2021/09/26 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からソルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にミンティさんが現れました。
ミンティ > 華やかなカフェや歴史ある商店が並ぶ大通りを昼の商店街とするなら、今、自分が歩くこちら側は夜の商店街とでも呼ぶのだろうか。暗くなるにつれて入り組んだ路地に軒を連ねる店が賑やかになっていく。中には、見るからにいかがわしいものを扱っていそうなお店に、こそこそと入っていく男性の姿も。
今日はそんな風にして自分も悪い遊びに手を染めたくなっていた、というわけでもない。応援している劇団が、今回はこのあたりの小劇場を借りて演目を披露する事になっていたから、観劇のため勇気を出してやってきたにすぎない。
一枚一枚手書きされたパンフレットを手に取ったり、劇が終わったあとも買い物に歩き回ったりしたせいで、劇場を出るのは暗くなってから。早めに出たところで、もうこのあたりは薄暗くなっていただろうけれど。

「……ぁー…」

つい夢中になってしまったと反省。しかし今回はさほど気落ちする事もなかった。同じようなタイミングで劇場から出てくる客はすくなくない。層も、自分と同じくらいか少々上だろう、若い女性客が目立つ。明るいところまでは、彼女たちのあとに続いていれば、変な事にも巻きこまれないはず。
……その作戦そのものは間違っていなかっただろう。けれど、自分の足の遅さを失念していた。数分後には、裏路地の半端な場所で、まんまと一人孤立した状態になっていて。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にキルシュナさんが現れました。
ミンティ > なんだか陰鬱な空気が漂っている気がしなくもない、とはいえ、こんな場所でも一応は商店が並ぶ界隈。いくら薄暗いといっても、所々には誰かが照明を吊るしてくれていたりもして、ほんとうになにもない路地裏と比べたら見通しはきく方だろう。
ただ、今となってはそんな親切にも肩をびくつかせてしまう。さっきまで楽しんでいた劇の内容が季節外れの怪奇物だったから、風に揺られる照明が作る影まで怪しいものに見えてしまって。

「っ…!…ああ、もう……」

またなにかに驚いて、びくっと跳ねて足を止める。臆病な胸の奥がどきどきと高鳴りっぱなしで、呼吸まですこし乱れてきてしまった。あんまりこんな場所でのんびりしてもいられないけれど、息を整えるために、適当な壁に背中をついて深呼吸。
ちょうど、連れこみ宿の裏手に立っていたのだろう。薄い壁がかたかた揺れて、向こう側から熱っぽい息づかいが聞こえているのに気がつくと、気まずさに眉を寄せ。こちらの存在を悟られないよう、そろそろと距離を取りはじめる。壁を隔てているから姿まで見えないのはお互いさま。ながら、盗み聞きしていたと思われるのも、なんとなく嫌なもので。

キルシュナ > 「いやぁ、食った食った。久しぶりにがっつり肉食ったわぁ♪」

曇天の空が月明かりを遮って、淀んだ闇で常以上に物騒な風情を醸す平民地区の裏路地。
流石に道端に物乞いやら薬物中毒者、時には死体なんかが転がっている貧民地区に比べればいくらかマシな通りと言えど、まだ若い、それもむっちりと肉づいた肢体を露出の高い着衣で覆ったミレー娘が能天気な独り言と共に歩めるような場所ではない。
そんな背景情報など知らぬげな軽妙なる歩みは、つい先程お気に入りの酒場で食した魔物肉のステーキの味わいを思い出しつつにまにまと笑み綻ぶ美貌をぴょこんと跳ねさせた。

「―――んぉ? なんや見覚えのある後ろ姿……あの安産型の柔らかそうなお尻とピンク色の髪は……んひひひっ♥」

切れ長の金眼の先、どこか恐々とした歩調で裏路地の暗がりを行く小躯の後ろ姿にニヤリと邪な笑みを広げたエロ猫は

「おっしゃ。折角やし、新しぅ覚えた術式試したろ♥」

くねる猫尾もいかがわしく気配を殺して近付いて、ぼそぼそと何やら呟いたかと思えば「―――ちょいや!」なんて小さく呟き、小躯の背筋に伸ばした二本指をびしっと向けた。
途端、桃色髪の少女の身体に襲い掛かるのは、不可視の力。
突然身体が動かなくなったかと思えばその小顔は真正面を向いたまま、裏通りの中央でお辞儀するかに腰を曲げはじめる。
そうして形作るのは馬飛びの馬の様な姿勢。
それだけではない。
少女の意思などお構いなしに動く細腕は、紺色のロングスカートを緩めてストンと石畳の上の落とし、更にはゆっくりと愛らしい尻肉を包むショーツまで引き下ろし始めるのだ。
まぁ、もしも彼女がエロ猫の術式に見事レジストしたならば、何かされたという感覚だけを感じつつ、ひとりでに動き出そうとする己の身体を律する事も出来るだろうが……果たして!

ミンティ > 壁越しに怒鳴られたりしたところで、一目散に逃げ出せばいいだけの話。自分に後ろめたいところはないのだからと言い聞かせるようにしてみれば、後ずさる動きは、そこまで硬いものにはならなかった。
おかげで連れこみ宿と思わしき場所からは距離を取る事ができた…けれど、また別の厄介事が生じているとは思いもしなかった。
そこまで慎重に行動していた分、ほーっと息を吐きながら胸を撫で下ろす間は、注意力も散漫になっていた。
そもそも相手の技量を考えると、今まで気配を殺して近づく彼女の存在に気がつけていた事そのものが奇跡に近いだろう。そしてそんな偶然は、そう何度も続かないようで。

「…?っ……きゃあっ?!」

聞きおぼえのある声に振り向こうとした矢先、見えない何かに背中を押されて、前屈みの状態に。なにが起きたのかわからず、とっさにあげた悲鳴は虚しく闇夜に飲みこまれ…。

キルシュナ > 【場所移動します】
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からキルシュナさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からミンティさんが去りました。