2022/07/20 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2/冒険者ギルド」にシァンさんが現れました。
シァン > 人の出入りも金の出入りも賑わう冒険者ギルド。時には朝の市場や夜の酒場よりもごった返すが今はそれなり、
受付には依頼を頼む人の姿がぽつりぽつりとあって待合室には受付の順番を待つ人の姿がぽつりぽりつとあって――

ソファや丸椅子をテーブルで囲ったり囲わなかったりする席のちらほらには冒険者も混じっている。

「……ん~……」

指名されて商談をしている者や依頼書を確認している者たちに混じって、
依頼書を手に取りながら癖毛を掻く男が一名いた。

「……安いんだよなぁ……」

冒険者を志す若者たちへ冒険者とはいかなるものかのちょっとした講義。
先日教鞭を取ったのだが受けがよかったようで指名を頂いている。
たしかに、有り難いが、ぶっちゃけ、安い。
……どうしようかな……
なんて、頭を悩ませていた。

シァン > 魔物退治だの山賊討伐だのに伴う危険もなければ、街道警備の朝から晩まで暇しながら緊張の糸は保たねばならないある種の苦行といったこともなく、若者達に少し面白おかしくしながら一時間と少しばかり話してやるだけで済む楽な仕事だ。
だから、安い、とは言え……、

「俺これでも結構腕立つ方なんだけど」

Sランクだのゴールドメダルだのと表彰されたり持て囃されたりするようなレベルでないにせよだ。
腕が立つ自負はある。実際山賊団の一つぐらい朝出発して夕方に帰ってくるぐらいの実績もある。
しかしこの依頼、誰が相手でも料金一律なのだ。
王立のくせにけちんぼめ、
なんて文句はさすがに公衆の面前では言えないが。
だから現役冒険者は嫌がるんだよ依頼金上げろや、
なんて文句はさすがに公衆の面前では言えないが。

「待てよ指名受けたのはそういう事情もあるからか……!?」

以前は偶々暇だったから受けただけなのに何か勘違いでもされたか!?
なんて目を剥いたりと一人で勝手に忙しい。

シァン > 採算度外視でも後進のために云々というような類の人間ではない。
だが、安いんで嫌ですとは言いにくい。
それに今も暇だ、他の依頼が入っててという言い訳も使えない

「ん゛~……」

どうしたものかと頭を抱える羽目になる。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2/冒険者ギルド」からシァンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にナータさんが現れました。
ナータ > 「ふぃ~……お腹いっぱい……」

夜の平民地区。
未だ賑わいを見せる繁華街エリアから満足げに笑みを浮かべ歩く少女の姿。
今日は実入りがよかった。
その分配達件数は多かったが、駄賃ももらえたので。

今日は豪勢に―――安食堂の夕ご飯を一品追加―――したから。
少しだけポッコリとしたお腹を撫でながら、定宿に戻る前に腹ごなしの散歩、でもするつもりで。