2022/01/07 のログ
ミンティ > どうしようかと考えながら歩く途中、裏通りに店を構える小さな酒場を何軒か通りすぎた。
年も明けたから、また商人仲間との会合に呼ばれる日も近いだろう。会合とは名ばかりで、飲み会に終始する事もすくなくないのを思い出して、すすめられるお酒をどう断ろうかと今から思い悩む。
 そんなところに一際冷たい風が吹きつけてきたから、のろのろ歩いていた足の運びも思わず止まり。

「……ふ、…っくしゅ……っ」

小さなくしゃみ。あわてて外套を掻き抱いて、身体を縮こまらせる。風に当たる面積を減らそうとしたところで、大した効果が得られるわけもなく。
立ち止まっている時間の分だけ寒さを味わうのだと考えると、先ほどより早足で歩きはじめて。

ミンティ > 早く家に帰って、のんびりしよう。そのつもりで立ち止まらずに歩き続けていたけれど、結局、帰路の途中で寒さに負けた。細道を抜け出す直前、一度は通りすぎようとした酒場から漂ってくる、温かいスープの香りに引き寄せられて進路を変える。
小さな背中は、そのまま賑やかな店内へと吸いこまれていって…。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からミンティさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にミンティさんが現れました。
ミンティ > すこし前から建築中だった大きな建物。どこかの偉い人の邸宅なんだろうかと通りすがるたびに小首をかしげていたけれど、それにしては大通りに面した立地がふさわしくないようにも思えていた。
その建物が、まさか一軒の雑貨屋だとは予想もしなかった。建築が終わったころに配られていたチラシを見て、これだけ大きな建物でなにを売るんだろうと不思議だったから、開店の日を心待ちしていて。

「……ふゎ」

それから、すこし忙しくしている間にオープン初日がすぎてしまっていたけれど、どうにか暇を作り、様子を見にやってこれた。
とても雑貨屋とは思えないような派手な装いの店構え。入り口を潜ってみると、広い店舗の中に、いろんな品物が並んでいた。
雑貨の種類だけでも数えきれないくらい。どこから見て回っていいかもわからなくなって、しばらくうろうろ歩き回り。文房具のコーナーで足を止める。ペンだけでも何種類も置いてあって、思わず溜息。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にクレイグさんが現れました。
クレイグ > 【時間が合わなかったので失礼します】
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からクレイグさんが去りました。
ミンティ > お気に入りのペンはまだ使えるから、新しいものが必要なわけではない。でも、可愛い飾りがついたものや、丁寧な彫刻が施されたものを見ていると、一応道具を商品として扱う身だからか、そわそわしてしまう。
せっかくやってきたんだから、一本くらい買って帰ってもいいかなとは思うけれど、これだけ品揃え豊富なお店だと、衝動買いしていたら、すぐに財布が空になってしまいそうで。

「……んぅ…」

しばし悩んだ末、手に取っていたペンを棚に戻す。もうすこしいろいろ見て回ってから、他にほしいものが見つからなかったら戻ってこよう。
そう考えて、後ろ髪ひかれる思いながらも、ふらふらと文房具のコーナーを離れて。