザ > 「それは冒険者にはある話しだね。
僕としてはそれを平然とできるのが先ずすごいと思うけどね。
コルボはそうならない気がするよ」
いつ何が起きるか判らないのが冒険者、その言い方はずるいと言い。
貴族に喧嘩を売り、手を出す時点で色々な意味で大物だと呆れ。
そう言う事を出来るならそうはならないだろうと言い切って。
「見る目が確かなら色々と役に立つというね。
僕は良い男に出会えたことは……どうだろうね」
男にはそういう相手が集まるのではと思ってしまい。
果たして自分にはそういう相手はと考えて。
「その相手を見極めてるならいいじゃないかな?後は相手と話すしかないね。
それに感じては僕は何も言えないよ。襲ってる時点でだしね。
……参考までに聞くけど僕にはもっていないよね?
何と言うかね、コルボは知り合いの幅が博義ないかな。
僕はそういう遊びはパスするよ」
無理やりという時点で嫌悪感が沸いてしまい。
それと同時にある事を思い出して身震いをしてしまって。
「僕もそうしているけど、君ほどうまくできる自信はないよ。
出来なくはないと思うけど、難しいかな……そういう話しはしてないよ。
それはよく判っているよ。僕だって武器屋の娘だからね。
契約は守るのが当然の事だ、守れないと信頼を得れないよ。
僕としてはプライドを持つのは尊敬するし、無いのは軽蔑するね」
そうは言うが頭を撫でられると子ども扱いかと微妙な顔をして。
「僕にできるかな……ちょっと自信はないけどね。
その言い方はずるいよ、そう言われるとやるしかないじゃないか」
男の言葉に苦笑し、そうなるよと告げて。
「その食べ物で誤魔化すあたりが安くないかい?」
そう言いながらも食べ終えては串を男に押し付けて。
公園、展望台にと言われては黙って頷いて。
■コルボ > 「そうならない、ってのは冒険者にはないよ。
それを思ってる奴から死んでいくからな。
そうならないように、とギルドが依頼の流れの仕組みを作っても減らないしよ。
貴族に関しては、まあコツがあるからな」
貴族は単体相手では恐ろしい、が、対抗勢力と繋がっていれば話は別で。
グランツ。多くの貴族をパトロンに持つ学者貴族と繋がりがある男は全てを明かさず
「え、俺イイ男じゃねえの?」
これからよりもまず今、自分だと言わんばかりに顔を覗き込み
「ルイーザには盛らねえよ。お前はそう言う相手じゃない。
それに俺が盛る時は周りから邪魔が入らない状況だってお前には教えておくよ。
冒険者やってたら自然と広がるものさ。ちゃんと生き残ってこの稼業続けてたらな。
ルイーザも冒険者の人脈広げて、武器屋継いだら客も繋がると思うぜ。」
少し抵触した感触を受けて、話題を修正しながら。
「でも、守れない、ある程度満たしてなくても当然、みたいな奴が多いのも現実だからな。
難しいもんだ。
そう言う意味じゃお前とそう言う話すんの、なんか安心すんのよ。」
頭を撫でられて反応が良くなければ自分の手を見て
「食べ物でかー、でも美味しいものや美味しい時は教えてるつもりだぜ?」
などとはぐらかして、公園に向かって展望台に向かう。
少し長い階段を上って、生け垣の向こうに広がる夜景。
目を奪われる、というほどではないが、そこには都の生活が織りなす明かりが無数に灯っていて。
「……夜にここにきて、酒を一人で飲みながら眺めてんだ。
あそこにあいつが住んでる、あの店のおっさん元気かな。
お嬢相変わらずぶっとんでんのかなってさ。
……ここから見える、顔も知らない奴の助けに、俺等の仕事がなってんのかね、とかよ」
■ルイーザ > 「それこそ簡単な依頼しかやらない人は除いてね。
変な自信を持ってる人ほどそうなるよ。
自信を持つと守らなくなる人が多いからね、あれはさ。
コツは気になるけど聞かないでおくよ」
男の言う事はまさにその通りで頷くしかなく。
コツがあると聞けば気にはなるが聞かないでおこう、関わらない方がいいという考えで。
「そうだね……いい人かな?」
顔を覗き込まれると驚き一歩下がり、いい人だと言い切って」
「それならいいよ。僕も安心できる。
周りに邪魔が入らない時だね、覚えておくよ。
今でもそれなりには広がってるんだよ、時々にパーティーを組んだりするよ。
そうだね、何れは継ぐよ。そうなったら今よりも人と繋がるね」
男の言葉に確かにその通りだと頷き。
今ではおぼろげにしか考えていなかった先を考えるようになり。
「僕にはまだ考えたくはない話ではあるね。
そう言って貰えると嬉しいけどね、僕じゃ何も言えない事も多いね」
男に撫でられては微妙な感じはするが悪い気は無くて。
「そうだけどね、それで初めては安くないかな?」
安いよねと言いながらも公園、展望台へ。
長い階段を昇れば生垣の向こうに広がる夜景と街並み。
そこに見える灯りは本当に綺麗に見えて。
「こんな風に見えるんだね、知らなかったよ。
あそこは僕の実家かな……やっぱりコルボは凄いよ。そんな事を考えているなんて」
夜景の綺麗さに生け垣の方へと近寄り、フェンスに身を預けて乗りだすようにして街並みを眺め。
男の告げる言葉にやっぱりあなたは凄いよと振り返って告げて。
■コルボ > 「簡単でも生きてる方が勝ちなのさ。簡単な依頼でも外に出る。
その中で自ずと熟知することがある、生きて経験を積むってだけで強みだからな。
ほんとに色々頭が良い奴だな……。
俺は必要だから色々やるが、本来手広くなんてやるもんじゃねえからな」
全容を知らずとも何事かを察して。その聡明さを認めてはいるだけに
どうしても気にかかってしまうし、
「イイ人カー」
すげなく投げかける言葉にちょっと傷ついたように
「そうそう。部屋に二人だけとかな。ああでも酒場で人がごった返してる時とか、
人の目が向きにくい心理的な密室の時もはいるな。」
自分が薬を盛る状況を通して、何かに警戒しないといけないことを口頭で教える、半ば課外授業めいた口ぶりで。
「んだな。駆け出しの内はきちんと周りと繋がってけ。
駆け出しから抜けてもソロってな、組むタイミング失っちまうしな。
……先を考えて、見据えてりゃ、一人で考え込むなんてこと、暇がなくなっちまうがな」
前を、どこか先を見据えるような雰囲気を帯びて、少しだけ安心したように
展望台で貴女の隣に立ちながら。
「仕事ってな実感があってなんぼだろ? 仕事してお前も生きてる、依頼した奴も生きてる。
いずれ積み重ねてふと実感が湧くかもしれないがな。
でも、誰かに受けてより、自分でそれさえも掴み取っちまえば、自分の意志で立てるように、動けるようになる。
さっきの簡単な依頼でも、この街のどっかに広がって役に立ってんだ。
それは、お前の仕事もだルイーザ」
振り返って言葉を返してくれる貴女の頬を撫でて。
「だから、仕事に出る時は、依頼を果たすより帰ってくることを第一にしろよ。」
この夜景を見る為に、誰かの役に立つために、一人の冒険者として、依頼という契約をこなす者として。
先輩は後輩に成果よりも、その身を案じて。
■ルイーザ > 「それは否定しないよ、難易度が高い依頼はどうしてもね。
経験を積んでいけば何ればベテランになれるね。
危険を避けているだけだよ。
僕は手広くはやらないね」
きっと聞けば結果的に面倒ごとを背負う事になる。
それならば聞かない方がいい判断して。
「そうだよ、いい人だね」
でも嫌われるよりは良いよね?と笑みを向け。
「ならコルボとはそういう環境では気を付けるよ。
気が付いたら一緒にベッドはどうしていいか困るしね…」
例えを告げられると冗談を交えて返し。
もし本当にそうなればどうなってしまうか自分が判らず。
ただ内容は必要な事で真面目に聞いて。
「最低限はそうしているよ。仲良くなりすぎると面倒な人も居るから人を見てるんだよ。
それは否定できないね、だからどうしても単独行動をしてしまうから。
耳が痛いね。でもそうだね」
男の言うとおりに先を見ていれば一人で悩むのはやっている暇などなく。
そうなれば自然と誰かを頼る事になり、隣に立った男に目を向け。
「実感のない依頼はつまらないね。それが両方揃えば最高だね。
僕は常に実感をしているから大丈夫だよ。
それはそうだけどね、僕はそこに立てているか不安なんだよね。
役に立たない依頼はないって事だね」
自分の仕事もそうだと言われると嬉しくなってしまい。
「判っているよ。ちゃんと帰って来るよ」
頬を撫でられると目を閉じて頷き。
男の言葉は自分の胸にある靄を減らしていき、身を案じられる事に完全に気を許して。
■コルボ > 「……だな。お前はそれでいい。」
だというのに、貴女は心に深い傷を負った。
ただのゴブリンであればそうならなかったかもしれない。
だが、個人的に後から調査すれば、相手はマグゴブリンだったという。
ゴブリンよりも小柄な分、悪意も狡猾さも格段に違う、こと集団戦においては
ゴブリンよりも圧倒的に警戒すべき種。
「悪い大人って言ってんのになぁ。綺麗な予防線張りやがる。」
ソウダネーとどこかうつろな声を返す。それも演技なのだろうが。
「気が付いたらベッドにいたら多分お前腹くくるんじゃないか?
それに俺そこまで持ち込めたら嫌われない自信あるし」
軽く手をワキワキさせながら
「まー、何事もほどほどにな。
ああでもお前に惚れこむ女は大切にしろよー。
後は俺とか頼れよー。先生で先輩だからなー。」
軽々しく、距離が近くなってきたところで肩を叩きながら。
「そっか。ならいいんだけどな。
俺は、たまに見えなくなる時があるからな。だからたまにこういうところに来てる。
その分お前は俺よりしっかりしてるよ。
ちゃんと、お前は仕事と向かい合えてんだ。」
頬を撫でながら、肩を引き寄せて、少し寒くなってきた風が吹く中で抱き寄せて。
「ああ。また俺になんか奢らせろよ。
……そうだ、さっき食べ物だけで安くないかって言ってたな。
お古で悪いがこれもってけ。」
そう言うと、貴女を離しながら小さな指輪を一つ取り出して。
「事前に魔力を充填しておけば三回まで任意の方向に魔力盾を一枚張れる。
あまり強い攻撃は防ぎきれねえが、クロスボウや投槍くらいなら捌ける。
使うのは戦闘じゃなくて逃げる時に絞って使え。」
そう言って、貴女の手に古めかしい指輪を握らせるだろう。
■ルイーザ > それで良いという男の言葉に小さく頷く。
大変な目にあった経験からそう言う事には敏感になり。
今まで受けていた依頼でもゴブリンが出そうな物は避けるようになっていて。
「悪い大人はここまで面倒は見ないものだよ」
虚ろな声で返す男、それも演技だろうが笑いをこらえるのに必死になって。
「そうなれば流石に僕でもね。
もしコルボが僕をベッドに連れ込めたらね、好きにする権利を上げるよ」
手をワキワキとさせる男を揶揄うようにそう返し。
腰を軽く揺らして見せて。
「判っているよ、何事もほどほどにだね。
僕に惚れるような子は大事にしてあげるよ。
そうだね、頼らせてもらおうかな」
男なら頼っても良いかなという気持ちが起きれば素直に頷き。
肩を叩かれると冗談っぽく、痛いよと告げて。
「僕はまだ新人だからね、そう言うのには敏感なのかもしれないね。
コルボはここに来て見えるようになるなら大丈夫だよ。
そうだといいんだけどね……ぁ…」
頬を撫でられ目を閉じ、肩を引かれたと思えば抱き寄せられ目を丸くして。
「そんな事を言うと財布を空になるまで奢って貰うよ。
乙女の唇を簡単に奪った君が悪いんだよ。
これって……?」
それは冗談のつもりだったが離され指輪を渡されるとしげしげと見て。
「これってかなり高い魔導具じゃないかい?
こんなに良いもの……そうさせてもらうよ」
貰えないと言おうとしたが、男が心配してくれたものだと思えば断れず。
握らされた指輪を指にはめて。
■コルボ > 「面倒? イイ女の気を引こうとして何が悪いんだ」
肩を竦めて見せて、歯に布着せずそう返して。
「……へぇ。言ったな? 約束だからな?」
好きにする権利、と言われてニィ、と笑ったところで
「いや。まてまて。好きにするも何もお前の場合そこまで行けたら約束しなくても許すだろうがよ。」
流石に性分は分かってると言いたげにしながら軽く肩を叩いて。
「そっか、大丈夫か。お前が言うなら、俺もまだ大丈夫か。
……そうか……。
ま、俺がここに眺めに来てたの、覚えててくれや。」
どこか、穏やかな表情でそう呟くと、そんな言葉を投げかけて。
「……いーよ、そもそも俺の財布が空っぽになる金の使い方覚えたら、
それはそれでお前のことを一人前だって認めてやらぁ。」
腕の中に納まってくれた貴女の言葉を受け止めて、渡した指輪を受け取ってくれれば。
「無銘遺跡で拾った奴だな。まー、確かに当たりっちゃ当たりだし助けられたけど、
今となっちゃ撃たれる前に仕留めるか逃げるしな俺。
これでお前の唇を奪ったのは安くなくなったんだが、
……一度奪われたんだ、他の奴に無理矢理奪われる前に、俺にもらわれてみないか?」
再び、頬を撫でて、そんなことを囁いて。
それでも、回した腕は離していて、無理やり、などということはしないのは貴女も理解しているだろう。
■ルイーザ > いい女と言い肩を竦め、そういう男に物好きという顔をして。
「君に出来るならね?
僕をどう思っているのかな?僕はそんなに軽い女じゃないよ」
約束という男を挑発するように笑い返し。
しかし続いた言葉にそんなに軽くないと肩を叩く男を睨んで。
「僕よりも経験があって人に気を使えるんだよ、大丈夫に決まってるじゃないか。
憶えていていいならずっと覚えているよ」
男の言葉に顔を見れば穏やかな表情、それを見ては頷いて。
「言ったね?直ぐに空にしてあげるから覚悟しておくといいよ」
不意に抱き寄せられたせいで抵抗も出来ず、しようとせずにいて。
「それを出来るが凄いことだって自覚はあるかい?
けどコルボが助けられたのなら効果はしっかりとあるみたいだね。
これは今夜のお誘いかな?」
再び頬を撫でての言葉に男の真意を確かめるように見つめ。
逃げる訳ではなく、どうなのかと問うようにみて。