2021/11/05 のログ
■ティアフェル > 大人しくして刻が行き過ぎるのを待っていれば少しは落ち着いてくるかと思ったが……。
「っふ……は、ぁ……」
眩暈がする。立っているだけでも辛い。
呼吸も苦し気に乱れて状態は悪化の兆ししか見せなかった。
「……やっぱ、だめ……」
ついに立っていられなくなり、耐え切れなくなったように震える膝が折れ、路地裏の途中で蹲ってしまう。
元来小柄な上背をさらに縮めるように小さくしてぐるぐると渦を巻く霞んだ視界から逃れるようにぎゅ、と瞼を閉ざし。
「はあ……、やだ……どうしよ……」
熱を持たない冷たい指先を、裏腹に熱く火照った額に当てて途方に暮れた声で呟く。
二日酔いの後みたいに自棄に喉が渇いて、飲み干した水筒の中身を補給していなかったことが悔やまれる。
カラカラになって唾液も出ずに乾いて空気を吸い込んだだけで口の中がさらに乾燥していくように感じた。
水が欲しい、できることなら買いに行きたいが全身から血の気が失せたように力が入らず立ち上がることも困難に思える。
いっそ、溜まった雨水でも…と思えるくらい逼迫し、霞んだ視界でどんよりと暗い路地を探した。
「水……」
零れ落ちる渇いた声は、まるで砂漠の遭難者さながらで。
■ティアフェル > 水が手に入らないまま、視界はどんどん暗くなっていきやがて飲まれるように闇に落ちていった。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からティアフェルさんが去りました。