2022/06/28 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にロブームさんが現れました。
■ロブーム > ――金色の蝶が、ひらりひらりと街を飛ぶ。
公園、酒場、或いは個人の邸宅。その場所を問わずに、まるで散歩する様に。
時折、珍しい蝶を捕まえようと、子供が手を伸ばすが、その手をひらりと擦り抜けて。
幻想的な光景と言えば、そうだろう。
しかし、その正体は、ロブームという悪魔の眷属である。
彼は、『美しい心』を持つ者を探している――その心を堕とす為に。
そして、その為に、見た目からは怪しまれない蝶を使い、人間界を観察しているのだ。
「(利他の精神……或いは強い意志。そういうものがある者は美しい。そして、それを堕とすのが――一番の愉悦)」
蝶は舞う。
主が舐める価値のある、蜜を求めて。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からロブームさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2 路地裏」にロブームさんが現れました。
■ロブーム > ロブームが関わる裏の仕事は多岐にわたる。
その中には、裏切者の処罰も含まれる。
薄汚いボロを着た男が、建物の壁にへたり込んでいる。
『ひ、ひぃぃぃ!?お、お助けぇ!』
「残念だよ。君がただ、正義に目覚めて衛兵に垂れ込んだというなら、私も少しは許そうと考えたかもしれない。
君のお陰で部下が幾つか殺されたが……しかし、美しき心というものは、それに勝るだけの価値があるからね」
彼の杖が、凄まじい魔力の奔流を纏う。
水のようなそれは、黒く輝き、杖の先端に集中する。
「だが、国との司法取引の為に裏切ったとあれば話は別。
不本意だが、君には相応に苦しんで死んでもらう」
その声には、憎しみもなければ、悲しみも無い。
ただ、少し面倒な作業をこなさねばならないという、嫌気だけがある。
彼にとっては、裏切者を殺す程度の事は、日常茶飯事なのだ。
ボロを纏う男は、『あ、あああ……』と声を漏らしていたが、
『だ、誰か助けてえ!死にたくねえよお!』と力いっぱいの悲鳴を挙げた。
此処は裏路地とはいえ、表通りに近い。もしかしたら、誰か声を聴くかもしれず。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2 路地裏」からロブームさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にステイラさんが現れました。
■ステイラ > きょろりきょろりと、小柄な姿が街中を覗いている。
それはふわふわな、少し物珍しい衣装に喪を纏った、可愛らしい子供の姿。
その耳とふわりと揺れる尻尾は本来であればこんな街中では見せられるものではないが、
今は簡単な子供が扱える精霊の加護で、それを見えないようにして、ミレーの少年は人々に溶け込んでいた。
無論それは、見抜けるものは見抜けてしまう拙い認識阻害でしかないが…
「まえは~、こっちみたから、こっちにいってみようかな。」
しかして、こうして小さな子供がほんの出来心で街中を見学してまわるのにはそれでも十分。
長居はせず、軽く少しの間だけ見て周るのなら何も問題は無いはずだ。
■ステイラ > そうして歩き、進む先は大通りのほんの脇道。
少しだけ周囲とは違う賑やかさとまばらな人通り。
少なくとも普通の子供なら通らない、余所者だからこそ、知らないからこそ歩いてしまう場所。
それはいわゆる裏通り、怪しげな店が幾らか立ち並ぶような場所だ。
そこを何も知らぬ子供はふらふらくるくると、目を輝かせながら歩いていく。
■ステイラ > とはいえ、流石の子供でもそんな場所をしばらく歩いていれば…
「んぅ…?
……なんか…なんだろ、ここ…」
その怪しさと仄暗さ。
周囲からちらりと時折向けられる怪訝な視線にも気が付くもの。
ふるりと少しだけ背を震わせて、ほんの少しだけ小走りに。
あまり、ここはよろしくない場所かもしれないというそんな予感。
軽く見て周るだけにして、広いところまで抜けてしまおうと、そんな考え。
来た道は何となく覚えている、迷う事もないはずだとそう考えて。