2022/08/23 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にマヨリカさんが現れました。
マヨリカ > 人通りのある大きな道の片隅。路地裏へと差し掛かるあたり。
街灯の近くに立って行きかう人だとか、人以外の気配のする人影をぼんやりと眺めて。

「…ここ、どこなんでしょうかね…。」

ぽつりと呟き、首を傾けてみる。
街道から人気のある方を目指して歩いてはきたものの、そろそろ足も疲れてきた。
サンダルの足元で軽く敷石の煉瓦を擦って、眉を寄せる。
食事できる場所を探そうか、それとも寝床が先か――と。

「そもそも、あまり所持金も…」

仕事場に出勤する途中だったから、辛うじて着の身着のまま、という状態ではないけれど。
財布の中が心許ないのもまた事実。
はぁ、と溜息をついて手近な生け垣に腰を下ろす。
夜半に当てもなく立ち竦んでいれば客を拾いたい夜鷹と勘違いされてもおかしくないかも知れないが、そこまで思い至っていないらしい。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にクレイさんが現れました。
クレイ > 「ふぁーあ」

 酒を飲んだ帰り。別に酔っているわけではないが、夜風に当たりながら今夜の宿を探す。
 最近はあまり貧民街に顔を出していない。どうしてもラジエル学園関連の仕事を終えてからだと平民地区や富裕地区になってしまうから。
 そんな事を考えながら歩いていると前に見える女性の姿。こんな時間に歩いている、あんな場所で立っている。ピンと来て。
 そっちに歩いていく。

「よう、こんな場所にいると色々と危ないぜ。それか、客引きか何かか?」

 そっちに近寄ればそんな事を言いながら手を振るう。
 腰に剣をぶら下げていながら着の身着のままのような風貌。兵士などではなく傭兵だと知らせるには十分だろうか。

マヨリカ > 「…ぁ。」

色々と思案に暮れていれば、間近に人の影。
足音に気づかない程度には疲れていたらしい。
声に顔を上げて、がっしりとしたその人の体躯にびく、と肩が跳ね。
腰にかけられた剣に、兵士にでも見咎められたのだろうかと思うもそうでは無さそうな雰囲気で。
強張った表情を少し緩めて首を傾け。

「御心配いただいてありがとうございます。
えぇと…この辺りに寝られそうな場所ってありますかね…?」

というか、他にも色々聞くべき事はあったのだろうけれど。
考え事をしていたからなのか口をついて出てきた第一声はそれで。

クレイ >  
「あーん? 寝られそうな場所?」

 宿屋巡りが趣味の男色々と考える。
 とはいえ、まずその前に知る事がある。

「それを答えるには色々と聞く事があるわけだが。そもそも手持ちいくらよ」

 タダで宿に泊まれるわけがない。手持ちがいくらか知らないとそもそも教えようがない。
 というと壁にもたれかかり。

「他にも飯の有無とか、、相部屋でもいいとか、安全性とか。色々と条件次第だぜ? 寝るだけならその辺の宿でもいいが……まぁ、安全は保障できねぇな。安全な場所が良いなら最低でも……70ゴルド位じゃねぇか? 戦闘能力あるなら50ゴルドくらいでいけるかもしれねぇが……」

 上から見て、下を見て。
 どうみても戦闘向きじゃねぇよなぁなんて目線を。

マヨリカ > 「ですね…。失念しておりました。」

一応は手ぶらではない…にしても。
普段着そのまま、といった風貌では財布の中身も知れている。

存外に詳しく答えてくれる相手に息をつきつつも、
もたらされる情報に、う、と声を詰まらせて。

「宿屋さんって70ゴルドも掛かるんですね…。」

財布を振ったら銅貨が数枚落ちてくる…という素寒貧ではなかったけど、
70ゴルドには程遠い財力なのが見て取れる表情で眉を下げて。
お察し通りに戦闘では、的も同然のような身体能力。
野宿…はさすがに兵士に連行されるだろうか。

クレイ > 「安全な所ならな、護衛とかも雇ってるし」

 それこそ自分はむしろ護衛として宿に雇われる側。なので経費とかはある程度把握しているわけで。
 それからそっちに目線を軽く向けて。

「ま、あとはそれこそ対価を払ってその分の宿代を浮かせるって方法だな。それなら飯もついてかなり良いベッド。それこそ200ゴルド単価の宿だろうと泊まれるだろうさ」

 支払い方法はご自由にと肩をすくめて見せる。
 それを相手が乗っかるかどうか。それ次第だから。

「にしても、金がないって、旅でもしてきたのか?」

 実際、家もない金もないというのは色々と珍しいわけで。
 旅をしてきてたどり着いたけど金がない行き倒れというのが頭をよぎった。

マヨリカ > 「なるほど護衛さんがいる宿なら安全ですね。」

普段滅多と――というより宿に泊まった事も無かったが。
知った顔で頷いておく。


「うぅん…野宿という訳にも参りませんものね。
お仕事、探さないとです。
お兄さんが雇って下さったり…するんでしょうか。」

歳が近そうにも、そうでもないようにも思える相手をお兄さん、と呼ぶのも如何かとは思ったが、名を知らないもので。
やはり下がった眉はそのまま、落ちた目線が上へと向いて。戸惑いつつ首を傾ける。

「自分探しの旅、とでも言えれば恰好良かったのですが。
実は天災に巻き込まれてしまいまして。
お昼頃、平原らしき場所に落ちてから歩いて来たんです。」

クレイ > 「そりゃまた随分災難だったな。無事で何よりだ。そのまま死んだり、生き残っても魔物の餌とか。そういう可能性も十分あっただろうに」

 むしろそうならないということは何かの特殊な能力持ちなのか? なんて首を傾げる。
 しかしその後の言葉。雇ってくれるという言葉を聞いてアッハッハッと笑って。

「対価って意味わかって言ってんのか? まぁ俺は歓迎だが。そもそも、客引きだと思って声かけた訳だしな」

 意味を完全にわかってないで言ってる可能性がある。
 壁から体を話して、正面に立つ。

「対価って、つまりは1発やらせる代わりに宿代出してくれって奴だぜ? まぁ、それ以外に特技があるってなら。話は別だが」

 そもそもそれなら70ゴルドも無い。なんて事にはなっていないはずだ。
 首を傾げて。

「で、どうするよ。俺も来たばっかりの奴を無理やり襲うのは気が引けるし。嫌ならやめとくが」

マヨリカ > 「ええ、不思議な事に少々の怪我程度でどうにか――」

魔物と死闘を繰り広げて辿り着いた訳でもない様子。
単に運が良かったのか、何らかの力が働いていたのか本人も解っていないまま、緩く頷く。

そんなぼんやりとして見える様子から、話がそも通じていないのではと危惧もさせるかも知れないが。

「ぇ…あ、客引き、のつもりではなかったのですが。
はい…。よろしければ、お願いします。」

明け透けな言い方にけほ、と咽せて咳き込み。
今のこの状況で態々声を掛けて貰ったのだから頼ってしまっても良いだろう、と。

「ぁ…申し遅れました。
わたし、マヨリカっていいます。」

立ち上がって視線を向けると随分と高い位置にある顔を見上げて。
こういう時は名を訊くのは失礼なのだろうか、と迷うような視線。

クレイ > 「なんか不思議な守りが働いたのかもな」

 ホント運の良い奴だなんて言う。
 とはいえ、自分に捕まってしまうのだからそれはそれで運がいいやら悪いやら。
 相手が乗り気になればニヤリと笑って。

「了解、じゃあ行くか。さっき200ゴルド程度の良い宿って話したし、この辺り1の宿に案内する」

 せめてもの無事祝いだ。なんて中々に最低な言い分を言いながら、歩き始める。
 こっちだ。と案内する先は路地裏の外、つまりは平民地区、その中でも富裕寄りの場所で。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からクレイさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からマヨリカさんが去りました。