2022/08/21 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区『大通り』」にマーシュさんが現れました。
マーシュ > 街中にある修道院への使いを終えた帰り道。
石畳の床をブーツの靴底が叩く靴音も、人いきれの中に紛れて消えてしまう。

活気というべきか、熱気というべきか。
長い髪はすべてウィンプルに包むようにして覆い隠され、その被り布の描くドレープが額から肩へ、そして背中へと一つの流れを描く。

白皙の額に汗は浮かんではいないものの、やはり暑気は少々答えるもので、どこかで休憩を挟んでから帰ろうか、とわずかな思案を巡らせている。

人の多い路地をそれでも選んで歩いているのは、土地勘がないことと、先達の教えに従っているからでもあるが。

活気や熱気に少々人酔いしてしまいそうな気配を感じて、雑踏から抜け出すタイミングを計りつつ、歩を進めていた。

そんな己の耳にも、呼び込みの声などは聞こえてくるし、にぎやかなこと自体を忌避するわけではないのは、時折呼び込みの声に視線を巡らせて物珍しそうに目を細めているところからも明らかだった。

ご案内:「王都マグメール 平民地区『大通り』」に肉檻さんが現れました。
肉檻 > 夏の暑気と人々の熱気に包まれた大通り。
其処に立ち並んだ数ある露店の内のひとつから、道行く修道女を呼ぶ声が掛けられる。
もしその声に気が付き視線を投げ掛けたのならば、別段特色の無い小さな露店が視界に映るだろう。

佇む店主は目深に被ったフードの所為で容貌を伺えず、
陳列された商品は何れも他愛の無い調度品や装飾品ばかり。
唯その中で、大人の拳程度の大きさをした真球の透き通った水晶玉がひとつ、
目にした者の興味を惹こうとするかの如くきらりと妖しげな煌めきを放って居た。

マーシュ > 「────私、ですか?」

己を呼び留める声音に、ふ、と視線を向ける。
はたしてそれまでそこにそのような露店があっただろうかと首をかしげたくはなるものの、足を止めて、言葉を向けた。

フードを深くおろした露店の店主は、己を呼び留めたもののそのまま何を言うでもなく陳辣された商品を見せてはくれるものの、己にはどれも不釣り合いなもののように見えた。

「……?」

不思議そうに首を傾け、一通り目を向けるが、手に取るといういことはなく、申し訳なさそうに目を伏せた。

「申し訳ございません、店主様。私持ち合わせはほとんど持っておりませんので───」

事実女の出で立ちは清貧を絵に描いている聖職者のものだし、客としてはふさわしくないことを告げ。ただ、声をかけてくれたことに対する謝意と、祈りの言葉を告げて、その場を後にしようとするだろう。

ご案内:「王都マグメール 平民地区『大通り』」から肉檻さんが去りました。
マーシュ > ───、足を止めたことで、少し人波から外れてしまった。
ただ少し歩き疲れてもいたからそのまま日陰を探すように一歩踏み出して──、広場へと向かおうか。

露店が並ぶその区画は、人波はやはり多かったが、街路も植えられ、ほどほどに日陰を求めることができたからだ。

ご案内:「王都マグメール 平民地区『大通り』」にコルボさんが現れました。
マーシュ > サラリと頬を撫でる風に僅かに目を細める。
やはり周囲に目を取られてしまってか、眼前が疎かになって向かいから歩いてくる誰かにぶつかってしまった。
僅かによろめく程度だったものの、己の不調法を詫びるように頭を下げて。
そうして、人いきれの中へと姿を消し、修道女は帰路へとついた。

ご案内:「王都マグメール 平民地区『大通り』」からマーシュさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区『大通り』」からコルボさんが去りました。