2022/06/07 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にミンティさんが現れました。
ミンティ > 夕暮れ。小さなお店が並ぶ、大通りの片隅。この時間から賑わうような酒場が多い場所への通り道ではあるもの、すこし距離があるために、あたりはしんとして静かなもの。そんな中、もう今日の営業を終えたお店の前で、精一杯に背伸びをしたり、しきりにきょろきょろしている小さな人影。
手には小さな声で鳴いている鳥の雛を大事そうに包み、視線を伸ばす方向、お店の軒の上には鳥の巣らしいものが見える。
用事を済ませた帰り、道端でもぞもぞと動いているものを見つけて、それが巣から落ちたらしい雛だとわかって、どうにか戻してやろうと頑張っているのだけれど。

「……んん……ん…ぅ…っ……」

自分の低い背丈では、精一杯の背伸びをし、両腕を伸ばしてみても、巣まで届かない。あたりに踏み台になるようなものがないか探してみても、ちょうどいいものが見つけらない。高さが十分でも、動かすのが難しそうな、重量感のあるものばかりで。
間違って雛を落とさないように気をつけながら、ぴょんと跳ねてみたりもしたけれど、背伸びを試した時と結果は変わらない。
もうそろそろ暗くなるから、親鳥も戻ってくる時間だろう。それまでにはと考えているけれど。焦りから、すこしずつ眉も下がって。

ミンティ > しばらく奮闘していると、閉じていたお店のドアが急に開いて、びくっと震える。なにかごそごそしている気配を感じた店主の人が、様子を見に出てきたらしい。
不審者と間違われたのかと最初に謝罪をしてから、事情を話す。それで疑いも晴れたようで、お店の中から踏み台を持ってきてもらえた。また、ぺこぺこと頭を下げながら、その踏み台に乗り。無事、巣の中に雛を返せて、ほっと胸を撫で下ろす。
お店の人にもあらためて感謝を伝えて踏み台を返し、立ち去ろうとしたところ。ちょうど、親鳥らしい影が飛んでくるのが見えた。間に合ってよかったと、口元に小さく笑みを浮かべて、親鳥を刺激しないように、そろそろとその場をあとに…。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からミンティさんが去りました。