2022/01/31 のログ
ミンティ > きっとこのまま帰ったら、あとあと、やっぱりあの時に買っておけばよかったと後悔しそうな気がした。無駄づかいには違いないけれど、そんなに高いものでもないからと自分に言い訳をして、そろそろ店じまいを始めそうな露店に近寄っていって。
売れ残りだからと、すこしだけ安くしてもらったぬいぐるみを抱きかかえ、満足そうな顔でふたたび帰路についた…。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からミンティさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にシアン・ファーガーソンさんが現れました。
シアン・ファーガーソン > 人通りの少なくなり始めた時間帯の大通り。帰路を急ぐ者や酒場に繰り出す者とすれ違うように歩く。
一仕事を終え冒険者ギルドを後にして普段ならば真っ直ぐに宿へと向かうのだがその日は気紛れに商店を眺めるようにして。
途中途中にある商店の前で足を止めては商品を眺め、そして買わずに通り過ぎること何軒目か。
再び足を止めて露店の前で足を止めて商品を眺め。

「……安い気もするし…高い様にも思えるし……」

露店に並べられた商品の一つ、灯りを灯す魔道具に目を止めてしまい。
便利そうではあるが高いか安いか悩む値段。
出来れば買った方がいいとは思うのだが決断が付かず、どうしようかと露店前に身を屈めて考え込んで。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にセリアスさんが現れました。
セリアス > 大通りに面した男の商店もだいぶ客が捌け始めたころ。
こうなると大抵、男の悪い癖である、薄ら笑いを浮かべたままの長考と、独り言とが表れて。
それを起因とした店員からの視線に耐えられなくなって、店の表に空気を吸いに行く振りで逃げるまでが、一連の流れでもある。

店の外に出れば、露天を覗く白い衣装の少女を見つける。
あの出で立ちは、学院でも幾度か見かけなかったか。透き通るような水色の髪が揺れるのも、男の記憶を擽った。思い出すように首を捻りながら、彼女が何を物色しているのかと、そっと後ろからのぞき込んで。

「嗚呼。魔導灯」

得心行ったとばかりに声を上げた。学院では野外かつ夜間の実習も少なくない。
特に、魔術なりの心得があれば扱えるゆえに、使い勝手のいいそれは、日常生活用にも買い求められる。
学院生らしい買い物に、やはり悪癖の延長であろう、一人でなにか満足そうに笑みを浮かべ頷いて

シアン・ファーガーソン > こういう品はある時にはあるが無い時には本当に見かけない。
それを考えると今買うべきなのだが今一決断が付かないのは微妙な値段から。
こうして露店の前に身を屈めていれば店主からは兎も角通り過ぎる人からは珍しく見えるかもしれなく。

本当にどうしようと指先が魔導具に触れるか触れないかと行き来していれば頭上から聞こえた声に動きが止まり。

「……買うの?」

声を追うように身体を捻り顔を上げればどこかで見たような気がする人影。
もし買うなら迷っている自分よりもと考え、一応の問いかけをして。

セリアス > 通りに露店を出している者は、当然ながら露店の対面で店を構えている男のことなど知っているのだろう。ひきつった頬で、それでもさすがは商売人、はっきりと通る声で、来店を歓迎する声を伝える。
それに手を振り答えながら、僅かに下方から聞こえた声に、笑みを浮かべたまま首を振って。

「いえいえ。店主には申し訳ないが、冷やかし……の、冷やかしですかねぇ?
 貴女こそ、そちら、お求めになられるので?」

自身が冷やかしに来たのは露店ではなく露店を覗く少女であったゆえに、えらく遠回しな答えを返した。
魔道具に記された値札は、高すぎるということもないが、買い得というほどの値段でもない。確かに悩ましい値段だろう。
それを、買い求めるつもりなのかと問いながら、彼女がどうするのか。臨時とはいえ講師としても、興味があり。

シアン・ファーガーソン > お客が来れば店主は迎えるのは当たり前なのだが何故かその顔が引きつって見える。
今見上げる相手が面倒なお客なのだろうかと考えるも笑みを浮かべている様子にそうは見えず。

「冷やかしの……冷やかし?良い趣味って……いえない。
欲しくはあるけど……急がないし、値段も…」

遠回しな返答であったがその言いを察すると少し呆れが混じる言葉で返し。
もう少し高ければ見送る、安ければ買うという微妙な値段は懐に余裕があっても悩むもの。
誰かが買うならきっぱりと諦めるのだがそうではない様子に一時保留とし。
買うなら何かサービスはつくのかと店主に問いかけて少しでも妥協を引き出そうとして。

セリアス > 己の行動を咎められれば言い返すでも謝る言葉を発するでもなく、口元に笑みを浮かべてわずかに首を下げただけ。
その首を戻したときにも、彼女がまだ悩んで、更に店主に交渉を持ち掛けるのを見れば、彼女の隣まで歩み、魔道具に触れながら。

「……こちら、品は確かですよ。私も物売りの端くれ、良し悪しは少しはわかるつもりです。
 彼……店主のことも、まんざら知らない仲でもない。大店で修業をして店をいつでも持てるくせに、
 もう少しの間は露店で直接客と語ってモノを売りたいという誠実なお人です。信用できる。
 ただ、確かな品がお求めに向いているかはまた別の話。お嬢様、宜しければ用途をお伺いしても?」

ぺらぺらとよく回る舌で話し始めたと思ったら、やはり笑みは浮かべたまま。
紅い瞳が、少女の瞳を覗くように見詰めながら、細められる。
露天商はといえば、自身を誉められたことと目の前でのやり取りにどうしたものかと腕組みをして、とりあえずは口を出さない様子で。

シアン・ファーガーソン > 行動を咎めても謝る訳ではなく笑みを浮かべたまま頭を下げるだけ。
その行為に誠意のない謝罪よりはと思いはするがあまりい印象はなく。
その事に何かを言うよりもこの魔導具を出来れば安くしようと交渉を始めるも口を挟まれ。

そして話される内容は商品の品の確かさと弧の露店の店主の人柄。
確かに他の露店に比べれば押し売りもなく見ていても文句を言われなかった。
そう言う意味では真っ当な人なのだろうという感想を持て。

しかし良く話す人だと品や店主を褒める相手を瞳を細めて見上げ。
赤い瞳と視線が合えば真意を探る様に見返し。

「買う理由、使う以外にある?……仕事で使うかもしれないから。
私は使わない魔道具を買う趣味は…ない」

用途と言われても使うかもしれない、その程度。
隠すような理由でもなく、使うかもしれないとそんな気持ちで見ていたと軽く告げて。

セリアス > 男を探るように見つめ返してくる青緑の双眸に、これまでで一番愉しそうに男の口元が歪んで。
露天商に一言断れば、魔道具を手に取り、彼女に示すように灯りがともる部分を指さしてやる。

「ふむ。これは、失礼。私の言い方が悪くありましたねぇ。
 此方、ご覧いただけますか? 灯りの魔術式が組まれている部分。
 あまり、水に強くない素材で仕上げられていましてね。室内などでしか使わないのなら十二分なのですが。
 野外で乱雑な扱いをすることも視野に入れるなら、心もとない。
 ……ああ、誤解ないよう、仕上げは値段相応のものですので。むしろ丁寧な出来上がりですよ」

彼女の漏らした仕事が何かはわからないが、例えば、冒険者とか、傭兵だとか。
荒事もあるかもしれない、悪路や、安全ばかりではない仕事だと、灯りとして致命的なこともあり得ると伝えたいのだろう。
用途をわかりやすくするためだろうか、解りやすくランプの形をしている魔道具を器用に掌の上で動かしながら。
学院でみかけたからには、生徒なのだろうと目星をつけたため、これも縁とばかり男なりの親切のつもりで。

シアン・ファーガーソン > 何が楽しいのか口元が歪む事に胡散臭いという気持ちが強くなり。
それでも魔道具の灯りをともす部分を示されると目を向け。

そして続けられる説明を聞いて行けば自分が求めるだけの強度がない事が判る。
使うなら野営などの灯りと思っていただけに室内は兎も角外で扱うには心ともないと聞けば購入意欲はなくなり。
作り的には問題はないというが野外で使うに心ともないなら答えは一つ。

「よくわかった……外で使えないなら買う理由はないから。
悪いけど…買うのはなし、ごめんね。
少しだけ助かったから、お礼は言っておきます」

もし買っていればいざという時に壊れていたかもしれない。
それを思うと説明を聞けて良かったと思え。
売れなかった事に残念そうにする店主はさておき、立ち上がって改めて相手を向き直れば軽く頭を下げてお礼を告げて。

セリアス > 男自身への胡乱なものを見るような視線は変わらずとも、説明にはきちんと耳を傾ける少女に好感を抱きつつ。
しゃべり好きというか、セールストーク好きというか。大仰な説明を終えれば、彼女の決定を待つ。
そして買わないという言葉が聞こえ、下げられる頭と、告げられる礼に頷き、幾ばくかの硬貨を取り出して。

「それでは、こちらは私が仕入れましょう。ひのふの……はい。これで。釣りは、店前を占拠したお詫びに。
 いやァ、触っていて思い出しましたが、魔導灯も最近はこういった、さも灯りがつく、というものより、
 棒状だったり、向けた方向に強く光を送るものだったりが多くてですね。蒐集家などにはこちらのほうが受けが良い。
 ああ、もし野外使用に耐えうる魔道具をお求めでしたら、どぅぞ、あちらのお店へ」

先に告げた通り、灯りとして、確かな品なのだと。にこやかに笑みながら、手に取った魔道具を眺める。
露店の店主はなんだかんだと最後には売れたので満足気にしながら、男が己の店を案内する様子に肩を竦めた。
魔道具を片手で抱え、もう片方の手で芝居ががった仕草で、大通り対面の店舗を示す。

シアン・ファーガーソン > 自分が買わないという決断をすれば代わりにと魔導具を買う相手。
そして続く説明に他の種類の事を告げられるが収集ではなく実用で欲しいのであまり興味をもった様子も見せず。
目についたものは結局は外れだったので残念と帰ろうと思えばあちらの店にと告げられると少し考える仕草を見せ。

「…少しだけ、なら」

芝居がかって言う案内がどうにも胡散臭くはあるが露店の店主が止める様子もないので怪しくはないはず。
そう考えて少しならと了承をして足を向けて。

セリアス > 此方の話にはあまり興味のない模様の彼女に、気勢をそがれれば、ひとつ咳払いをして。
とはいえ、良い品を手にできたのは彼女のおかげもあってと思い直し、何時もの薄ら笑いを顔に浮かべる。

「ええ、ええ。どうぞ。彼の目利きに負けず劣らずの品ばかりですよ」

了承を得られれば、彼女の背を軽く押すように店のほうへと案内していく。
客である以上に、話し相手として。打てば響くというほどではないが、しっかりと言葉が返るのだから十分。

店内に入れば、店員たちが来店を歓迎する声が聞こえ……中には会頭がナンパしてきた、等と零すものもいる。

それから、先ほどまでと同じように、いやそれ以上に自身の店の製品を売り込むのだろう。
なにせ今度は人の仕入れた商品ではないのだから、その熱の入りようは、比ではないはずで。

シアン・ファーガーソン > 興味がある事には集中するが無い事は半ば聞き流す。
そんな宗素は見て判るだろうが薄ら笑いはあまり変わっていないように見え。

いい商品があると聞くと多少は興味を持て、背中を押されるように案内され。
後は希望に沿うものがあるかどうかだがそれは見て次第。

店にと入れば歓迎の声が聞こえ、その中に違う声も聞こえた気がするは気にせず。

そして探していた魔動機の類似品の場所に案内をされると先ほど以上の熱心な売り込み。
それを聞き購入したか見送ったかはきっと別の話しで。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からセリアスさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からシアン・ファーガーソンさんが去りました。