2021/12/23 のログ
ボブ > (しばし道を歩いていけば、目的の酒場の前に辿り着けば酒場に入る前にパンッと両頬を自分の手ではたいていって)

「うしっ! そんじゃしっかり飲んで、そして楽しんでいきますかね」

(酒を飲む前に気合を入れるという何とも風変わりな行動をした上で男は目的の酒場の中へと消えていく)

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からボブさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にミンティさんが現れました。
ミンティ > 裕福な暮らしができるほど稼いでいるわけではないけれど、日々の仕事は順調といえば順調。だからたまには、ちょっとだけ贅沢をして活力を取り戻すように心がけている。
けして必要な出費とも言いきれないから、そんな習慣をはじめてから結構経つのに、まだすこし後ろめたさがあったりもしたけれど。
今日は、近頃開店したというドリンク屋へ行ってみた帰り。温かい飲み物に冷たいクリームが乗せられていて、お店を出てからしばらくしても、口の中が甘くて幸せだった。
いつもよりは上機嫌に夜の大通りを歩いて、身体が冷えないうちに帰ろうと考えていたのだけれど。

「……ゎ」

進行方向に人だかりができている。進む先を防がれて、そこから別の道へ行こうと引き返してくる人とぶつかりかけて、あわてて道の端に避けた。
なんの騒ぎだろうと様子を見ようとするけれど、背の低い自分では、頑張って背伸びをしても、その先にあるものが目に入らない。
ただ、ここまで怒号が響いてくるから、おそらく誰かが喧嘩をしていて、この人だかりは野次馬の集まりなんだろうと想像する事ができた。

どうしようと考える。この人の多さの中を頑張ってすり抜けたとしても、派手に喧嘩をしているのだろう場所を横切るのは、すこし怖い。
なにもしていないのだから、絡まれる謂れもないけれど。自分も引き返して裏道を通ろうか、それとも喧嘩が早く終わるのを待とうかと悩んで。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にクレイグさんが現れました。
クレイグ > どうしようかと悩んでいると、人込みを抜けて出てくる黒いマントを付けた中年戦士風の男が一人。
少し野次馬に邪魔されながら、かき分けてはぁっと一息ついた所で、目線を上げ、見知った顔を見て首をひねる。

「確か、古物扱ってる所の子で、ミンティだっけ、どうしたそんなところで立ち尽くして」

マントなどを直しながら、声を掛けて、近づいてくる。
冒険帰りなのか、冒険帰りに酒でも飲んできたのか、ちらっと見えたマントの下は鎧や武器を装備したままで。
背中にも大きなバックパックと、盾の様な物を背負ったままという、冒険者ギルドなどでしか中々見ない様な恰好で。

人によっては頼もしく感じるだろうし、怖いと思う人もいるだろう。

ミンティ > 多分、最初に喧嘩を見た人が足を止めていなかったら、すこし遠巻きにしてみんな通りすぎたりしていたんだろうと思う。けれどこうなってしまっては、あとからくる人たちも人だかりに首をかしげて、なにが起こっているかと覗こうとするのだから、周囲の人は増える一方。
このままここに立ち止まっていると、前進も後退もできない状態になりそうだ。困ったなあと考えながらも、とりあえず野次馬の群れからはすこしずつ距離を取ろうとして。

「っ。……あ、え、と、……クレイグ…さん、でした…よね。
 ええと、その……道が、塞がってしまっていて……」

ちょうど後ずさったら、今まで自分が立っていたところで人波が分かたれる。
そこを潜り抜けてきた男性の姿を見上げて、以前にも会った事がある男性だと思い出すと、ぺこりと頭を下げた。
この人くらい大きな身体を持っていたなら、自分も強引に野次馬を駆け抜けたりできるんだろうかと考える。
性格を改善しないと、どちらにしても難しそうだという結論に、すぐに至ったけれど。

「……あ、の、お仕事の帰り……ですか?」

クレイグ > 喧嘩を見物する趣味もなく、割って入る理由もないのでかき分けてきたのだが。
思ったよりも人が多く、通り抜けるのに少し手間取ったが、体格と装備、顔の傷など、野次馬が見れば少し腰が引けそうな外見のおかげか何とか通り抜けて、少し人が少ない場所までたどり着く。

「あぁ、なんか喧嘩してるみたいだからな、これだけの野次馬居ると邪魔ではあるな」

歩いてきた後ろをちらっと見て、周りを見れば野次馬でつまり、段々と人がたまってきてる様子。

「ん…あ、これか、そうだな依頼の帰りで飯って帰るか、酒を飲みに行くか悩んでた感じでな」

手をコップをあおるような動きで見せて、そんな事を言ってくる。

ミンティ > 喧嘩なんか見て、なにが面白いんだろうと思う。自分なら特等席を与えられたところで、人が殴りあうところを直視できる気がしない。
今も、人だかりの向こう側から聞こえてくる大きな物音に、びくっと震えては身構えるように肩をすくめる。ここまで被害が及ぶわけではないから、それはそれで怯えすぎなのかもしれない。

「……まだ、続きそうでしたか?」

向こう側からやってきた男性なら、今はどういった様子かもわかるかもしれない。早く決着がついてさえくれれば、この人混みも自然と流れていくだろうと考えて、一縷の望みに託すつもりで、問いかけながら小首を傾ぐ。

「寒い…ですからね。お酒、おいしいと……思います…」

自分は日常的に飲む方ではないけれど、たまにすすめられて口にした時の、身体がぽかぽかする感覚はよくおぼえている。
こんな寒い日なら、お酒を飲んですごすのも楽しいんだろうと想像して。

クレイグ > 「似たような実力のがやりあってたからな、しばらく続くと思うぞ」

その内衛兵が来るかもしれないが、この街で仕事熱心な衛兵は少ないのが実情で、下手をすれば邪魔だと思った人間が割って入る可能性の方が高いまであるかもしれない。

「そうだな、ホットワインとかも良いし、他にも暖かくして美味い酒もあるしな。
時間つぶしに、そこらで酒でも飲むとか、どうだ?
もしくは、店近くまで送るか?」

とりあえず、道の真ん中にいると自分はまだしも小柄な相手が人波に攫われそうだと思い、話をしながら少し横に避けて誘導していく。

ミンティ > 決着は遠いらしい。別にどちらかを応援しているわけでもないけど、喧嘩が長く続きそうだと聞くと、どうしても肩が下がってしまう。
道を塞がれていなくても、ただでさえ人が怒ったり、暴力をふるったりうする場面に居合わせるのが苦手な方だったから、自然と溜息もこぼれて。

「そうですか。……どう、しようかな。
 いえ、わたしは……明日も、お仕事があるので、あまりこの時間からは…
 でも、ええと、…そうですね。ここにいるよりは、いいかもしれません」

強引にすすめられて飲まされると断りきれないのだけれど、大体そういう時には、翌日困った事になっていた。
無理強いされないようなら、首をふるふると振って遠慮する。だからといって、ずっとここに立っていても得はなさそうだった。
しばし考えこんだのち、せめて外の風から避難するくらいはいいだろうと、こくんと頷いて。

クレイグ > 「そんじゃ、そこの店で良いか…看板見る限り女性が入っても平気そうだ。
俺を立てにしていいから、後ろかからついてきてくれ」

ざっと周りを見て、近くにある一軒の酒場を示して。
ミンティの前に立って歩きだし、店へ。

「とりあえず、誘ったのこっちだし奢るから好きなの頼んでくれ。
あ、俺はホットワインと炒り豆を」

適当な席へ腰を降ろして、奢る事を伝え、自分は適当な注文を通す。

ミンティ > まわりを見回す男性の動きにつられて、自分も周囲をきょろきょろと。この時間の大通りだと、お酒を飲めるお店が開いている事も多く。どこも賑やかそうだなと、ぼんやりとそんな感想を持ち。

「……あそこ?……はい、わかりました。
 …盾には、しませんが。はい、お願いします」

示された看板を見て、あのお店なら、たしか以前にも一度足を踏み入れた事があったはずだと思い出す。
はじめてのお店だとどうしても緊張が先にきてしまうから、とりあえずほっとして。
男性のすこし後ろをとろとろと歩き、ついていく。

お店の中に入ったら、外からの寒さも柔らかいで、ほっと息を吐いた。
すすめられるまま適当な席に腰を下ろし、メニューを眺めながら、んーと声をこぼす。

「…え、と……ミルクは、ありますか」

子どもみたいな注文だと思って、すこし恥ずかしい。けれど、さっき飲んできたばかりのホットドリンクの甘さをすぐに忘れるのが惜しかったから、味の余韻が変わらなさそうなものを注文しようと。

クレイグ > 「頑丈だから使いべりとかはしないし気にしないで平気なんだけどな」

そんな事を苦笑しながら言って、注文を取りに来た店員へ、ホットミルクを頼む。

「少し寒さはしのげそうか?、困ってそうだから誘っちまったけど。
可愛い子とが困ってるのを放っておくのもできなくてな」

注文の時に少し甘いものをと店員に言ってミルクに小さいが蜂蜜を使ったらしいクッキーを付けて貰い。
それもおごりだから食ってくれと、少女の方へ置いてもらう。

ミンティ > あの人混みをものともしなかったのだから、風を切って歩くくらい、たしかに大した事ではないのかもしれない。自分がずっと同い年の中で見て小さい側のままだったから、身体が大きな人の気持ちがどんなものか、実際のところよくわかっていない。

「……わたしが…申し訳なくなるのです」

隣に立って、並んで歩いたところで、寒さを感じるのが二人に増えるだけ。意味がないと理解しているものの、ばつが悪そうに、ぽつんと呟いて。
それから、しばらくも待たない間に、湯気立つマグカップが運ばれてくる。一緒に、クッキーを盛った小さなお皿添えられて。あれ、と小首をかしげたあと、男性が気を回してくれたのだと知り、眉が下がる。

「いえ、あのままあそこにいても、仕方がなかったですし……
 ええと、その……わたしも、お金を出しては、だめですか。慣れていなくて」

可愛いと褒められると、落ち着かなさそうに目を泳がせた。
そして、問いかけながら財布を取り出そうとする。このあたりのお店だから驚くほど高価ではないだろうけれど、自分の代金まで出してもらうのは気がひける。

クレイグ > 「あー、そうか…んじゃ、先のは気にしないでくれ」

性格なのだろう、以前鑑定を頼んだ時は、少し違った気がするのでこっちが素なのかなと、ふと思いながら。
手をひらひらと振って流してくれと。

「そういって貰えるとこっちも、安心する。
んー、女の子誘って奢るって言ってから、お金出してもらうのは、あれだけど……うん、それじゃクッキーの分は俺が勝手に頼んだし、そっちは俺が持つ、ミルクの方を出してもらえるか」

両方奢るというと、押しきれそうな感じはあるが、後で気にしそうではあるし。
折衷案を提示して、それでどうかなと苦笑する。

ミンティ > なにもかも気にしすぎる癖は、近頃反省するようになっているけれど、なかなか完全に治る事もない。幼いころからずっとこうなのだから、心構え一つで改善ともいかず。

「……はい。ですが、あの…、おかげさまで、助かりました」

結局のろのろとした動きで大きな身体の後ろを歩いていたのだから、そのつもりはなかったとしても、盾にしていたのと同じ。
ぺこんと頭を下げたあと、そろそろとした動きでマグカップに手を伸ばし。
湯気で眼鏡が曇らないよう、頭をすこし後ろに引きながら、息を吹きかけて熱を冷まそうと。

「それでしたら……はい、わかりました。
 では、……あの、せっかくですから、ご馳走になります。いただき、ます」

自分が食べる分は自分で出す、と言いたいところだったけれど、せっかくの厚意にわがままを言う方が失礼なのも、ちゃんと理解している。
クッキーは男性が頼んだものだからという落としどころは受け入れやすいものだったから、小さく頷き。
もう一度、頭を下げて感謝の意思を示してから、ミルクの熱で温まった口で、クッキーに小さくかぶりつき。

クレイグ > 「ん、あいよ」

何度も繰り返すモノでも無いと考え、助かったという言葉には、軽く頷きと一言を返し、微笑みながら不器用に片目をつぶる。
ウィンクの積もりらしい。
そして何やらミルクを飲む動きを、小動物っぽいなと思いながら、眺め。

「んじゃ、そう言う事で…うん、落としどころがあってよかったわ。
どうぞどうぞ、それ位ならこの後飯でも飯食った後でも入るかなと思ってな」

自分は炒り豆を掴んで口へ放り込んで、ホットワインで飲み込む。
外落ち着いたら、店近くまで送るけど、どうする、と軽く聞くと、ポリポリと豆を摘まむのであった。