2022/09/29 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にダークネスさんが現れました。
■ダークネス > 「……これは酷い。」
平民地区の大通り。
本日は早々に閉めたらしいお店の軒下。
本日も仕事帰りなのだが、宿泊を予定している宿に行く前に急に強めに雨に降られて現在絶賛雨宿り中である。
自慢の黒髪はぬれてべったりと、シャツも随分と雨を吸ってしまい是も肌にべったりと張り付く最悪の状況であるが、幸いな事に黒いシャツは雨にぬれても透けずに済み、痴態を晒さずに済んでいる。
「……っと最悪だな………。」
シャツの袖を両手で握り雨水を絞りながら愚痴をこぼし、雨が止みそうにもない夜空を見上げて、ため息を吐く……。
此処から宿泊予定の宿までは歩いて30分は掛かる場所にあり、濡れながら宿に駆け込むにはちょっと距離がある。
吸血鬼らしく蝙蝠になるにしても雨粒で落とされそうであるし、雨脚が弱まるか雨が止むまで暫く此処に足止めであった。
絞れば絞るほど水が滴るシャツ。
自分が思っている以上に雨水を吸い込んでいるようだ。
表情はもう笑うしかないという諦めの笑みである。
■ダークネス > 待てど暮らせど雨脚弱まらず雨止まず。
けど、踏ん切りつけて雨に打たれながら宿を目指す気にもなれず、仕方なく雨宿りを続ける事にする。
しかし、本当に急な雨。
普段なら雨の匂いで幾らか予測がつけられたのだが、今夜の雨は香りで捉えられず、急に降られて濡れ鼠……。
「………ついてないなぁ…………。」
夜空を見上げたままぽつんと再び独り言。
表情を少しだけ雨雲広がる夜空の如く曇らせて、シャツをほんの少しだが絞り終えて手持ち無沙汰になった両手で濡れた黒髪を前から後ろへと流し、濡れた髪から水分を梳き流すのだった。
あまり効果がないのは百も承知だが、することも特になく何となくで、こんな時に限って軽装での仕事だったので、タオル一枚持っていやしない。
■ダークネス > 流石にこれ以上は此処に居ても風邪をひくだけ。
風邪をひけばひいたで風邪が治るまで仕事も出来ない。
つまりは収入ゼロになって宿を追い出される可能性すらある。
どこか知り合いの家に転がり込む事が出来るほど知り合いもなく、此処はひとつ――…走る事にした。
「…………行ける行ける…行けるよね??」
後天性の吸血鬼。
アンデッドに片足を突っ込んでいるのだから、冷静に考えれば風邪などひくわけが無いのをすっかりと忘れ、大きく息を吸い込んで肺一杯に空気を溜め込むと、お店の軒下から走り出す。
目的地は走ればここから15分程度の場所にある宿。
雨水でよくすべる地面に足を滑らせなければ無事宿につくだろう、ついてからきっと自分が吸血鬼だと思い出して、別に慌てる必要が無い事を認識するだろう。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からダークネスさんが去りました。