2022/08/04 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区『大通り』」にマーシュさんが現れました。
マーシュ > 人の行き交う大通りを、バスケットを下げた修道女が一人歩んでいた。

「────聖都であれば………目立つこともなかったんでしょうけど」

種々雑多な人種がいる点では同じ。けれど聖都は宗教関係者が多かった。そのために己の修道服もそれほど浮く装束ではなかったのだと認識する。

髪を包み隠すウィンプルが、風にあおられないよう片手で押さえながら、使いに出された帰り道を普段よりゆっくりと歩く。

普段王宮内の聖堂に勤めているためか、あまり街の中を歩くこともなかった。それを鑑みてか、己を使いに出した先輩の修道女からも急がなくていいとは言質を与えられていた。とはいえ、祈りの時間もあるし、金銭はほとんど持ち歩かない。だから、街並みを歩くだけ、という時間の使い方に自然なるのだが、それまで暮らしていた都市の違いは、それだけでも十分目を奪うにふさわしいものだった。

マーシュ > 行く当てがあるわけではない。王都に出向してからはほぼ、王都内の聖堂に詰めるか、あるいはこうして時折使いに出るだけの日々だから。

基本的に聖都での暮らしとそう違いがあるわけではないが───言い知れない違和感は、聖都で暮らしていた時よりは若干強く感じもする。

見知らぬ人の人いきれ、行き交う人をぼんやりと観察しつつ、流れに任せて移動する。

表通りであれば、あまり治安は気にしなくてもいいだろうと教えられていたので、あまり細い路地には入り込まないように注意しつつではあるが。

ご案内:「王都マグメール 平民地区『大通り』」からマーシュさんが去りました。