2021/11/06 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にミンティさんが現れました。
ミンティ > 今日はお店も休みで、のんびり過ごすつもりだった。けれど、お得意さまから急な仕事の間だけ子どものお守りをしていてほしいと頼まれて、天気もいいからと公園までやってきていた。
まだ身体は小さいものの男の子たちだからか元気が有り余っていて、ほとんど振り回されるように時間を過ごしていた。
そうしているうちにあたりは薄暗くなりはじめて、空が夕焼けで染まるころ、ようやくお迎えに来てもらえた。

「ばいばい。うん、またね、…………はぁ」

人と話す時は緊張で表情が硬くなってしまいがちだけれど、お得意さまの目もあるから、自分なりにできるだけ愛想のいい顔をしながら手を振って。
見送る後姿が見えなくなったあと、どっと力が抜けたようにベンチへ腰を下ろし、溜息を吐いた。
子どもは元気だなあなんて思いながら、一緒に鬼ごっこをして疲れが溜まった足をさする。
公園には魔力で灯る照明がぽつぽつと光を放ちはじめている。このあたりは暗くなると人通りもすくなくなってくるから、なるべく早く帰ろうと思うけれど、なかなか立ち上がれないまま。

ミンティ > 慣れない運動を続けたせいか、身体がぽかぽか温かい。もうこの時間だと風が冷たくなってくる季節だけれど、今はその秋風を浴びているのが心地よくて。ぼーっと座っていると、つい瞼を下げそうになってしまう。
そんな時に近くの茂みががさがさと大きく鳴ったから、急な物音に驚いて飛び跳ねるようにベンチから腰を上げる。その勢いで足元がふらついて。

「び…っ…くり、した…」

なにが出てきたのかと思えば、この公園に以前から住みついている野良犬。
ふらついた勢いでそのまま、ぱたぱたと足踏みを繰り返す。変なダンスを踊っているみたいな動きになってしまったから、もう、と咎めるように野良犬を睨んだ。
どきどきと高鳴っている胸をおさえながら周囲を見回す。こんなところを誰かに見られていたら恥ずかしいと思って。

ミンティ > 幸い、この時間の公園には自分以外に残っていなくて、恥ずかしいところを見られずに済んだ。押さえていた胸を撫でおろし、ほっと息を吐いて。
そういえば子どもたちにあげた昼食のおかずが残っていた、と思い出して弁当箱を開ける。あまり塩気も強くない鶏肉の煮物を一切れ、地面にそっと置いて。寄ってきた野良犬の頭を撫でる。

「……もう、驚かさないでね」

そんな風にお願いしたところで通じるとは思えないけれど、小さな声で囁きかけて。元気よく鶏肉を食べはじめた野良犬を残し、自分も暗くなる前に帰ろうと、公園の出口へ歩いていって…。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からミンティさんが去りました。