2022/07/08 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にロブームさんが現れました。
ロブーム > 街を歩く。それは、情報収集の王道だ。
この真夏の暑さの中、太った男が――悪魔が一人、大通りを歩いていく。
その目的は、複数ある。王都における情報収集、そして美しい心探し。

「(ふむ……塩が不足気味か。塩を仕入れるルートはまだ無いが、子飼いの貴族に確か海に隣接する領地を持っているのが居たな)」

現在、強化魔術により、彼の耳や目は、相当に強化されている。
それでいて、大きな音については認識阻害を自らにかけて、適正な大きさになるまで調整している。

その気になれば何里も先の針の音を聞き逃さぬが、至近距離で銃声が起きても不快すら起きない。
一流の魔術師とは、魔力の量で決まるものではなく、寧ろそれをどう扱うかであるという箴言を体現するかの様な魔術だった。

「(やっていることはただの出歯亀だがね。
とはいえ、悪魔とはこの手の卑しき行いの専門家でもある)」

ならば、本文は何も外してはいないとも言える。
こんな真似などせずとも、配下を使った方が効率的だが、これはこれで趣味だ。
ならば、精々楽しもう。この悪徳の街では、悪は限りなく行われ、だからこそ善は輝くのだから。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にクリステルさんが現れました。
クリステル > 日は頂点より下ったがまだ高くある昼下がり、日傘をさして歩く一つの影。
時折辺りを見回してメモを取ったりする仕草は、何か調査でもしているように思わせる。
仲よく遊んでいる子供達に微笑ましい視線を送る事もあり、急いでいる様子はなく、単なる調べ物の範囲かも知れないのだが。

「この辺りは問題は無いようですね」

大通りからは少し外れているからか、歩いている男の存在には気が付かず、ぽつりと呟く。
強化魔術を使っている男には聞き逃されるはずがないだろう、以前にも聞いた事がある声だと。
ただその時は学院内で男装姿、今とは全く見た目が違っているのだが、全てを見られているのだから、人違いだと見逃される事もないだろう。

ロブーム > ロブームの探知範囲に、最近聞いた声が引っ掛かった。
大通りではなく、そこから少し離れた通りだ。
視界を、通常の視界から千里眼のそれに切り替えると、そこには先日、援助の契約をしたクリステルがいる。

あれから、一応クリステルの言い分を飲む形で家門に対する援助の約束はした。
但し、同時に快楽に溺れたのも事実であるため、条件付き――つまりは、適宜追試を行い、失敗すれば援助は取り下げという形と相成った。
ちなみに、この契約には肝心の追試回数や期限が明記されていないので、事実上彼は何時何回でも彼女に"追試"を持ちかける事ができる訳だが。


「折角の権利を使わず腐らせるのも勿体ないか」

それに、彼からすれば彼女はまだ完全には堕ちていない――無意識とはいえ、快楽よりも家を選ぶという一線は引いている。
その一線を自ら踏み越えさせねば、力で勝っていても悪魔としては"敗北"だ。
ならば、この出会いを有効利用するに、躊躇は無かった。

男は、彼女の背後に瞬間移動――厳密には自らを"召喚"すると、わざわざ耳に口を寄せて囁いた。

「やあ、クリステル。今日は随分とめかし込んでいるが――男装は良いのかな?」

彼の言葉は意地が悪いが、しかし同時にある程度の疑問も含まれている。
彼女の今の装いは、"男として生きる"という彼女の生き方に対し、ある程度外れている。
にも拘わらず、その服装を自分から選んだ意味。それを問うているのだった。

クリステル > 子供たちの姿をしばらく見ていた後ゆっくりと歩き出す、存在に気が付かれた事を知らずに。
しばらく歩いた後で不意に耳元に囁かれた言葉に軽く取り乱し、パタパタとした様子で振り返る。
そうして姿を確認すると思わず間の抜けた声を上げた後に、改めて向き直りしっかりと頭を下げてあいさつする。

「えっ、あっ、こんにちは、ロブーム様」

学院の外だと気を抜いていたわけではなく、女装というよりも本来の姿に変装していたのになぜすぐにばれたのだろうかと、僅かに眉を顰める。
声だけからの判断なら、騙し通そうとも考えるが、在り様がそれ以外にも確信があってと思わせる。
今はワンピースに包まれている身体を千里眼で見透かし、前回の契約時の裸身と照らしあわされた為などとは考えも及ばず、そうして問いにはどう答えるかを少し迷って。

「――それは、学院の外での市場調査のため、バレないための変装です」

嫡子として継ぐために幼き頃から男として育てられてきた。
特に学院ではバレるためにはいかないため、一貫しているが、此処は外であり、着替えたのも学院を出てからなので問題は無いと。
何度か学院の者に通りですれ違っているのに気が付かれていなかったから。
見方立場を変えれば突く所がありそうな言葉、何よりも男には最初から見抜かれていたというのに、自信たっぷりに。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からロブームさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からクリステルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にフリージアさんが現れました。
フリージア > 学院からの帰り、平民地区のカフェのテラス席の一つにアタシは居た。
テーブルの上にはブラックのコーヒー、そして学院での課題の本にノート。
まあ、学生によくある学校帰りのお勉強と言う奴ね。

なんで家で勉強しないでここでやってるか?
家だと集中できないからよ。

…と言うことで、店員さんに嫌な顔をされないよう、たまに追加で注文をしたりして。
そろそろ陽が沈もうとしている時間になって漸く提出できるような内容が完成した。

「はぁ~、学院の授業って何気にハードよね。」

アタシは思いきり椅子の背に凭れかかり、伸びをしていた。

フリージア > ちなみにアタシがこの店を選んだのには理由がある。
店員さんがあまり五月蠅くない事、学院からの帰り道途中、そして。
可愛い子が結構いるんだよね。

ここは表通り沿いなので通行人が多い。
となると、自然と可愛い子を目撃する機会も多いわけで。
見ているだけでも幸せだけど、ひょっとしたら知り合う機会もあるかもしれない。

そんなささやかな希望を胸に抱き、今は机の上の資料を片付けていた。