2021/10/14 のログ
■イーヴィア > 「――――――嗚呼、俺が掘りに行くのさ。 必要な時に、必要なだけな。
けどな、神代の金属って言っても、結局は振るう奴次第で、鍛つ奴次第だ。
其処から、聖剣や魔剣みたいなモノを造り出すにゃ、其れだけじゃ足りない。
今俺が言った材料で作れるのは、精々"クソ硬い"剣、ってトコまでだ。」
(希少金属が希少である理由。 其れは、可能性に満ちている、と言う一点だ。
だが、其の可能性を十分に広げてやれなければ、精々丈夫な鉱物でしかない。
ただ、材料が其れである、と言う一点だけでは、真に価値を得られはしないのだ
とは言え、男が先に告げた条件を満たすには、十分な金属であろう
ミスリルであれば、値は張るが、あくまで手に入らぬものでは無い
鋼よりも軽く、しなやかで頑丈な事を考えれば、短剣とするには適している
――傷も、大分減る事だろう。 放たれた刃と、同等の硬さを得るのだから。)
「合金はよ、希少金属を混ぜるとかしない限りは、重さと強度が反比例だ。
俺が知る限り、唯一条件を満たすのはダマスカス鋼だな。 まぁ、ありゃ金属と言うより鍛ち方だが。」
(――ミスリルには、全体としては僅かに劣る。 特に軽さの面では。
だが、様々な合金の中でも特筆すべき点が在る。 ――錆びない、と言う点だ。
そして何より、此れは鍛冶師としての技術の粋。 希少な材料に頼る物では無いと言う部分において
或いは、男の求める条件を、より満たす物かも知れぬ。
――何も言わずに、ふと、傍にあった作業に使う布の端を、割く。
テーブルの上に、雫となって血が滴るまで、糸を引く事を止めなかった男に
無言で、其の布端を放り渡せば。)
「――――――……俺の作業時間で割り出す事になるな。
300を、何時迄に用立てろって言う心算だ?
纏めて引き渡しなら、はっきり言うが、3か月は貰う。
間に店の仕事が挟まるからな。 これだけに全ての時間は費やせねぇ。」
(―――言っただろう、面倒だってな。 ……と、改めて。
其の上で、その場で概算の作業時間を計算しては、紙に記して相手に見せる
――店の売り上げを犠牲にする分の請求含めれば、恐らく
件の令嬢に頼んだ装備一式と、其れほど変わらぬ請求に為って仕舞うだろう。
――だが、その下に改めて、別の計算を書く。
300を一気に納品するのではなく、定期的に、男が補充しに来ると言う形で渡す場合。
其の場合は、自らが作業の予定を調整すればいいだけの話になり、予算は一気に下がり。)
「――――ここまで細く無くて良いんなら、強度はもっと上げられる。 想定だとな。
アンタの都合次第だ。 ……やれって言うなら、やってやるぜ。」
■コルボ > 「……聞いた話じゃ、東方のタマハガネもダマスカス鋼も思想は同じ。
柔軟性に富んだ金属と剛性に恵まれた金属を積層構造にイカレた技術で練り込むとか、よ。
飴細工じゃあるまいし、ぶっ飛んだこと考える奴もいるもんだよな、ったく。
つーか、俺みたいなチンピラに”俺が希少金属の出所知ってる”って軽々しく言っていいのかよ。」
布切れを受け取り、指に巻き付けて応急の処置としながら貴方を見据えて
「ひとまずフセットと短剣は旦那の目に任せて合金で頼む。
クソ硬くて軽い、その二点だけがオーダーだ。
後ワイヤーのほうは、だったら、100を3か4か月で3セット頼めないか?
魔神なんざ昔一度遭ったっきりだからな。とりあえず1セットあれば色々考えられるし仕掛け……、と」
貴方の提案を受けるなり返す言葉が途切れる。貴方の提案する定期的な供給が自分の目論見と合致していたからであり。
ただ、予算の金額を塗りつぶせば、三割増しの金額に書き換えて。
「できれば細い方がいいから、このままだと助かる。
……あんたは口外しないだろうから言うけど、
大量に色々な性質のヴェリトゥム仕込んで撃ち出す構図だからな。
出来ればそのまま、少しでもデカブツを足止めできるように絡め取れればいい」
そこまで言うと頭を掻いて
「っと、俺みたいなゴロツキが分不相応なこと考えると、金もツテもかき集めないといけねえや。
だから、この辺で考えてくれると嬉しいんだがね」
■イーヴィア > 「―――以前に、東方の刀って奴の技術を勉強させて貰う機会があってな。
間違いねぇ、アレを最初にやり始めた奴は、狂気の沙汰だと思ったよ。
だがよ、狂気の沙汰にでもならなきゃ、イカレたモノは出来ねぇってのも再確認できた訳だ。
―――本物の狂気ってのは、何より一途って事だからな。」
(――鍛冶に。 戦いに。 信念に。
様々な狂気のカタチは存在する。 ――そして、恐らくは。
己も、この男も。 そして、あの令嬢も。 其れを理解出来て仕舞うからこそ
同じ狂気に、惹かれ合うのかも知れぬ。
相手が止血を始めれば、再び筆記に戻る。
鋼糸の用途について相手が白状するなら、一寸筆を止め、成程、と頷いてから。)
「―――――………ただのチンピラが、こんな頭の悪い依頼なんざ出して来るかよ?」
(くつくつと、そう返してから、笑って見せた。
最終的な相手の要望には、了承を見せて、新たな紙に注文書を作成し始める
己が出した計算の草案、最終的な金額を割り増しで塗り潰した相手に、良いのか、と眼で問い掛けつつ。
綺麗に整頓した紙を、相手の眼の前に一枚差し出した上で。)
「――――出来る限り、目的に合うよう改良はしてみるさ。
短剣の方は任せな、細かい所はこっちで、予算の範疇で自由にやらせて貰う。
それと、1週間後に一度来い。 ……100は無理だが、試しに10は作り込んでやる。」
(短剣も、其の時に渡してやる、と。 そう声を掛けては。
差し出した注文書の片割れを、持って行け、と、促した)。
■コルボ > 「ぜってえ最初に刀だのダマスカスだのやりだした奴ぁ飯も寝ることも惜しんで女も抱いてない奴だろうさ。
……だから、子孫も残らなくて、弟子が試行錯誤して後世に伝えて、
もしかしたら、オリジナルの全部を伝えきれてねえのかもしれねえな」
狂気は一人に宿るもの。伝播などしない。だからこそ、凶器の果てに生み出された者を、真に理解できた者が当時いたのだろうかと。
「チンピラだよ。……いつか、どこにでもいるチンピラがぶっ殺せるような、
そのぐらい考えねえと、きっとやれねえだろうからな。」
笑う貴方とは対照的に、自嘲気味に笑う。
自分はいつまでたっても破落戸なのだと。自分は破落戸でなくてはならないのだと。
「ああ、手に出来るだけでもそんだけ渡してもらえるならありがたいけど、いいのかよ。
他の仕事だってあるだろうがよ」
だからこそ、最初に提示した期間より更に長く、工期を指定したのに、
一部とはいえ安息日を越えれば渡してくれるという。
「ああ、そっちも頼むよ。と、礼金はそういや一括でいいか?
来週なら丁度崩すのに時間かかるから丁度いいしな」
片割れを受け取りつつ、最後の報酬の確認にまで進んで
■イーヴィア > 「――――かも知れないな。
俺のダマスカスも、オリジナルと同一かと言われりゃあ何とも言えない。
だが、これはこれで、其の試行錯誤で伝えられた、技術の結晶には違いないさ。」
(だから――決して劣らぬと言う自負は、持つ。
鍛冶師として、其処は決して譲らぬと、そう、口元に弧を描いた後で
――既に、閉店の札が掛かって居る店内に、並んだ品を指さして。)
「――訪ねて来たのが今日で良かったな。
丁度、デカイ仕事が終わったばかりで、手は空いてるのさ。
嗚呼は言ったが、1週間くらいならコイツに集中してやれる。
その位なら、在庫も尽きはしないだろうよ。」
(――短剣二振りと鋼糸、後者の方が圧倒的に時間が掛かる、なぞと言われたら
恐らく大抵の者は首を傾げるやも知れない。
自ら示した工期を、されど、多少無理して集中させるのは
例え僅かでも、男の手元に早くそれを渡しておきたい、己が我儘だ。
男が其れを、どう活用するかは知らぬが――)
「――――一括の方が、こっちは面倒が無いからな。
其れで良いなら頼むが、まぁ、無理なら来るときに言え、分割でも構わんさ。
……崩す?」
(――どちらかと言えば、寧ろ大金の当てはあるのか、なぞと。
支払いについても、相手の都合は尊重しつつ、一括で良いならそれで、と指定して)。
■コルボ > 「ん? ああ、貯えを崩して金に換えるのがな。
大体依頼を受けて仲が良くなった貴族や商人のところに素材を保管して置いてたり預けたりでな。」
一通りの話を受けて、崩すことに首を傾げられればそう答えて。
「こんなイカレた国、しょっちゅう貴族が没落して入れ替わるところの貨幣価値なんざ、
いうほど信用してねえからな。それよか物で残しておいたほうがいいよ。」
大金の宛どころか大金に変えるのに時間がかかるのだと、ごろつきと称する、魔神殺しを狙う男はそう答えて。
「んじゃあ、また来週来るよ。……ありがとな、受けてくれて」
そう言うと、軽く頭を下げて、工房を後にするだろう。
■イーヴィア > 「成程、まぁ、其れも一つの手だな…。
生憎こっちは従業員も居るんでね。 金で支払うのが優しさってもんさ。」
(個人経営で在れば、別に硬貨に拘る必要は全く無かったかも知れない。
だが、生憎ながら鍛冶屋でも在り、経営者でもある。
人の生活を預かって居る以上は、素直な給与体系の方が喜ばれるだろう
最後まで残って居た店員が、帰って行くのを軽く片手掲げて見送れば
己もまた立ち上がり、工房を去る男を見送る為に、店の裏口を開いてやり。)
「嗚呼、遅れるときは連絡寄こしな。 時間外でも裏は開けててやる。」
(そう告げて、其の背が闇に消えるのを、今宵は見送り――)
■コルボ > 「ああ、んじゃあまたな」
見送られ、宵闇に男は姿を紛れさせ、帰路についていく
ご案内:「ヴァルケス武器防具店」からコルボさんが去りました。
ご案内:「ヴァルケス武器防具店」からイーヴィアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にキサラギ コノハさんが現れました。
■キサラギ コノハ > 日も暮れ始めて夕焼けに空が染まる時間帯。
それなりに人が込み合う通りに冒険者ギルドから姿を現す異国の服装の姿。
外へと出れば大きく背を伸ばして硬くなりそうだった身体を解し道を歩き始め。
「今日は良い依頼に当たりましたね。これだけあれば……武器の手入れも出来そうです」
一人では中々に儲けの良い依頼が受けることが出来ず、今回は運よくそれ受ける事が出来懐も温かい。
これでようやく本格的に武器の手入れが出来、代わりに使っていた慣れない武器を置けると思えば笑みも浮かび。
ギルドで教わった腕のいい職人がいる店は確かこちらだった…?と記憶を頼りに歩いて。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からキサラギ コノハさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 冒険者ギルド」にランバルディアさんが現れました。
■ランバルディア > ギルド内、テーブルの一角を借りて閉め出されるまでのひとり酒。
具合の良さそうな冒険者でもいれば、酒と飯を奢ってやるのも吝かではない。
勿論対価はいただこうというのだけれど。
しとしとと降る雨が、妙に寒さを感じさせる。
幾らか歩いて宿には行かなければならないが、独り歩きをするのはもう面倒でしかない。
目も覚めるような美女とは言わないにしても、
からかいたくなるような可愛い娘でも姿を見せないものかとぼんやり。