2022/01/08 のログ
■ミンティ > どこへ行っても、たくさんの商品が陳列されている店内。大きな棚が並んでいるあたりに入りこむと、しばらくは出口がどこかもわからなくなってしまう。
そんな風に迷ったり、気になる品物を手に取ったりしているうちに、あっという間に時間はすぎていって…。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からミンティさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 冒険者ギルド」にフェリーチェさんが現れました。
■フェリーチェ > 日の入り間近の薄闇の中、新年の浮かれた空気がまだどこか冷めやらず、煌々と炊かれた篝火が目に痛い王都の一角。
時折巻き起こる喧騒を尻目に、冒険者ギルドの施設内は実用性一点張りの最低限の明かりが人々を照らす。
ちょうど仕事帰りの冒険者も詰めかける頃合いだったようで、初めて依頼にやってきた少女も忙しない受付係に随分と待たされている。
一応の依頼書は提出したので内容の精査を待っている間、冒険者向けの軽食販売を利用することにした。
「ネクターとハムのおつまみ、お願いします」
ギルド施設に集う雑多な冒険者を押し込めておくための待合室はだだっ広い。
なんとなく尻込みして壁沿いの受付が辛うじて見えるテーブルに陣取り、控えの依頼用紙を眺めながら足をぶらつかせている。
ご案内:「王都マグメール 冒険者ギルド」にクレイグさんが現れました。
■クレイグ > 受付と会話していた…少女から見ればかなり背の高い戦士風の男が、報告が終わったのか受付を離れると軽食販売の方へ近づき。
「エールと串焼きを頼む」
そう注文して辺りを見渡す、開いている席を探しているのか、少し見渡してからその視線が少女に気づいた様子、少し首を傾げた後で、壁沿いの少女が座るテーブルへと近づいてくる。
「お嬢ちゃん、一人でそんな所でどうした、冒険者って風ではないし、待ち合わせには向かないぞ此処」
そんな言葉を掛けつつ、苦笑する。
外見的に言えば少し怖い部類に入りそうな、そんな男が呼び方はお嬢ちゃん呼びだが、そこまで荒っぽい感じの声の掛け方はせず、純粋に疑問に思ったらしい。
■フェリーチェ > ネクターを少しずつ啜っていると、視界に入った男が席を探している様子に気づいたため、ちょこんと頷く。
待ち人が居るわけでもなく、ハムの木皿も手元に引いて場所をあける。
「調達依頼に来ました。普通のお店では見つからないみたいだったので……」
時間帯がどうやら悪かったらしい事は、随分待たされたことで既に分かっている。
が、初対面の相手に言い繕うこともなかったのでテーブルに置いた依頼書の控えを指で叩く。
そこに書かれているのは、いわゆる魔石の調達だった。
職業魔道士が十分に武器として使えそうな魔力貯蔵量に、鉱石、魔物、植物、どのようなタイプでも良いという幅広い条件設定。
それから、含有された魔力は完全に空っぽで構わないという但し書き。
魔道具に使えそうな魔力を充填済みのものであればともかく、空っぽの魔石ならば少し色を付けたくらいの報酬となっている。
■クレイグ > 「と、すまないな…これ、、魔石調達か、空でも良いっていうのは珍しい気もするけど」
席について、エールをジョッキで飲みながら、依頼書を確認する。
「報酬的には結構得な感じか…使えないから手に入れた魔石は売っちまうからな」
簡単に計算しても報酬は多めだ、空の魔石は自分では無理だが。
少し考えて、依頼書から顔を上げて少女を見る。
服装は整っており、言葉も丁寧、容姿も良いし、その上で大柄な冒険者の自分を見ても怖がる様子も無し。
「よければ、子の依頼俺が引きうけても?」
少なくとも騙しや騙りの類ではなさそうと判断し、そう提案する。
直接が心配ならこのままギルドを通してそれを受ける感じで、どうか、と。
■フェリーチェ > ブリキのカップを両手に持ちながら、その通りとばかりに首肯する。
末端価格では懐具合からして到底手が届かず、冒険者が売り払う未加工品の卸値での入手を狙っている形だった。
依頼書を眺める様子をじぃーっと見つめ、価格設定はどうやら間違ってなさそうだと判断していると……。
「えっ、本当ですか?そんな簡単に、いえっ、凄く助かるのですけど!何かあてがお有りですか?」
ぼんやりと依頼の良し悪しについて判断材料にでもしようと考えていた頭をすっぱりと切り替える。
テーブルの上で押し出したブリキのカップがズリズリと音を立てるほど前のめりになり、見開いた双眸を輝かせながらの問い返し。
ただ口では確認をしながらも、2度頷いて既に依頼書の控えをずいっと前に押し出して。
■クレイグ > 串焼きから肉の塊を一個口へ運んで、エールで流し込み。
「俺の場合は魔石って売るくらいしか使い道無くてな…期限はどんな感じになるんだこれ?」
ある程度時間があるなら、他の討伐依頼と同時に。
急ぎなら魔石持ちの魔物狩りして、他の部位を売ってそっちの分は自分の物として。
そんな質問と、答えを返し。
「ま、あとは困ってる可愛いい嬢ちゃんを放っておけなかったって、事で」
エールを飲み切って、テーブルにジョッキを置きながら、色んな人間と縁を持ちたいってのもあるしな、と少し小声で。
■フェリーチェ > 「そうですね、それほど急いでいるモノではないんですけど」
期限を切っていない依頼だったため、希望だけ愚直に出すなら早めに越したことはない。
しかし、値段相応を見極めようと、口実としておツマミのハムを口に含む。
相手が必ず売り払うスタイルであれば次に手に入る機会が狙い目だろうと考えつつ、塩気の効いた細い指を舐める。
「早めにあればそれだけ助かります。
もし宜しければ半月以内、購入可能な個数は3つまでになりますけど、一つだけでも大丈夫ですよ」
どうやら良い人そうだと判断し、お仕事のサイクルを予想して期限を切る。
ついでに、早めに欲しいのは事実なので三指を立ててから指を折り、ビシッと人差し指を突き出す。
■クレイグ > 「急ぎでないなら、さっきも言ったように討伐依頼のついでになるな」
急ぎではないと聞いて軽く頷いて。
少し魔石持ちの魔物事を考える。
「どの魔物でも良いって話だったけど、逆にこの魔物方が良いとかはあるか?」
魔石持ちという事で、ある程度以上の強さになるので、希望があれば合わせるが、と問いかける。
串焼きをいつの間にか食い切り、腰につけている小袋を机に置き、開くと中には干したベリーが数種類。
良かったらどうぞと言いながら、自分で適当に摘まんで口へ運ぶ。
■フェリーチェ > 「えぇ、えぇ、それでも構いません、それではこちらをお渡ししておきますね。
わたくし、フェリーチェ・メランドリと申します」
ハムの油と唾液に濡れてしまった方とは逆の手で、控え用紙の隅に略式のサインを書き加える。
文字は少し丸っこい感じで曲線が多く、ついでに言えばこの国の人間の癖とは違った趣だが手の動きに迷いはない。
「本当にどんなのでも大丈夫です。
属性だってよっぽど偏った癖が付いていなければ受け取ります。
ただ魔力貯蔵量だけ、そこだけ条件を下回らないように気をつけていただければ問題有りません」
嬉しそうに微笑みながら口にした条件について強調線も書き加え、元依頼の引き出しに役立つ資料として整えたものを差し出す。
依頼人という上の立場があっても、あの受付の込み具合を見てしまうと多少の手助けはしておきたかったから。
とはいえ、逆に出されたベリーに手を伸ばしかけた所で、不意に手を止めて首を振る。
流石に初対面の人からの食べ物を食べるほど無警戒ではなく、木皿を摘んで"まだハムがあるから"と、素振りで言い訳しておく。
■クレイグ > 「フェリーチェか、俺はクレイグだ、今は大体冒険者で偶に傭兵という感じだな」
控え用紙に書かれたサインを見て、この国の生まれではないのか、と思いつつ。
控えの髪を畳んでから腰からとった空いた小袋へ仕舞、口を縛る。
「そういう事なら問題ないな…んー、了解した、貯蔵量と個数な…貯蔵量は俺じゃ図れないから鑑定を頼むけど問題はないか?」
資料を受け取って中身を確認して、もしくはこれに乗っている魔物なら問題ないかな?、と、聞いてくる。
ハムがあると素振りで示されれば、特に気にした様子もなく、ある意味で感心しているようにも見える。
警戒心と断り方に対し、少し感心した様子。
■フェリーチェ > 「はい、宜しくおねがいします、グレイスさん。
傭兵もというと……人相手も熟せるのに魔物を"選べる余裕"がお有りなんですね♪」
さっきの口ぶりと合わせて実力者であることを察すれば、口元を押さえてますます嬉しそうに微笑む。
ただ鑑定と聞いて少し小首を傾げ、下ろした髪が肩をゆっくり流れる間くらい、しばし思案する。
考えるのは鑑定料。せっかく未加工品で安く手に入れようというのに、他で出費が嵩めば意味がない。
「魔術師ギルドの規定にある、最低限の簡易鑑定だけでしたら……。
もし、適当な所で鑑定して費用請求されても、そっちはお支払いはできません。
他に経費扱いになりそうなものがあれば、今相談したものだけでお願いしますね」
さらりと釘を差して、自分の無知で後々専門的な判断の付かない費用が追加されないように牽制しておく。
■クレイグ > 「戦場で鍛えられて、その後冒険者でそこそこ長いからな。
相手の事を調べてあれば、前準備も色々できるからそこそこは何とか…魔法しか効かないなんて理不尽がなければな」
そう答えながら、鑑定についての答えに。
まぁ、それは当然だろうという感じにうなずいて。
「魔石の貯蔵量が判ればいいわけだから、最低限のだな…もしくは知り合いにでも頼むさ。
この買取額でこっちに儲けが出るようにきちんとするから、安心してくれ。
ま、思ったよりサイズが大きくてもフェリーチェに先に卸すのも約束しとくかね」
更に追加される言葉に、喉奥でくっくと笑った後。
「とすまん、この笑いはやめろって言われるんだが、感心した時とか楽しい時に出る癖みたいなもんでな:
額の傷をかきながら、驚かせたりしてたらすまんと、軽く頭を下げる。
■フェリーチェ > 少女は分かった風にうんうんと相槌を打つものの、実際のところ戦闘職の細かい事情は預かり知らぬ所。
事前準備の重要性に納得がいったくらいだった。
「鑑定が確かでしたらそれで結構です。
サイズは……ん〜一度冒険者ギルドに預けてください、その費用は依頼の手数料に入ってるみたいです」
また指を舐めていた手を横に出し、手首よりもう少し上まで腕が見えるように持ち上げて、この細腕で大きすぎる石など持てないとアピールするように笑いながら振ってみせる。
とはいえ、そんなサイズの逸品を今の報酬額だけで引き取れるなら、頑張ってしまうかもしれないが……。
「大丈夫です。こんな場所ですから、ちょっと怖い人は居るって思……あ、えっと……。
だ、大丈夫です!!」
良い契約がまとまって気を抜いてしまったのか、失言に気づいて取り繕う言葉も思いつかぬまま声のトーンを跳ね上げる。
■クレイグ > 「流石に貯蔵量で失敗する相手だと、魔術師として信頼もできなから流石に大丈夫だろ。
そうだな、そこはギルド等した方が安心だな、一度ギルドに預けてお互い立ち合いで確認としておくか」
腕を見せてするアピールに苦笑しながら。
相手次第なところもあるからと、最低サイズ以上の魔石になる事以上は約束できないが、と。
「いやいや、それが普通だろう…ここじゃなくて貧民地区の路上であったら速攻逃げてたんじゃないか、フェリーチェも」
手をひらひらと振って気にするなと素振りで示し。
こんな風だったりしたら、と…思い切り顔をしかめて見せる。
額の傷と男の雰囲気が合わさって下手をしなくても犯罪者にしか見えなかったりして。
「ま、普通にしててこんな顔だったら問題だが」
またくっくと踊奥で笑う。
■フェリーチェ > 契約に問題は無いのだが、気にかけていない気軽な様子が逆に少女の至らなさを刺激した。
白い頬はあっという間に火照り、汚れてない手を髪に入れて熱をもった耳を触る。
下調べはした、警戒心は心に刻んだ、声もお淑やかに落ちついて……と、けれど気の引き締め方と子供っぽくコロコロ変わる表情はまだ取り扱い注意。
口の中で小さく唸って、ちゃんと真正面から見据えるように瞬きして視線を固定した。
そしてきっちりと、前提条件から否定する。
「いいえ、貧民地区の路上には行きません。
危ないことにならないように、ちゃんと考えて行動します。
だから、その、覚悟の許容範囲内だったというか、そこまでそのぉ……凄く怖いってほどじゃ」
しどろもどろになりつつも、本当に大丈夫なんだという意思を込める。
■クレイグ > 少女の細かい仕草を見ながら、思ったよりも強い視線を受け、その瞳を見つめ返しつつ。
その言葉にうなずく。
「それが正解だな、フェリーチェがそんなところ行ったら速攻影に連れ込まれそうだ。
ん、そっちに関しても判ったから大丈夫だ」
覚悟はしていたのだなと、思いつつ、もう一度頷くと。
「こういう場所に慣れてなさそうだったんでな、すまないな少しからかいすぎた」
すまなかったと軽く頭を下げる。
「お詫びに、何か一品頼んでもらってもいいけど、どうする」
此処でなら酒でもジュースでも飲めるであろう金額をテーブルに置きながら。
■フェリーチェ > 「それも、間違ってません。慣れてたらもっと別の時間にしました」
そう言うと恨めしげに目を細めて受付の方へ目配せする。
とはいえ、視線を戻して相席した男を見れば、これはこれで良い機会に恵まれた気もして表情はすぐに和らぐ。
それに相手を謝らせておいて自分の都合で騒ぎ立てるのも商売人としては失格だという思いもある。
ちょっと態とらしい苦笑を見せ、テーブルとの高さ的に似合わぬ様子で肩を竦めてから……
「何もお詫びしてもらうことなんてありません。
もし気兼ねすることがあるのでしたら、早めに納品してくださいね」
ずいっとお金を押し戻せば、ネクターの少し残ったカップを煽る。
■クレイグ > 「確かにな、夕方以降で一番込む時間帯だしな」
受付に対する視線に苦笑しながら。
少女のしっかりした態度に少しの驚きと感心を持って。
「そうか、それじゃ…きちんと魔石納品したら、依頼達成をお互いに祝うって事で、食事でもしないか?
酒は飲まなそうだし、食事処で、折半でな、どうかな」
冗談ぽくそういって、干しベリーの残りを小袋にしまう。