2022/01/20 のログ
イズナ > 「ふふ、恐縮ですレディ」

彼女の言葉に謝辞を述べて頭を上げる
僅かばかりか心做しか、白い彼女の頬に朱が刺しているように見え、
身のこなしの割に随分と可愛らしい反応をする方だ、と内心思ったりするがそれをおくびにも出さず笑みのまま、
彼女が席につくのを待ってから静かに自分も席に付き、彼女が注文を取るであろう頃合いを見ては、
先んじて店員をテーブルに呼んでおく
見習いとは言え、仕える者としての性分が身に沁みていると思えば僅かに苦笑が浮かぶ

彼女の前でお茶を飲むのもなんだか気がとがめてしまって、笑顔のまま、
彼女の前に座っていたのだけれど、彼女の視線を感じるし、適当な話題を提供する事もできずバツが悪い
自分の主人にも目の前の彼女ほどの可愛げがあれば、まだ仕える甲斐があるのだけど、
なんて薄らぼんやりと考えていたりする

「これは失礼しました、グレイル様
 僕はイズナ、さるお方に仕える執事…とは言っても見習いですけど…
 …グレイル様は休暇か何かでこちらへ?」

彼女が名乗ると少し慌ててしまうと同時に助け舟を出して貰ったようで安心する
見据える彼女の瞳に見習いが見習いたらしめる未だ不慣れな場面が写ったかもしれない

グレイル >  
レディと呼ばれるたびにむず痒い気持ちになる
それでも嬉しいのは、戦場で荒くれ者共とこの少年を
失礼ながら比べているからか、荒れ果てていた心が満たされていく

店員を先に呼んでもくれたのはとても嬉しく、気分よく注文できた
こんなふうに仕える者がいれば幸せだろうな、と心の中で遠い目をしておく。

「ふふ、様なんていらないさ。性分ならしょうがないがね
 執事! んふんっ! 久しぶりの休暇を楽しんでたところさ
 で、ちょっと疲れて店によったらいい男発見。てわけさ」

たしかに不慣れな部分はあるのだろう。
しかし、日々荒んだ状況にいる女としては完璧に見えてしまう。
執事、という言葉に反応して思わずと声を出してしまったが、すぐに咳払いを。
やってきたカップに手を付け、飲まないのか、と目で問いかける。

「見習いと言ってもしっかりしたもんじゃないか、あたしには完璧に見えるけどね
 で、イズナも休暇かなにかでここに?」

ああ、こんな鋭い目の美少年とお茶ができる何て、と脳内をお花畑に
幸せな心持ちでそう問うたのなら、ゆっくりとカップを持ち上げ。

イズナ > 少々荒っぽい言葉遣いから平素、男たちに囲まれているであろう事は想像がつく
戦士であるのならそれも当然なのだろうが
貴族に囲まれて生活しているとあまり耳にすることもない粗野な言葉遣いに思えるが、
彼女が口にしてもそれがあまり気にならないのはどこか清涼な響きがあったし、
つい先程、頬を赤らめる場面を目撃してしまったからであろうと思う

「左様ですか、では存分に羽休めされるとよろしいでしょう
 お綺麗な方の久方ぶりの貴重な休暇時間を共有させていただけるのは光栄の至りです
 ふふ、失礼ながらグレイル様…さん、はたいへんお疲れなご様子…僕が良い男に見える位でいらっしゃいますから」

冗談を交えつつ彼女の視線に気がつけば、失礼をして、と断りを入れてからお茶を一口し、
美味しい、とでも言うように笑みを浮かべてそっとカップをテーブルに戻し

「それはきっと先達の教え方が上手なのだと思います…
 本日は主人に使いを頼まれまして、その帰りです
 大それた使いではなかったのですが、少々気疲れして…先方のお屋敷を辞した後は、
 自由にして良い、という事でしたのでこうして一服しておりました」

差し障りのない程度に自分の本日の仕事の事を彼女に話す
主人に仕えている者たち以外とお茶をするのは随分と久しぶりであったから新鮮な気持ちであった
彼女のカップのお茶が減ってくれば、おかわりがいかがなさいますか?なんて聞いてしまうのは、
職業病みたいなものかもしれない

グレイル >  
粗野な男たちに囲まれるのも大変だが
誰かに仕え、貴族に囲まれるというのも気苦労が絶えなそうだ
元が貴族なのでそこは容易に想像ができる。
だからか、休みを邪魔してしまったかと思うものの
こんな美少年とお茶できる機会は殆どないと意識を切り替えじっくりと顔を眺めた。

「あはは、そうさせてもらうさ
 おき…!? ごほん、まぁそう言ってくれるのは嬉しいね
 おや、あたしがお世辞を言うように見えるかい?」

お綺麗、なんて言われてしまえばお花畑はもしかして脈アリ?
なんて思ってしまい、ぽけーと笑みを眺めた後に咳払いをしカップを傾ける。

「ははは、謙虚な姿勢もいいねぇ。まだ若いだろうに
 貴族と交流するのは疲れるからねぇ、心中察するよ
 自由にしていい時間は、どれくらいだい?」

お茶を飲んで熱くなってきて、コートの前を広げれば
押さえつけられていた大きな乳房がチュニックを押し出しつつ
おかわりを聞いてくるのには、笑いつつも大丈夫と告げ。
意味ありげな視線を向けながら、ニッといたずらっ子のように笑み
襟をパタパタとさせ、胸元を見せつけ。

イズナ > 彼女の赤い瞳がこちらへと確かに向けられている
貴族たちが向けてくる値踏みするようなそれとも違い、何やら面映いような気がしてくる
貴族たちが向けてくる視線であれば幾らでも耐えられることが出来るけれど、
純粋に観察されると、なんというか居たたまれないような気持ちが湧き上がってくる

「さて、どうでございましょう?
 グレイルさんとお見知りになってまだ然程、時間も経っておりませんから僕にはなんとも…
 性根の真っ直ぐな方のようにはお見受けしましたが…
 しかし、時にはお世辞も渡世の習いでございますれば…」

彼女との会話のやり取りが心地よく笑みが浮かぶ
咳払いの仕草が存外可愛らしく、小さく笑い声を漏らして、失礼を、と謝辞を述べお茶を一口し

「見た目ほど若くもないのですけどね…
 確かに貴族の方々とのお付き合いは何かと気を使います…それもまあ、修行の一環だと思えば
 …明朝までに戻れば良い、と言われていますから比較的時間はありますね
 かと言って、日々の鍛錬やあてがわれた部屋の掃除くらいしかすることはないのですが…」

王都に来てからというもの何度か休暇を貰ったけれども、あらかた王都見物を済ませてしまえば、
他にすることと言えば日々の鍛錬や身の回りの事くらいしかすることはない
視線を彷徨わせて自分の無趣味っぷりに呆れていれば、眼の前には豊かに実った彼女の双丘
パタパタとはためく襟元から白い肌がちらちらと見てとれ、いたずらっ子ように笑んだ彼女がいて

「…グレイルさん、淑女たれば慎みを持つべきでございます
 大変にお美しいのですからそんな事せずとも幾らでも目端の利く男性は寄ってまいりましょうに…
 ………とは言え、僕も時間はありますから、この後、ご予定があるのでしたら何なりとお付き合いいたしますよ?」

彼女の悪戯じみた振る舞いに一旦、呆れたような様子を見せる
しかし、部屋に戻っても暇ではあるから、ここで行きあったのも何かの縁と思い、
彼女の予定に付き合うことにしたのである

グレイル >  
いたたまれない気持ちにしているとは知らず
目の保養になるのでついついと眺めてしまう
茶褐色の瞳も似合っているとのんびり思いながらも
流石に見すぎたかと視線を外し。

「ふは、そう見えるかい? それはありがたいけどね
 あたしにはイズナの方が性根が真っ直ぐに見えるけど
 まぁ分かるけどね……いやちょっと、どういうことだい」

お世辞だったか、と突っ込みつつおかしげに笑い
彼に習い、此方もお茶を一口飲みゆっくりと息を吐く。

「おや、若作りなんだねぇ。羨ましい限りだ
 修行の一環で済ませる当たりすごいと思うけどね。あたしにゃ厳しい
 へぇ? じゃあ結構時間あるわけだ
 ……んまぁ、趣味は後々見つけていけばいいさ。音楽とか良いと思うけどね」

彼の容姿を考えれば、主人のために楽器を弾くということも考えて
ぜひとも引いてもらいたいとか思いつつ、胸元をパタパタと
そうしていたら呆れた様子に、おかしげに笑い。

「淑女なんてガラじゃないのさ
 こうやって反応を見るのも楽しいもんさ
 それに、あたしの好みじゃなきゃやらないよ」

予定に付き合ってくれる、というので服でも見ながら
警戒心をといていき、宿へと連れ込もうとするはずで。

イズナ > 彼女がどういうつもりで視線を向けてくるのか今ひとつ判りかねる所もあるのだが、
なるべく平静を装い、そう努める。視線を向けられること自体はそれほど嫌ではないけれど

「いえ、僕は見た通り、思った通りの事しか口にしませんので…
 渡世の習い、と申しましたのはグレイルさんも時にはお世辞を口にして、
 物事を円滑にすすめることもお有りでしょう、ともうしたまでの事です」

笑う彼女にふるふると首を横に振るって、綺麗だと言ったのはお世辞ではないと否定する
そうして彼女がどんな反応をするか、少々、楽しみではある
カップに残ったお茶をくい、と飲み干してそっと、カップを置いて

「年齢相応、といえばそうなのかもしれませんが…まあ、少々複雑な事情があるのです、ふふふ
 趣味を見つけたとしてもそれに費やす時間がとれるか、怪しいところもございますが…」

音楽ですかあ、と小首を傾げる
もし彼女が、『主人のために披露』なんて文言を口にしたら大層、面白い表情を拝むことになったであろうが、
そういうことはなく、音楽ですか…と小さく呟くばかりであった

「そう仰られると元も子もないですね…
 誰彼構わずでしたら…いや、やっぱりよろしくない…僕は幸運にも拝見させていただきましたけど…」

むむむ、と表情が思案に歪む
カフェを後にすると慣れば、彼女より率先して動き、見えぬ所で身なりを整える
普段の癖なのか、彼女の着衣もピシッと整えれば彼女の行くところへ付いていくのだろう――――

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からグレイルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からイズナさんが去りました。